コンビニの独立・開業・稼ぎ方

「コンビニ」の独立・開業・稼ぎ方

 

今回はコンビニの独立・稼ぎ方について書いてみようと思います。

今ではコンビニエンスストアが街のいたる所にありますね。少し歩けばコンビニが

見つかるというとても便利な環境になっています。また24時間営業のため、昼間

買い物をし忘れたなんて時も一般的な商品であればある程度揃っているのでとても

便利。コンビニはなくてはならない存在です。また現在ではコンビニエンスストアも多様化

しており以前からある宅急便やコピー機設置等以外にも弁当・惣菜宅配やクリーニングサービスなど

様々なサービスを展開しています。

スポンサーリンク

コンビニ開業立地の選定

街中には沢山のコンビニエンストアが立ち並んでいます。コンビニ開業を志す人は本部の募集要項

等を見て応募し説明会等へ参加後に開業を検討する人も多いでしょう。募集要項はそのコンビニの

HPや新聞・求人誌に掲載される事もあります。どこも積極的にFC店を募集している所が多いので

情報探しには困らない筈です。説明会に参加すれば大抵のシステムは把握できますが説明会で聞いて

いた内容と実際の経営上の数字が全く合わないという声も時々聞かれます。コンビニと一言に言っても

様々なチェーン店がありますので幾つかの企業の説明会に参加した上で加盟を検討するようにしたい所

です。特に加盟金や最低保証額・ロイヤリティ等は重要な項目ではありますが、今後一番重視したいのは

そのコンビニの将来性です。コンビニは商品やサービス内容も年々様変わりしておりまた別グループとの

統合を繰り返したりと情勢は常に動いています。FC契約は10~20年契約と長い契約期間になる事が

通常ですのでこの入口部分を間違えると後々に後悔する事にもなり兼ねません。

どのコンビニチェーンにするかを選択し申込みをすると次にコンビニ本部の審査が入るようになります。

信用状況の調査や一緒に店舗を運営する配偶者等の協力など、加盟社として適正があるかどうか等を

審査されます。無事審査が通れば最初にオーナー自らが本部の研修を受ける体制に入るでしょう。

通常は本部事務所の施設等でオーナー研修を行っていきます。またこの頃に同時に出店する地域を

選択しなければなりませんがオーナー自らが出店したい地域があればその意向を本部に伝え、希望が

なければ本部から数か所の出店予定地を紹介してもらう事も出来るでしょう。昔は個人商店のような

コンビニを取り壊して開業地にする事も多かったものですが最近では不動産情報を活用したり地主を

口説いたりと様々な方法で立地を特定していきます。特に大手コンビニであればあるほどこの立地選定

にはプロのマーケティング専門者が選定している事もあり十分に参考にしたい反面、一方では自社FC店の

事だけではなく将来的に近隣コンビニ競合店を侵食する為にどの地域に自社FC店を配置するかといった事も

視野に入れて立地が選定されています。つまり必ずしもそのコンビニ開業者の事だけを考えて立地が選定され

ている訳ではない事にも注意が必要です。下手をすればそのチェーン店の歯車になっただけで終わりという

結果にもなり兼ねません。またコンビニ出店は昔からドミナント戦略が取られる事が多く、ある地域に集中的に

同じコンビニチェーン店が並列している事も珍しくありません。本部からしてみればそのエリアで

包括的に知名度を上げられたり配送の効率化が図れる等のメリットはありますが、加盟社からしてみれば

まさに共食いのような状態にも見えます。近隣に競合コンビニ店が出店された場合、立地にもよりますが

日販は10万円前後下がる事もあります。それだけ競合店が近隣にある影響は大きいものです。

また売上げが下がったからと言って簡単に閉店が出来るものではなく契約違反を犯せば契約解除や

多額の違約金が発生するケースもあり得ます。また大手チェーン店はオーナーが高齢になると

その後の契約更新を行わない可能性も出てくるので自分が高齢になった時の進退も十分に検討

しておく必要があります。

開業時には本部に頼るだけではなく自分でも周辺調査は綿密に行っていくようにしましょう。

コンビニのロイヤリティと利益

一般的にはロイヤリティとは本部へ支払うお金です。コンビニの知名度や物流システム・独自商品等を

取り扱える訳ですからその分の手数料のようなものと考えて良いでしょう。このロイヤリティはコンビニ

チェーンや出店形態によって異なります。例えば出店に必要な土地・建物をオーナー自らが用意する場合は

ロイヤリティも低い傾向がありますし土地・建物を本部が用意する場合にはロイヤリティは高くなる傾向が

あります。例えばコンビニ大手のS社を例に取ると土地建物をオーナーが用意するAタイプの場合には

15年契約でロイヤリティは43%・土地建物を本部が用意するCタイプの場合には売上げ累進性(売上

総利益によってロイヤリティが変わる)になっており250万円以下は54%・250~400万は

64%・400~550万は69%・550万を超えると74%と最高では総利益の7割以上のロイヤリティ

が取られる仕組みとなっています。

実際に売上げから利益を考えてみると一般的な日販60万円くらいのコンビニを例に取るとします。

24時間営業で休みなく毎日営業ですので60万×30日=1800万の月商になります。

コンビニの粗利が3割程度とすると1800×0.3=540万円が売上総利益になります。

ロイヤリティが仮に50%とすると540万×50%=270万円が本部へ支払うロイヤリティとなり

540万-270万=240万円が残ります。そこから人件費やテナント賃料・水道光熱費・商品廃棄額・

求人広告費・万引き等の損害額・レジの精算誤金などを全て差引きし、最終的に手元に残る利益が決定する

ようになります。大きくコストがかかるのはやはり人件費です。コンビニでは常に3名体制程度が通常のため

アルバイトと言えど大きなコストになります。また24時間営業ですから深夜帯には割増賃金を与え

なければなりません。またコンビニは立地が命ですので路面店で周囲に競合店の少ない視認性の高い

立地に出店しようと思えばテナント賃料もそれなりに高くつきます。水道高熱費や住宅費等・棚卸費用等を

補助してくれるチェーン店もありますが優先的に考えるべきはやはり商品開発力を含めたそのチェーン店の

将来性を買う気持ちで開業を検討した方が良いでしょう。

スポンサーリンク

SV(スーパーバイザー)の存在

コンビニには各エリア毎にSV(スーパーバイザー)が巡回していて店舗の改善点や経営アドバイス・

ノウハウの提供を行っている事が一般的です。SVは本部と店舗を行き来しており会議で知らされた

新商品の導入等を各店舗に発注しておくように指示する役割もあります。SVによってはオーナーの

承認を取らずに無断で商品の発注を行ってしまうSVもおり少量の発注であれば問題になる事は少ない

ですが大量発注をしてその商品の売り行きが悪いと後々にオーナーとトラブルになる事もあります。

一方でSVも役割としては意外に激務であり本部の意向をそのまま店舗のオーナーに伝えても

簡単に納得してくれないオーナーもいたり新商品の導入を勧めてもSVの希望発注量に応じてくれない

オーナーもいます。また店舗の改善点を伝えてもベテランオーナー等は特に自分の経営センスに

過剰に自信を持っている場合も多いので改善案通りに動いてくれない場合もあります。

SVとオーナーには相性がありあまり融通の利かない相手だとお互いに大変になる事も多いものです。

またダメ出しばかりのSVもいればオーナーをなかなか説得できないSVもおりそのバランスは難しい所

ではありますが、コンビニ店を経営する以上はSVを味方に付けて経営改善をしていくより他なりません。

どのようなSVが担当になるかは当たりはずれもありますが、それよりも日々の売上げや従業員の接客・

クリンネスや品揃え等に注視し自分で経営改善を行っていく姿勢が必要になります。

 

私も昔若い頃にコンビニチェーン店の雇われ店長を任されていた事はありましたがそのお店のオーナーは

従業員がいるにも関わらず週6日間、朝から出勤しており真面目なオーナーでした。それでも様々な

コストを差し引くと最終的にはオーナーの手取りは25~30万円程度。日販70万程度のコンビニで

売上げもまずまず。25~30万という手取りはむしろ良い方かと思います。しかし独立開業とは言いながら

日々SVに指示されるオーナーの後ろ姿を見て私にはそのオーナーがサラリーマンと同じにしか見えません

でした。その店は近隣にコンビニが出来た事で売り上げが下がりついには撤退してしまいました。

コンビニというのは私達が気付かない所で多くの廃業店が出ています。中には首が回らなくなり自殺した

経営者もいたようです。それは稀なケースかと思いますがそれでもコンビニ経営がラクではない事は事実です。

近年ではスーパーやドラッグストアなど多様な展開をしておりそのスピードは増々速まっています。

またコンビニもイートイン店舗や他業種との提携・将来的には店舗無人化が叫ばれる等、転換期に

差し掛かっているとも言えます。コンビニ経営は長い契約期間と多額の加盟金を本部へ託す訳ですから

半端な気持ちでは取り組めません。開業を志すのであれば真剣に経験や研究を重ねた上で加盟を検討

するようにしたいですね。それでは今日はこの辺で。

スポンサーリンク