美容室・サロンの開業・独立・稼ぎ方

美容室・サロンの開業・独立・稼ぎ方

 

今回は美容室・サロンの独立・稼ぎ方について書いてみようと思います。

今や美容室は至る所にありますね。知名度の高い店舗から無名の店舗まで街を数分歩けば

どこかしらの美容室にぶつかると言っても過言ではありません。

今やその美容室の店舗は全国で20万店超え。コンビニの4倍もの店舗数を誇ります。

その中で開業して営業継続していくのは簡単でない事は容易に想像できそうです。

実際に美容室を開業して5年続く店舗は比較的少ないほうで早い店舗だと開業後1年以内に

閉店を余儀なくされるでしょう。

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美容室を開業するには

美容室を開くにはまず法令を順守し資格や各種届出も必要になります。

まずは美容師法第11条1項で定められた要件に従って開業を検討していく事になるでしょう。

美容室を開業するにはまずは保健所の許可を受けなければなりません。美容室の構造が基準を

満たしている必要があります。例えば美容室の面積ですが13㎡以上の面積が必要でそれに伴い

設置する椅子等の台数も決まってきます。また構造についても外部と完全に区分された独立した

施設である必要や昆虫などの侵入を防止できる構造・床についてもカーペットや畳の使用が禁止

されている等、幾つかの基準が設定されています。その他にも照明の明るさや換気基準・消毒器具の

設置・美容器具の設置など細かな基準があるので保健所とその都度相談をしながら話を進めていく

必要があるでしょう。中でも特に大きな許可基準になるのが作業面積と椅子の数です。店舗が決まれば

図面などを元にして保健所職員と逐一交渉をしていく事になります。他にも申請書類としては

開設届や施設の平面図や見取り図・従業者名簿・医師の診断書・美容室免許証などが挙げられるでしょう。

また作業者の人数によっては管理美容師の設置も必要になります。従業者が2人以上の場合には

管理美容師を設置しなければなりませんし管理美容師になるには講習を受けなければなりません。

開業作業がスムーズに進むよう、あらかじめ取得するようにしておきたい所です。

美容室に関わらず開業前には幾つか想定外のトラブルに見舞われるものです。過去に開業経験がある

人でさえ立地によって遭遇した事がない問題に迫られる事もあります。

土壇場で許可を受けられなければケースによっては保証金や手付・募集人件費や広告費など、開業に

むけた費用が無駄になる恐れもある為、入念な計画の元に交渉を進めていくようにしましょう。

美容室のテナント選定

美容室のテナントはコンセプトを念頭に置いて選定をしていく事が大切になってきます。

若者や多数の集客を見込むのであれば繁華街に店舗を構える事も考えられますし、ゆったりと

低賃料で広めのテナントを希望するのであれば郊外の店舗を検討する事も出来ます。またじっくりと

固定客との付き合いを重視するテナントであれば住宅街を希望する人もいるでしょう。開業する

美容室のコンセプトによって開業立地は様々でテナントによって利点もあればデメリットもある

のが普通です。例えば繁華街であれば集客は有利なのに対し賃料が高く付く・競合店が多い等の

難点がありますし郊外であれば人目に付きにくく高い広告料を支払う破目になる事も。住宅街で

あれば固定客が付きやすい反面、商圏が狭くまた一度その周囲で悪評が付くとリピートを付ける

事が難しい等のデメリットも考えられます。賃料に関しては通常の商売であれば売上げの10%

前後で設定する事が多いかと思いますが、美容室に関しては売上げはほぼ技術料が占める割合が多く

その分賃料に転嫁できる事を考えれば15%前後の賃料まで検討範囲に入るでしょう。また従業員を

雇う事なく夫婦や共同経営等であれば20%まで検討する事も出来ます。

店舗の広さも小規模な店舗であれば7~8坪程度から始める美容室も多いかと思います。

その美容室のコンセプトや従業員数・セット面やシャンプー台のレイアウト・動線によって広さを

決めていきます。特に最近の美容室は出来るだけ顧客へストレスフリーに案内できるように動線を

確保している店舗が多い為、テナントを検討する際にも店舗内のレイアウトを細かく想像し、

顧客とスタッフの導線がなるべく交わらないようにスムーズに案内できる設定を考える必要があります。

また配置する椅子等も店舗面積によって保健所により置ける台数が決められているのでどのくらいの

客数や売上げを想定しているかにより広さを十分に検討する必要があります。例えば美容室の場合は

13㎡以上の作業スペースが必要になり坪数にすると約4坪で椅子の台数も6台まで。それ以上椅子を

置く場合は3㎡以上面積を増やす必要があります。また最近では客待スペースをくつろげる空間に施し

たりキッズスペースを設ける美容室も多くなっている事から店舗によっては余分スペースも考える必要が

あるでしょう。

また小規模で商圏が狭い店舗ほど周囲の環境にも配慮しておきたい所。例えば今は近場に大型マンション

や商業施設があって集客が見込めるとしても将来的に大規模開発や施設の撤退がないとも限りません。

長期間にわたって集客が見込みやすい立地を選定する必要があります。また自分の店のコンセプトが

その立地の周囲の雰囲気と合致しているかどうかも大切です。自分が出店する店舗のイメージが街並みや

道を歩く人の雰囲気と合っているか・自分がその街を好きになれるかどうかも気に留めておく必要が

あるでしょう。店舗の候補を絞り込む前には通行している人の客層イメージや周囲の美容室の競合店の数・

周辺美容室のコンセプトが自店と被っていないか・駅からの利便性や通行量など様々な面から検討する

必要があります。

またロードサイドや郊外立地に関しては特に駐車場は必須になります。子供連れや中高年をターゲットに

入れている際には特に駐車場の有無や駐車台数にも気を配るようにしたい所です。

駐車スペースを確保できないのであれば近隣に大型スーパーや大型商業施設の無料駐車場があれば

代用できる事も考えられます。

また美容室のテナントで大きくネックになりやすいのがやはり水回りです。選ぶ店舗によっては

水圧が低かったりお湯がすぐに温かくならない等のトラブルが生じる可能性もあります。またテナント

ビルによっては水道検針方法が他テナントと一緒になっているケースもあり、美容室テナントは敬遠

されるケースもあります。水圧が低いのであれば工事で調整は可能か・マンション店舗等の場合はビル内に

給湯器が近室にあるか・ボイラーを付ける必要があるかどうか・ボイラーがコスト的に不可の場合は湯沸かし器

の設置の検討・水道検針方法などを考慮し、費用が別途必要になる場合にはその工事費も考慮しておく

必要があります。

また工事をするにしても水道工事費は坪単価に比例して高額になるというケースは少なく、広い店舗で

あっても狭い店舗であっても面積ほどは工事費は変わらない傾向があります。つまり面積の狭い店舗の方が

広い店舗と比較すれば割高になる事が多いという事です。また水道配管位置によってシャンプー台や

トイレの位置など制限がかかってくる場合もあります。水回り工事をする際には幾つかの業者に相見積もり

を取る事でコスパが良い業者を選定していくようにしましょう。

またコスト面で考えると最初から居抜き店舗を考える人もいるかと思います。居抜きの場合にはコスト

が抑えられたり水回り設備が整備されている・内装を引き継ぐ事ができる等のメリットがある反面、以前の

店舗のイメージを引きずりやすい・設備譲渡費用が高くつく場合がある等の難点もあります。また水道管の

不具合や電気容量不足など以前の店舗の不具合が解消されていないケースもあり、そうなれば工事費を

含めるとかえって居抜きの方が高く付くケースもあります。美容室の居抜き物件であってもインフラや

設備がしっかりとしているか・店舗内装が自分のイメージと合致しているか・造作譲渡金額等を細かく

調査した上で借りるようにしたい所です。

また居抜きと言っても美容室の居抜きだけが候補とは限りません。水道や電気の状態・内装がイメージと

合致していれば飲食店居抜きでも美容室として利用できる可能性もある訳です。美容室居抜き物件だけ

ではなく他業種の居抜きも視野に入れておくようにしましょう。

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開業時にはいくらかかるか

美容室の開業には他業種と比較しても費用がかかる事が多いかと思います。

内訳としては①内装工事費・②店舗保証金・③前払い賃料・④仲介手数料・⑤美容室機材・⑥材料費・

⑦オープン広告宣伝費・⑧他経費などが挙げられるでしょう。おおまかに言えば一般的には美容室開業時

には1000~1500万円程度かかる事が普通です。

まず①内装工事費についてですが美容室は内装にこだわる店舗が多いかと思います。平均すれば

坪40~50万程度かかると考えておいた方が良いでしょう。20坪の店舗であれば内装だけで

1000万です。デザイナー設計内装であれば他にもデザイン料がかかります。もちろん内装を自分で

施す人もいますし居抜き店舗を利用してコストを抑える人もいます。

内装費用を抑えるにはどこからどこまで自分で出来るのかの線引きを明確にしておく事が大切です。

基本的な内装は業者任せにするとしても自分で出来る所は自分でやった方が良いでしょう。店舗に

愛着も湧きますし必要な材料等はホームセンター等でいくらでも調達できます。また美容室など

特に意匠が重要になってくる業態の場合、内装業者に任せるとしてもデザインから施工まで一括して

任せられる業者とデザインと施工が分離している業者があります。コスト面を考えれば一体型の方が

安く済む傾向がありますしデザインと施工が分離していると工事過程でトラブルが生じる可能性が

あります。また水道工事など美容室ならではの特殊工事も含む事から過去に何店舗か美容室開業工事

を請け負った経験のある内装業者を選択する事も重要です。また内装は美容室開業時に特にお金がかかる

部分です。ですが例えば設備等に関しては購入してしまえば改良する事は出来ませんが、内装は後から

いじる事が出来ます。最初から理想通りの完璧な内装にしなくとも後から塗装を施したり備品を付けたし

たりして理想の室内に近づける事は出来ます。予算をギリギリまで削るよりはある程度余裕資金を確保

しておく事を念頭に入れて内装依頼をするようにしたい所です。

②店舗保証金については大抵の店舗は5~10か月分程度の保証金を提供しなければならない事が

多いかと思います。例えば賃料20万のテナントであれば100~200万前後の保証金を見積もっ

ておく必要があります。保証金は居住用賃貸で言えば敷金のようなものと考えても良いでしょう。

また保証金には「解約時30%償却」や「年3%償却」など償却率が定められている事も一般的です。

人気薄物件やシーズンから外れた物件は保証金を安くしているケースもありますがいずれにしても

賃料の数か月分の保証金は覚悟しておいた方が良いでしょう。

③前払い賃料については1~2か月分を前もって支払っておく事になります。賃料が20万円であれば

20~40万円の前払いが必要という事になります。

④仲介手数料については賃料の1か月分程度が相場です。業者の中には店舗物件であっても仲介手数料

半額~無料というケースもあるので幾つかの不動産業者をあたると手数料を削減できる場合があります。

しかし居住用と違い店舗物件の場合には不動産業者にもなおさら店舗物件取扱いの経験が要求されます。

普段居住用物件しか扱わない業者に店舗物件の仲介を依頼するとトラブルが生じる可能性もありますので

店舗仲介経験や出来れば美容室開業の仲介経験がある不動産業者に依頼すると良いでしょう。また内装

工事というものは素人には金額の相場が大変分かりにくいものです。また開業時は大金を動かすために

細かい少額の金銭感覚が鈍くなっている事も多くあります。内装業者によっては金額を相場より大幅に

引き上げて請求してくる悪質な業者もいます。必ず内装見積もりを取るようにし不明な点があれば

詳細を確認し、不安あれば時には建築士や専門家に間に入ってもらった方が結果的に割安に済む場合も

あります。また不動産業者から内装工事業者との繋がりを紹介してもらえるケースもありますので

コスパが見合うようであれば紹介された業者を利用するのも一案です。

⑤美容室の機材に関しては使用する道具や機材によって金額は様々です。特に金額がかかるものとしては

鏡台・椅子・シャンプー台が挙げられるかと思います。これらは全て新品で揃えれば200~400万円

かかりますが中古であれば100万円程度から揃える事も可能です。最初から新品を購入する必要は

個人的にはないかと思います。中古品や新古品でも十分利用できるものは沢山あります。また残念ながら

美容室は廃業する店舗が毎年のように多く出ています。その為廃業後の設備や備品・道具類などは

安く譲ってもらえるケースもあるでしょう。またこれだけネットが普及している現在ですからネット

オークションやSNSを通じて良質な中古品は多く揃います。中古品でも手をいれてあげれば新品同様に

光る機材もあるでしょう。居抜き物件等も同じような発想ですが特に美容室の開業時には水回りと空調・

照明等の修理コストが高くつく場合が多いものです。廃業後の店舗の設備や備品で使えるものは利用

しましょう。居抜きの場合、設備の譲渡費用がかかるケースもありますが時間が経ち入店者が決まら

なければ譲渡費用も徐々に下がってくる可能性があります。仲介手数料や賃料も同じですが譲渡費用に

ついても少しでも安価に収まるよう相談してみるのも良いかと思います。

また機材をリースで検討している人もいるでしょう。特に開業時は資金難に陥る事が多く美容機材は

高額な為、なおさらリースを利用したい人も多くいる筈です。また公庫や金融機関からの借入枠が

見込めない場合にもリースを活用する機会はあります。ただしリース手数料が意外に割高である事や

いつまでも機材が所有物とはならない事など幾つかの難点がある事から個人的にはリースはお勧めは

しません。美容室機材の場合、リースを利用すると5年契約60回払いが一般的です。月々3~4万円

のリース料を支払っていく事は簡単なようで毎月の帳簿を圧迫します。それであれば考え方によっては

クレジット等で中古や新古品を分割払いで購入した方が後々を考えても良いように思います。

⑥材料費(シャンプーやトリートメント・カラー液剤等)に関しては通常の美容室であれば売上げの

10~15%程度に収まっている事が多いかと思います。

開業時には2~3か月分程度の材料を揃えておいた方が無難でしょう。この材料分には施術利用分だけ

ではなく販売分も含みます。2月分とすると客数にもよりますが30~40万円程度の材料費をかける

必要があるかと思います。またシャンプーなど材料を揃えるとなると問屋を探す必要が出てきます。

以前に美容室に勤めていた人であればその店舗と同じ仕入先から紹介で仕入れる事が出来るケースも

ありますが新規開業時には商品を卸してくれない問屋も中にはあるでしょう。幾つかの問屋業者を

あたり取引してくれる業者を見つけ実績を積むうちに、次第に売掛やロット数にも応じてくれるかと

思います。また問屋やメーカーによって品揃えや仕入価格が異なったり得意とする分野が違う事も多い

ので時には仕入れによって業者を使い分ける事も必要です。

⑦広告費に関してはどの広告が良いという事はありません。正確には店舗によって効果が高い広告が

異なるケースが多いという事です。駅近路面店であれば駅前で美容師自身がビラ配りをした方が良い

という見方も出来ますし、狭い商圏がターゲットであれば近隣宅へのチラシのポスト投函が効果が上がる

場合もあるでしょう。近隣に流行っているお店があればそこにチラシを置いてもらうという方法もある

でしょうし、ターゲットが中高年の場合には新聞折り込みが功を奏したり若年層ターゲットの場合には

ネット広告が効果が高い場合もあります。いくら広告業者が閲覧数No1を掲げようとも店舗によって

どのくらいの効果が上がるかは広告を打ってみないと不透明な部分があり、他美容室店舗がA広告の効果

が高いといってB店でも効果が上がるとは限りません。何社か広告を試していく事で費用対効果の高い

広告がわかってくるので開業当初は初期投資としてある程度の広告費用を見込んでおく必要があります。

また内装等と同じく、広告を打つとしても一から全て印刷業者に任せると費用が多額になるケースも

あるので、例えばデザインだけは自分でやるかグラフィックに詳しい知人に頼む等、出来る所は自前で

揃えるようにしたい所です。金額に関して言えば例えば折り込みチラシやビラ・DMが1枚3円とすると

3万枚の発行で9万円。ネット広告としてリスティング広告などで15~20万使用すると開業時は

計30万程度は経費として見込んでおく必要があるでしょう。開業後はオープン時ほどの広告は必要は

ないにしてもやはり10~15万程度の広告費は考慮しておかなければなりません。

以上の事から開業時にかかる費用を考えてみますともちろん店舗によって金額は大幅に異なりますが

内装工事費600万円~1000万円程度+保証金200万円程度(賃料20万円程度の物件)・

前払い賃料40万円(賃料2か月分)・仲介手数料20万円(賃料1か月分)・美容室機材100万円

(中古機材使用)・材料費40万円(2か月分程度使用量)・広告費30万円・他経費80万円

=1110~1510万円と見込めます。

自己資金だけで開業できる人は少ないでしょうからケースによっては親族や公庫等からの融資を検討する

必要があります。

美容室の売上げ・利益

美容室の売上げ・利益について考えてみます。

まずここでは席数を5台(カット面)・シャンプー台3台と考えます。5席の椅子を置くには

13㎡(4坪程度)以上の店舗面積が必要です。またシャンプー台や待合室のスペースや動線も考慮

すると実際には狭いでしょう。ここでは良く見かける一般的な18坪程度の店舗で想定するとします。

坪1.5万円程度の店舗で賃料は27万円ほど。平均客単価はカットのみとカラー・パーマ等をトータルで

考えると6千円程度でしょうか。1人の施術時間を平均1時間30分とすると10時間営業の店舗の場合、

1カット面の最高カット数は1日7人程度で7回転。5面なので×5=35人。当然常に満席の店舗は

そうそう無く、空席や予約客・取次時間等を含め満席率は40%と設定すると1日の客数は

35人×40%=1日の客数が約14人となります。6000円(客単価)×14人=84000円を

1日の売上げとして見込む事が出来ます。

週1程度の休業で営業日数は25日とすると84000円×25日営業=210万円の月商となります。

加えて来店した顧客に勧めるシャンプーやトリートメントの店舗販売分の利益を考えると仕入れ金額は

およそ6~7掛である事から販売価格2000円の仕入れ金額は1200~1400円程度になっている

筈です。つまり1本あたり利益は600~800円程度。1日2本の商品が売れると月の利益は3~4万円

程度見込める事になり、結果として210万円+4万円=214万円の月商が見込めます。

次にコストを考えると賃料が27万円。人件費については自分の他にスタイリスト2名とアシスタント1名

で計算。スタイリストの給与が23万・アシスタントが16万円・保険事業主負担が5万程度と仮定すると

人件費は月67万円程度。シャンプーやカラー・パーマ液等の材料費については13%と仮定すると

27万円程度。水道光熱費は5%とすると約10万円。広告費は月15万円と仮定。その他雑費は5%

として10万円程度・償却が10年で10%と仮定すると

214万円(売上げ)ー27万円(賃料)ー67万円(人件費+保険)ー27万円(材料費)ー10万円(水道

光熱費)ー15万円(広告費)ー10万円(雑費)ー10万円(償却)=48万円の営業利益が見込める事に

なります。

当然ですが人件費率が大きく利幅を影響する事になりスタイリスト仲間や夫婦経営など人件費を

コントロールする事で美容室の収支は大きく変わってきます。

また美容室の人件費は歩合制を敷いている店舗が多いかと思います。施術はもとより接客中の顧客との

コミュニケーションにまで従業員のモチベーションを求めるとすればやはり歩合制を前向きに検討する

必要があるでしょう。仮に50万円以上の売上げ部分に対し30%の歩合を付ける店舗であれば

70万円の売上げのスタイリストに6万円の歩合を付ける事になります。(70-50×30%=6万)

美容室の人件費率は保険負担分を含め35~40%程度とすればスタッフ計3名で200万円程度の売上げ

の店舗であれば開業当初のスタイリスト1人あたりの給与は17万(固定給)+6万(歩合)=やはり23

万円位の設定といった所でしょうか。(開業者他にスタイリスト2人+アシ1人の場合)

またテナント賃料についても一等地でなく二等・三等立地を上手く活用する事で集客も十分可能ですし

出張型であれば賃料も水道光熱費もかかりません。特に名が売れたスタイリストであれば出張型は1日の

対応人数に限界はあるものの、店舗を構える必要もなく店舗ではなく自分が看板として利益を押し上げる

事も出来るかと思います。また現在ではネットやSNSを始め無料媒体も多く流通していますのでやり方に

よって広告費削減も検討できるでしょう。従業員募集に関してもハローワークなど公的機関の募集枠を利用

している美容室を多く見かけます。営業形態によって売上げを伸ばす方法は幾つかあると思いますので

自分のコンセプトやビジネスモデルに沿った営業方法を検討する必要があります。

美容室というのは利益構造だけ見ると確かに人件費や賃料が高く付きやすいものの、利益率自体は悪い

ほうではありません。しかし実際には多くの美容室が閉店しています。それは前述しましたが競合店が

多すぎるからです。実に駅から100~200m県内に数十店舗の美容室が乱立している事も珍しく

ありません。これだけ多くの美容室がお店を出していては固定客を付けるのもラクではありません。

月並みにはなりますが成功には他店とのコンセプトや差別化が明確になっている事・1回1回の施術に

顧客に満足してもらうという事に尽きるでしょう。私の家の近所にも美容室がありそのお店は1人で

女性が運営しています。7坪ほどの店舗ですが特に人通りの多い訳でもない道路に面しています。

店舗家賃は相場からすれば7~8万円程度。また外から見ると二階には生活感を感じるので恐らく

住居兼店舗としているのでしょう。この店舗は予約が1か月待ちだそうで施術の上手さがかなり評判が

良いようです。もちろん口コミだけで成立する訳ではありませんが美容業は評判が評判を呼ぶ業態です。

人の美意識というものはシビアなもので特に女性はその傾向が顕著かと思います。

美容室を開業するとなるとこれからは美容室の腕だけではなく経営者としての手腕が求められます。

売上げ増の為の施策や経営方針・コスト管理など様々な面で経営者としての腕が試される事になる

でしょう。厳しい美容師業界ではありますが今後も個性的な美容室が街中に出てくるのが楽しみですね。

それでは今日はこの辺で。

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