たい焼き屋で独立・開業するには?売上や原価・開業資金も解説
今回はたい焼き屋の独立・稼ぎ方について書いてみようと思います。
歴史があり小腹が空いた時などつい食べたくなるたい焼き。
100円程度から購入できるため、昔から子どもから大人まで親しまれています。
昔からメジャーなお菓子でもあり低資本で独立可能な事から、たい焼き屋の開業を検討している方も多いと思います。
今回はそんなたい焼き屋の独立・開業について挙げてみたいと思います。
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目次
たい焼き屋を開業するには
たい焼き屋を開業するにはどのような届け出・手続きが必要になるのでしょうか。
独立開業に必要な手続きを挙げてみます。
たい焼き屋を開業する場合には保健所の営業許可を受ける必要があります。
保健所の求める施設基準を満たし、営業許可証を交付されなければ営業を開始することはできません。
保健所に事前に相談し、時間的な余裕を持って申請をするようにしましょう。
たい焼き屋のように食品を扱う場合、食品の衛生上の管理運営を行うため食品衛生責任者を置かなければなりません。
通常であれば講習1日程度で取得する事ができます。
なお、栄養士や調理師の資格を持つ方は食品衛生責任者の資格は不要です。
飲食店の営業を開始する場合には、開業届も提出します。
税務署への開業届を提出することにより、青色申告ができたり屋号の口座を作れるといった利点もあります。
開業届を提出する場合には、開業後一か月以内に提出をします。
たい焼き屋の開業資金は?
たい焼き屋として独立・開業をする場合、その開業資金はどれくらい必要になるでしょうか。
開業資金の目安として考えてみます。
たい焼き屋の場合、広いスペースは必要ありません。
店舗によっては5坪~から開業を検討できます。
ですが人通りの多さが必要となるため視認性の高い集客が見込めるテナントを選びます。
物件取得費として、保証金や前家賃等を含めここでは150万円を計上します。
居抜きかスケルトンかによっても異なりますが、通常の飲食店であれば坪40~60万円の内装工事費がかかる事も普通です。
ですがたい焼き屋の場合、シンプルな内装であればそれほど内装費もかかりません。
ここでは例として200万円を計上します。
電気かガスか・一丁焼きか連ちゃんか等の違いはありますが、中古機器であれば30~50万円程度からたい焼き機を購入する事ができます。
ここではたい焼き機購入費として50万円を計上します。
たい焼きを焼くには当然に材料が必要です。
ミックス粉や餡・水・卵やはちみつ等、必要な材料を揃えます。
もちろん餡子だけでなく、カスタードや白あん・抹茶やチョコレート等、自店のバリュエーションに合わせて材料を仕入れます。
ここでは材料費として20万円を計上します。
たい焼き屋を開業する際にはたい焼き機だけでなく、その他の備品なども揃える必要があります。
レジを始め、チャッキリ・油引き・あんさし・あんべら・ケースや紙袋など、細かな小道具が必要です。
中古品等を上手に利用して安価で良質なものを購入しましょう。
ここでは例として10万円を計上します。
立地によっては開業当初は広告を撒かなくても集客が見込める事もありますが、開業時に集客でつまづくとその後の運営に影響が出る可能性もあります。
事前にポスティングをしたり店頭でビラ配りをする等の広告を検討します。
ここでは10万円を計上します。
資金項目 | 金額 |
物件取得費 | 1500000円 |
内装工事費 | 2000000円 |
設備(鉄板等) | 500000円 |
材料 | 200000円 |
雑費 | 100000円 |
広告費 | 100000円 |
合計 | 4400000円 |
シュミレーション上では、440万円の開業資金が必要という計算になりました。
ですが上記には人件費や当面の運転資金等が含まれていません。
また物件に居抜きを選んだり、設備も中古を選ぶ等してコストを抑えることもできます。
たい焼き屋の開業資金は物件や機器の購入費用・内装費によっても大きく変動しますので、無理のない開業計画を立てるようにしましょう。
たい焼きの原価はいくら?
たい焼きの原価はいくらくらいになるのでしょうか。
ここでは1個あたりの目安となる原価をざっくりと計算してみたいと思います。
餡子
たい焼きに使われるものでは北海道産小豆等が有名ですが、餡子にも様々な種類があります。
ここでは10kgを5000円程度で考えます。
1つのたい焼きに使われる餡子は50g程度なので、10kgであれば200個程度のたい焼きが作れる事になります。
5000円÷200=1個あたりのたい焼きの餡子は25円程度と考えられます。
ミックス粉
ミックス粉にも様々な種類があり、選ぶ粉によって固さや焼き色が変わってきます。
ここではミックス粉20kgを8000円程度で考えます。
ミックス粉にもよりますが20kgであれば500~600個のたい焼きが作れるでしょう。
この他にも卵や他の材料を使用するケースもあるかと思いますが、ここでは考慮しません。
8000÷600=1個あたりのたい焼きに使われるミックス粉は13円程度と考えられます。
25+13=たい焼き1個あたりの原価は38円程度の計算になると思われます。
仮にたい焼き1個の価格が120円とすると、その原価率は約31%程度となります。
あくまで上記はざっくりとした目安ですが、たい焼き1個あたりの原価率は概ね30%前後の原価率で製造されているように思います。
餡子や小麦・卵などは値上がりする可能性もある事から、今後原価がどのように変化していくのかは不透明な部分もありますが、他コストとの兼ね合いも考えて適性な原価を考えていきましょう。
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たい焼き屋の開業は儲かる?売上は?
たい焼き屋を開業した場合、どれくらいの売上が見込めるのでしょうか。
ここではシュミレーションとして考えてみます。
- 1個:120円
- 客数:80人
- 客単価:360円
- 25日営業
- たい焼き売上:80人×360円×25日=720000円
- 他メニュー(ドリンク等) 売上:50000円
- 月商:720000+50000円=770000円
- ※家族営業とする
- 賃料:12.5万円(面積5坪:坪2.5万)
- 材料原価:231000円(原価率30%)
- 人件費:0円
- 水道光熱費:53900円(売上の7%)
- 包材・消耗品等:23100円(売上の3%)
売上項目 | 売上額 |
たい焼き売上 | 720000円 |
他メニュー売上 | 50000円 |
売上合計 | 770000円 |
経費項目 | 経費額 |
賃料 | 125000円 |
材料費 | 231000円 |
人件費 | 0円 |
水道光熱費 | 53900円 |
包材・消耗品費 | 23100円 |
経費合計 | 433000円 |
【売上合計】770000円-【経費合計】433000円=337000円
シュミレーションでは337000円の営業利益が見込める可能性があります。
ただし上記には人件費・広告費等が含まれていません。
もしアルバイト等を雇用するとなると当然に利益はかなり押し下がりますし、物件の取得費や工事費などで当初借入がある場合は更に利益は減ります。
上記はあくまでシュミレーションですが、たい焼き店開業では特に人件費がネックと考えられ、人件費を計上すると立地によっては厳しい経営状況も予想されます。
どちらかと言えば一人経営や夫婦・友人知人での経営が向いているような気がしますし、長期的に構えてじっくりと取り組める人向けのビジネスのように思います。
たい焼き屋の開業時のテナントは?
たい焼き屋は立地が重要です。
立地と言っても路面店やテナント・屋台等がありますが、どの形態にしても人通りが多く集客が見込みやすい立地が必須と言えます。
悪く言えば、無難に平均的な味のたい焼きでさえ立地が良ければ売れてしまう事もあります。
特にたい焼きは味やメニュー・価格で他店との差がつきにくく、衝動的に食べたくなるお菓子である事から尚更立地が重要です。
またたい焼きは100円前後から購入でき、大人~子供まで気軽に購入できる事も利点のため、ターゲットに合わせた立地選定が必要になります。
主な場所としては例えば商店街・ショッピングモール・通学路・スーパー等が考えられます。
また人通りの多さだけでなく、細かく言えば通行人が足を止めれるくらいの歩行スピードである立地を選ぶことも大切です。
どんなに人通りが多くても、急ぐ人が多い通りでは中々たい焼きも売れません。
客単価は300~350円程度とまずまずな所。
たい焼き以外のサイドメニューで単価を上げるにも限界があり、やはり立地によってどれだけの客数が稼げるのかが、たい焼き屋開業の生命線です。
他コストとの兼ね合いも考え、まずは好立地を確保する事を優先的に検討するようにしたい所です。
たい焼き屋の餡子
たい焼き屋のメニューの数としては種類豊富に取り扱っている店舗もあれば、餡子1本で集客している店舗もあります。
同じたい焼き屋でも売りが何なのかを明確にする必要があります。
例えば餡子1本であればどんな小豆を使用しているのか・どんな原材料から皮を作っているのかお客さんにPRを強く打ち出す必要があります。
餡子の量も試食を繰り返し皮とのバランス・甘み・くどくならないか・重くないか等徹底的に研究する必要があります。
お店によってたい焼きはあずきだけではなく、ご存知の方も多い通りカスタードや白あん・チョコレート・抹茶など様々な味やメニューがあります。
たい焼き屋によっては新しいメニューを開発したり変わりダネを取り入れる店舗もありますが、最初の頃は物珍しさで売れたとしても、結局は人気は餡子に落ち着きます。
たい焼き屋を開業するからには、やはり餡子を柱にしてメニューを組み立てていく必要があります。
たい焼きの袋の入れ方は、頭から食べる人が多い事から食べやすいように頭を上にして袋に入れてあげるようにします。
頭のほうが餡子が多いのはそのためで尾っぽの部分は手で持つ部分という認識が多く、餡子は全く入れない店も多かったのですが、最近では餡子たっぷりが主流なので尾っぽの部分にも餡子を入れるお店が多くなっています。
不況の時はボリュームたっぷりが好まれるという傾向はたい焼き餡子にも言える事です。
またたい焼きにとって意外に天敵となるのが湿気や水滴。
焼き上がりのたい焼きを密閉パックに入れたりすると持ち帰った頃にはパリパリの皮がベチャっとしちゃうのでパッケージにも注意が必要です。
また逆に焼いてから60分以上経過したたい焼きは廃棄処分している店舗も多いでしょう。
特に皮の食感が損なわれたたい焼きは厳しく言えば売り物になりません。
また皮の厚さについて言えばやはり今は薄皮が主流。
厚皮たい焼きにするのであればパリパリ皮ではなくふわふわ感の皮が合うように思いますし、中身によって生地のバランスを考える事も大切です。
中でもカリッとした薄い生地に、自家製あんこたっぷりといった定番のたい焼きが好きな方は多いのではないでしょうか。
たい焼き屋を開業する際にはどのような材料を使用するか・生地と具材のバランス等も徹底的にこだわりたい所です。
たい焼き屋の夏場はどうしのぐ?
たい焼きは夏に売り上げが減少します。
商業施設内など空調が効いた店舗では売上減は限定的なものの、路面店などは気温の影響はかなり大きいと言えます。
店舗によっては焼いてから中身を詰める冷やしたい焼き等を販売して夏場をしのいでいるようです。
もちろん他にもアイスクリームやかき氷・ジュース等のメニューを充実させる店舗も多いでしょう。
ソフトドリンクなどは特に原価率が低く、お子様が好むドリンクメニューを揃える事で売上げの底上げを図ります。
これらは清掃やオペレーションに多少の手間がかかるものの、夏場のたい焼きの売上減を抑えるためには必要な工夫と言えるでしょう。
また開業時のテナントは、これらのマシン等を置くことを想定し専有面積を考えて物件選びをするようにしたい所です。
たい焼き屋の独立・開業まとめ
たい焼き屋の独立・開業について挙げてみました。
たい焼き屋は薄利多売の商売ではありますが、やり方によっては長い息で商売を続けられる可能性が高いビジネスでもあります。
特に一人経営や家族経営等を考えている方にも、たい焼きや大判焼き屋の開業を検討している方は多いでしょう。
たい焼きはシンプルなお菓子だけに、各店舗ではその作り方や材料に強いこだわりが見られます。
たい焼き屋を開業する際には、しっかりと事業計画を立てて無理のない運営を検討したいですね。
それでは今日はこの辺で。
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