インテリアコーディネーターの独立・開業・稼ぎ方
「インテリアコーディネーター」の独立・開業・稼ぎ方
今回はインテリアコーディネーターの独立・稼ぎ方について書いてみようと
思います。インテリアコーディネーターは文字通りインテリアのコーディネートを
業とする事を目指す資格です。インテリアコーディネーターの受験は1次試験と
2次試験があり毎年10月頃から1次試験が始まります。2次試験は1次試験
を通過した者が受験する事ができます。1次試験の合格率は30%前後・2次
試験の合格率は60%超えと1次試験を通過すれば半分以上の受験者が取得できる
資格になっています。
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インテリアコーディネータの資格取得者は施行や建築関連の仕事に従事していたりデザイン設計事務所に
勤めている人が多かったりとやはりその仕事に活かすという目的で取得する人が多いように思います。
とはいえ例えばインテリアコーディネーターの資格がなかったとしても顧客にインテリアデザインの提案
が出来ない訳ではもちろんありません。資格がなくても顧客がいれば自分のセンスと営業力で商売を成り
立たせる事は可能な訳で、実際にそのような人は多くいます。それでも資格取得を目指す目的というのは
基本的な知識の習得や信頼面・名刺に名称を入れる事が出来る等の利点に留まり、資格取得者だから稼げる
という事はもちろんありません。
独立開業を志すのであればインテリアに関しての知識やセンスを常に磨いておく事が必要になります。
コーディネーターとして知識やセンスを養うには建築技術をふんだんに盗む姿勢や海外の家具・照明なども
把握しており色の配色等も勉強しておかなければなりません。他にもカタログを読み込む・他のコーディネー
ターがデザインした空間を研究する・モデルハウスを参考にする・協会のコンテスト受賞作品などの参考・
海外のインテリアデザインを参考にする等、方法は様々です。特に現在では世界のインテリアをネットを
通じて瞬時に見る事ができますので勉強材料は豊富にあります。
またその知識を取引先や顧客の前で実際に説き伏せるくらいの説得力がなければ、提案に付加価値を与える
必要があるインテリアコーディネーターとしての仕事は成り立ちません。例えば現在では家具の安売り店や
モデルルーム・ネット媒体やショールームのパンフレットが沢山ある訳ですから、顧客はわざわざインテリア
コーディネーターに依頼しなくても自分好みのインテリアを設置する事ができる訳です。
わざわざコーディネーターに依頼する訳ですから顧客が全く想像もしない配色や驚くようなインテリアの
コーディネート・なぜそのインテリアを設置しなければいけないのか説得できる知識と説得力・プレゼン力
が無ければ商売に繋がりにくいものです。また勘違いしがちなのはパースやプレゼンボードを綺麗に作れる事
が受注に繋がると考えるコーディネーターも多いものですが、それはツールの1つに過ぎず、大切なのは
顧客の要望を的確に捉えてすぐにそれを形にでき、顧客の心を打つプレゼンであり、それは同じく今までの
知識や経験から形成されていくものです。例えば顧客からの要望があっても知識がなければアイデアを提案する
事も出来ませんし、コーディネートの経験がなければそれを現実的に具体化する事も出来ません。
そのデザインに顧客が惚れ込んで初めて受注になり、経験と受注数に比例して一般住宅のコーディネート業から
やがては商業施設やホテル等の大きな仕事を少しずつ任せられるようになります。
経験という意味では照明メーカー・建材メーカー・住宅メーカー・カーテン・家具メーカー・デザイン
会社など3~5年ほどかけてでも出来るだけ多くの職種を経験するべきです。また経験が必要な理由としては
例えば住宅メーカーに外部委託という形で仕事を頂いたとしても住宅メーカーの仕事の流れをある程度把握
しておかないと相手先との工事の進捗等もあり交渉もスムーズに進みません。特に他から仕事を頂くという
形が多いこの職は、自分の仕事の進捗だけではなく関係者との進捗バランスを見ながら仕事を進めていく必要が
あります。関連企業で経験を積むという事は職人や建築士・設計士等の仕事に拘りを持つ職種の人たちと円滑に
仕事を進める為にも必要な事です。
またインテリアコーディネーターと建築士との関わりは避けられない所ですが、以前は建築士から見ると
インテリアコーディネーターの存在というのは敵対視される事も多かったものです。インテリアプランも昔は
建築士の仕事の範疇であった為、建築士からすればインテリアコーディネーターというのは自分の仕事を侵食
するようなイメージも一部ではありました。しかし建築士の仕事は主に設計であり、住宅環境の変化やインテ
リアを中心とした住空間に個性を求める人たちが多くなってきた事もあり、設計以外の細かな設備やインテリア
デザイン等の業務はインテリアコーディネーター等に仕事を割り振るというスタンスも徐々に多くなってきた
ように思います。
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またこの仕事は自分で仕事を取ってくるというよりは、他人の伝手で仕事をもらうケースも多いので他業界との
人間とも繋がりを保っておく事が受注のコツの1つになります。デザインセンスがあるインテリアコーディネ
ーターは沢山いますが、センスが中程度のコーディネーターがセンスのある人よりも稼げる場合があるのは、
やはりその人が周囲の顧客や取引関係者との関係構築に力を入れている事に他なりません。
またインテリアコーディネーターの独立が難しいのはやはりこの業界で報酬相場が確立していない
という点が挙げられます。例えば建築士であれば設計料が総工費の何%と決まっている事が多いものですが、
コーディネーターのコーディネート料というのは相場が分かりずらいものです。この点はこの資格がまだ
若い事もあり今後少しずつ確立していくようにも思いますが、一般顧客からしてみればまだまだコーディネ
ート料は建物施工のサービスの一部として捉われる事もあり、コーディネーターへの依頼価値を見出していく
事もこれからのインテリアコーディネーターの役割の1つと言えます。
インテリアコーディネーターの収益はコーディネート手数料と販売手数料(家具やインテリア等の販売手数料)
が収益の柱になっています。一般的なコーディネーターはコーディネート手数料:販売手数料の割合は
6:4~7:3の割合の人が多いように思います。家具等の販売手数料は単価によってブレがある為、
当然コーディネートの手数料割合を高くしていきたいのは多くのコーディネーターが考える事かと思いますが、
それだけでは生計が立たない事も多くやはり販売手数料とのトータルで仕事を成立させる形が主流でしょう。
またコーディネート料のみを単独で請求しても顧客には中々理解が得られない事も多いものです。
この点でもやはり周囲の関係者との繋がりが大切になってくるケースが多く、例えば建築士の設計料に
コーディネート料を込みで請求をしてもらうとか住宅メーカーとの交渉段階でコーディネートの組み入れを
提案してもらう等、いかにコーディネートの料金単価を顧客に自然に理解してもらえるかも工夫が必要に
なってきます。
また周囲関係者との繋がりが大切なのはターゲットにする顧客層にも関係しています。インテリアコーディ
ネーターの取引客は富裕層が中心になります。サラリーマン程度の年収の顧客がインテリアデザインを他人に
依頼する事は少ないものです。ですからコーディネーターとしての仕事をもらってくるには工務店や設計事務所・
デザイン会社や不動産屋など横の繋がりが欠かせません。またその会社の責任者格の人と常にパイプを繋いで
おき、いつでも仕事を振ってもらえるような普段からの関係作りが受注に結び付きやすくします。
また受注単価が高くなるケースが多い事から視野に入れておきたいのは法人化するという事です。
インテリアコーディネーターとして独立する人というのは最初は個人事業主から独立する人が多いのですが
出来れば法人化してしまった方が良いかと思います。やはり個人のコーディネーターが相手だと数百万の
取引に不安を感じる顧客も多いものです。また周囲の建築会社やデザイン会社からしてもやはり法人組織の
方が業務を委託しやすいという事も言えるでしょう。
またインテリアコーディネーターの資格取得者が年々増えるにつれ、将来的に独立を考える人も多く
なってきたように思います。差別化と言ってしまえば簡単ですが、やはりこれだけのコーディネーターが
いるからには自分なりのカラーをある程度持っておく事は大切です。例えば住宅の中を覗いてみても
照明やキッチン・家具・収納・壁・設備・絵画・小物など自分が得意分野とするターゲットは豊富にあります。
この分野では負けないというものを持っておく事で他コーディネーターと比較しても強みになります。
また集客にしても今までと同様に取引関係者から仕事を振ってもらう事と同時に、インスタやSNS・ブログ
など自分のコーディネート事例を周囲に知ってもらう媒体も昔より格段に増えてきました。少し定義が
曖昧だったインテリアコーディネーターという職種を周囲にPRする為の土台は現在ではいくらでもあります。
インテリアコーディネータとして資格を取得し独立をして生計を立てる事は実際にはかなり困難なのが
現状です。またいくらコーディネーターとは言っても優先されるのは顧客の要望や企業の利益である事が
多く、全てがコーディネーターのセンスだけで仕事が出来るとは限りません。しかしその顧客の要望に
コーディネーターなりのエッセンスを加える事で、顧客が想像していた以上の感動を味わってもらえる
事がインテリアコーディネーターとしての喜びであり、この仕事の醍醐味かと思います。
自分のセンスを通じて数多くの顧客と繋がれる数少ない魅力的な職種という事は言えると思いますが
いかがでしょうか。それでは今日はこの辺で。
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