クレープ屋の開業は儲かる?売上から材料費まで成功のポイントを解説

今回はクレープ屋の独立・開業について書いてみようと思います。

子どもから大人まで愛されているクレープ。

特に女性を中心にクレープを好きな人は多いですね。

特に商業施設やショッピングモールなど女性客や家族連れが多い場所にはクレープ屋が多く開業されています。

将来的にクレープ屋を始めてみたいと考えている人も多いのではないでしょうか。

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クレープ屋の開業資金は?

クレープ屋さんの開業資金はどれくらいかかるものでしょうか。

ここでは開業資金の目安として以下に挙げてみます。

 

資金項目 備考
物件取得費:150万円 (6坪:賃料15万) 賃料×10か月で計算。
内装費:240万円 坪40万円とし40万×6坪=240万円。
厨房機器類:150万円
  • クレープ焼き機×2台
  • 厨房機器:冷蔵庫・作業台・製氷機・ショーケース等(中古で調達)
  • トンボやレードル等の小道具
  • 販促用品(のぼり等)
  • 食器・レジ等
材料費:30万円 ミックス粉・ホイップクリーム・具材等
運転資金:150万円 当面の運転資金として150万円計上。
合計:720万円

 

①150+②240+③150+④30+⑤150=720

上記では720万円程度の開業資金が必要という計算になります。

 

もちろん居抜き等を利用すれば開業資金は抑える事もできますし、逆にFC加盟を考えるのであれば開業資金は更に高額になる事も考えられます。

また開業後の人件費等も加えると、余裕を持った開業資金を用意しておく必要があります。

 

クレープ屋開業のメリット

多くの飲食店がある中、クレープ屋の開業を検討する方は多いです。

クレープ屋の開業者が多いのにはその参入のしやすさの他にも、様々なメリットがあります。

  • デザート・スイーツとして長く愛されている
  • 原価率が低い
  • 調理が容易(アルバイト等でも可)
  • 低資本で開業が可能
  • 小スペースでも開業できる
  • イートインスペースが不要
  • 女性が活躍しやすい
  • イメージ的にも可愛い
  • 人気が安定している(将来性)
  • 移動販売も可能
  • 季節的な影響を受けにくい
  • テイクアウトに対応できる
  • 宅配(uber eatsなど)に対応できる
  • メニューを創意工夫しやすい
  • イベント時の出店も可能
  • instagramなどSNSとの相性が良い
  • カフェメニューとの相性も良い
  • 人件費の低さ(一人開業も可能)
  • 本業だけでなく副業にも〇
  • 他菓子と比べて設備投資額が低い

 

上記は一部ですが、クレープ屋開業の人気には様々な理由が存在します。

クレープ屋は比較的開業し易い業種と言われています。

まずはその初期費用の低さ。

冷蔵庫や鉄板・作業台・材料など基本的なものがあれば開業は可能です。

保健所の許可や食品衛生責任者資格等があれば、特別な資格なども必要ありません。

テナントとしても3~5坪程度から開業を検討できるので、小スペースでの開業も検討でき出店費用もかかりにくいとされています。

 

またクレープはテイクアウトにも向いています。

たい焼きやたこ焼きなどは10~15分焼き時間がかかりますが、クレープ生地の焼き時間は数十秒~1分程度。

大量に調理するには時間がかかりますが、テイクアウトや宅配にも対応できます。

生地の作り置きはあまりお勧めできませんが、中にはオペレーション上の都合である程度まとめて生地を焼いておく店舗もあり、廃棄率自体も低めかと思います。

 

またクレープは春夏秋冬季節の影響を受けにくい部分にもあります。

通常であれば焼き物は夏に売り上げが下がりますが、他の業態ほどクレープは影響を受けません。

特に春先はクレープの売り上げが上がり、旬の6月が終わるとクレープの売り上げは一時落ちます。

夏場は売上が下がりますが、アイスクレープ等を取り入れればある程度はカバーできますし、原価の低いソフトドリンクやフローズン等を取り入れても良いでしょう。

 

逆にデメリットとしては、以下のような点が挙げられます。

  • 調理にやや時間がかかる(回転率が悪い)
  • 単価が低め(薄利多売)
  • 午前中・ランチタイムに弱い
  • 立地に左右されやすい(駅前・繁華街など)
  • 男性層・高齢者をターゲットにしにくい
  • 他店と似た味になりやすい
  • 衛生管理が難しい(フルーツ・カスタード・クリーム等)
  • 市場規模が小さい(300億円程度)
  • 人口減少(10代~など若年層の減少)

クレープにも幾つかのデメリットがあり、まずはその回転率の悪さが挙げられます。

1枚ずつ焼くため時間がかかり、一度に大量に提供することができません。

また時間帯や年齢層が限定されやすい事もクレープ屋の難点と言えるでしょう。

それぞれにデメリットがありますので、それらをカバーする工夫が必要です。

 

クレープ屋の材料費・原価はどれくらい?

粉もの全般に言える事ですがクレープは原価率の低さも人気の1つです。

クレープの原価はどれくらいなのでしょうか。

かなりざっくりですが、材料費から簡単に計算をしてみます。

 

※チョコバナナクレープ30枚分で仮定

  • 小麦粉(薄力粉):120円程度(小麦粉1キロ:200円程度。今回は小麦粉200gで生地10枚分とする。30枚分で小麦粉600g=約120円くらい)
  • ホイップクリーム:300~400円程度(1000mlの冷凍ホイップ使用。クレープ20~30枚に使用可能)
  • チョコレートシロップ:300円程度(600円ボトルで60枚程度に使用可能。30枚分なので600×0.5=300)
  • バナナ:600円程度(バナナ5本=100円程度。今回は多めに1つのクレープにバナナ1本使用とする。バナナ30本なので=100円×6=600円)
  • 卵:200円程度。(卵10個入りパックで200円程度。今回は生地30枚で卵10個全て使用とする)
  • 牛乳1ℓ:180円程度(今回は1ℓ全て使用)
  • バター:100円程度(バター200gで400円程度。今回は生地30枚分でバター50g使用とするので100円くらい)
  • 砂糖:30円程度(砂糖1kgで200円程度。今回は生地10枚で砂糖50g使用とする。生地30枚=砂糖150gで30円くらい)
  • ラッピング包装紙:5円程度(100枚で500円とするので、一枚=5円)

 

上記で約30個のクレープを作るとします。

120+400+300+600+200+180+100+30+5=1935

1935÷30枚=約64円(クレープ一枚あたりの原価)

クレープ一個が300円とすると、その原価率は約21%程度になります。

 

もちろん原価は具材によっても異なりますし、特に大手店などは大量一括購入をしているので上記の計算は正確な比較にはなりません。

今回は価格300円としましたがチョコバナナは一般的には350~450円といったお店が多いので、その場合には原価率は更に下がります。

クレープ店によってはフルーツやトッピングを充実させている店舗も多くありますので、その場合にはかなり原価がかかっているクレープもある事でしょう。

冷凍ホイップを使う店が多い中でも生クリームを使うクレープ店もありますし、カスタードやチョコが自家製であったり国産小麦を使用するなど、店舗によって材料への拘りは様々です。

逆に200~300円の価格帯の激安クレープ店では原価をグッと抑えている筈です。

ただしあまりにも原価率だけに拘ってしまうと見栄えの悪いクレープが出来上がってしまう事になり、それは顧客の失望感につながります。

特にクレープはトッピングなど”見た目”の部分を減らしてしまうと顧客の期待感を損ねてしまいますので、原価を抑える部分と見せる部分のバランスが大切です。

また材料原価だけでなく、店舗・人件費・光熱費など、その他コストも考慮してトータルで判断するようにしたいですね。

 

クレープ店の開業後の売上は?

クレープ店の売上はどれくらいを見込めるのでしょうか。

簡単にシュミレーションとして考えてみます。

 

 1か月の売上想定

  • クレープ1個:350円
  • ※月26日営業(平日18日・土日8日)
  • 平日客数:80人(販売数110)
  • 土日客数:平日×1.8
  • 平日売上:350×110個=38500円
  • 土日売上:38500×1.8=69300円
  • (38500×18日)+(69300×8日)=1247400円(月商)

 

 1か月の経費想定

  • 店舗賃料:15万(6坪・坪2.5万)
  • 材料費:224532円(原価率:18%)
  • 人件費:311850円(売上の25%)
  • 水道光熱費:62370円(売上の5%)
  • 雑費:消耗品:24948円(売上の2%)
  • 宣伝広告費:49896円(売上の4%)

 

売上項目 売上額
平日売上 693000円
土日売上 554400円
売上合計 1247400円

 

経費項目 経費額
賃料 150000円
材料費 224532円
人件費 311850円
水道光熱費 62370円
雑費・消耗品費 24948円
宣伝広告費 49896円
経費合計 823596円

 

【売上合計】1247400円-【経費合計】823596円=423804円

423804円の営業利益が見込める可能性があります。(※シュミレーションであり実際の利益とは異なります)

 

内装や設備は小規模店舗で4~5年回収で月3万の償却として考えても40万円前後の月の利益。

しかし自己資金のみで開業できる人は少ないでしょうから、物件の取得費や工事費などで当初借入がある場合は更に利益は減ります。

また実際にはクレープ屋も10~11時間ほど営業している所が多いので、売上げや人件費も増減するでしょう。

立地によっても客数は大幅に異なり、例えば原宿竹下通りなどのクレープ一等地であれば客数が1日500人を超える人気店もあります。

 

また見ての通り飲食では人件費が利益を圧迫し、特にクレープのように低単価の商売では人件費は慎重に考えなければなりません。

上記では単純に25%で考えていますが、それ以上にかかる事も多いかと思います。

クレープ店はコンビニや牛丼チェーンと比較すればそのイメージから比較的雇用は取り易い業態とは言えるものの、開業当初は出来れば家族や友人・知人等の協力関係を築いて賃金を抑える工夫も必要になります。

 

その他にももちろん日々の廃棄金額も考慮しなければなりませんし、フルーツ系や食事系クレープなど種類によっても原価率は異なります。

またイベント会場等のクレープ店では集客数や平日と土日の差は更に開く事もあるので計算は参考にはなりません。

 

開業当初は出来ればキャンペーンを貼る事も考慮し100人/日を目標にしたいところ。土日は200人は欲しい所です。

土日にどれくらい集客できるかで売上はかなり違ってきます。

 

また仕入れに関しては通常はクレープ屋は製菓材料業者で仕入れをし、もちろん大量仕入れであれば原価をさらに抑えられます。

ただしそのままでは家庭用と大して変わりはないので自分で試行錯誤して独自のクレープ生地を作り上げる事が大事です。

製菓材料店はその他にも材料や包紙なども扱っている所が多いので、色々と相談したり見積りを重ねていくと知識も増えていきます。

あまりに取引量が少ないと取引に応じてくれない業者もあるかと思いますが、根気強く探していき実績が付いて来ればおのずと取引できる業者も増えていくでしょう。

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クレープ屋のテナント

一般的に大手を始めとしたクレープ屋は以下のような場所に多く存在します。

  • 繁華街
  • 駅近テナント
  • 商業施設の中
  • フードコート
  • 大通り沿い
  • 商店街
  • レストラン街
  • 通学・通勤沿いの道

通行量が多くて視認性も高く、若いユーザーの集客が見込める立地が基本的なクレープ向きのテナントと言えるでしょう。

また間口の広い物件であったり休憩スペースが近くにあるテナントも検討できるかと思います。

 

また具体的には、以下のような立地もクレープ屋に向いていると思います。

  1. 狭小地で駅前・繁華街などの好立地
  2. 低家賃でライバル不在の住宅街
  3. 副業的な移動販売(イベント時など集客が見込める場合のみ)

 

まず①の「駅前・繁華街」ですが、どの商売でも言える事ですがクレープ店は人通りの多さや露出度が大切です。

クレープというのは計画的に来店するというよりは、ふらっと歩いていて衝動的に食べたくなるものです。

その為どれだけ人通りが多い立地に出店できるかで売上は大きく異なります。

クレープ店内からの甘い香りに誘われて店舗の前に人だかりが出来ていき、それに連られて行列が出来上がっていきます。

賃料が低くても顧客から認知されない店舗なら意味がありませんので、店自体は狭くとも人通りの多いテナントを選択するのが無難と言えるでしょう。

またクレープ屋は低単価であり薄利多売の商売です。

1個あたりの利益が少ない為、その分数多く売っていかなければ一定の売上になりませんので、必然的に集客力の高い駅近などの一等地~二等立地が選択肢に入ってきます。

併せてクレープ屋では、その店舗デザインや内装で集客が大きく左右される可能性があります。

特にクレープは若年層女性が多いため、年代や雰囲気にマッチした可愛らしい店舗やお洒落な店舗など、クレープのイメージに適した店舗デザインが必要になります。

 

またクレープの味に自信があるのであれば、②「住宅街」立地にテナントを置く選択肢もあります。

低賃料で毎月の固定費も抑えられ、ライバルが周囲にいないため有利に販売を続けられる事もあります。

立地としての集客力は低いものの、繁華街などと比較しても固定客が付きやすく、売上が安定しやすい事もメリットと言えるでしょう。

特に現在のようなコロナ禍においてはリモートワークなど近隣住民への販売も期待できますし、クレープのデリバリーやテイクアウトを考慮すると、かえって住宅街のほうが展開しやすい場合もあります。

また既に自宅がある人であれば、一部改装をして自宅兼店舗として開業する方法も考えられます。

一見すると商売が難しいように見える住宅街ですが、慣れ親しむに連れ近所に住む人や会社の従業員が頻繁に買いに来てくれる事もあり、周囲に競合がいない・大手が来ないという大きな優位性があります。

 

③の移動販売については、基本的にはお勧めはしません。

理由としては集客が難しく固定客も付きにくい事もあり、毎回の販売場所の確保に苦労するからです。

売れる立地はすでに他業者が抑えており、個人の販売で簡単に売り上げが立つものではありません。

またキッチンカーなどは低予算で開業できるイメージを持つ人も多いですが、車の購入や改造・販促品・車に合わせた設備などを考えると200~300万円のお金はすぐに消えていきます。

また毎日の仕込みや車・機器の移動も大変なものですし、固定店舗と比較しても車内は室温が低くなりやすく焼き機などの温度保持が難しくなる事もあるでしょう。

ですがイベント時などは爆発的な売り上げが見込めるケースもあり、長く商売を続けていたり他業者から出店の話が舞い込むこともあるので、多くの集客が見込めそうな立地であれば検討しても良いでしょう。

 

またクレープ屋の店舗テナントを選ぶ上で考慮しておきたいその他のポイントとして、「お客さんからの視点」が挙げられます。

クレープは他の飲食と比較すると生地の香りは少ないかもしれませんが、”その調理する風景がお客さんから見えるかどうか”はとても大切です。

顧客はクレープの味だけでなく、その調理風景やパフォーマンスも楽しみにしている事を忘れてはいけません。

例えば自分がクレープを買う時、「どういう風にトッピングするんだろう?」「焼き方が手慣れた手つきだなぁ」「今、生地破けなかった?焼き直してくれないのかな..」など、スタッフさんが調理するのを見ながら人それぞれ色々な感想を持っている筈です。

そうして目の前で出来上がったクレープを見て、工程を踏まえて味を楽しんでいるのです。

そのためテナントを選ぶ際には「見える調理」を意識して、顧客が楽しめる視点を併せ持つ店舗かどうかを基準に考えることも必要となります。

 

またクレープ屋のテナントを選ぶ際には、「行列時のスペース」についても考えておきたい所。

駅前や繁華街は特にですが、クレープは焼き時間があるため行列になりやすい業態と言えます。

ただでさえ人通りが多い駅前や繁華街において、狭い道にお客さんにランダムに並ばれてしまうと通行人の邪魔になってしまいますし、周囲の店から苦情が入る可能性もあります。

店前に待ちスペースがあるかどうかやゴミ捨て場を設けるか・混雑時にはお客さんに並び方について伝えてあげる等、対応方法を考えておきましょう。

 

クレープ屋のオペレーションは?

クレープ屋のオペレーションはどのように考えれば良いでしょうか。

一般的にクレープ屋では以下の店員数で廻している所が多いかと思います。

  • 1人体制:「レジ&調理を全てこなす」
  • 2人体制:「レジ1人」+「生地を焼く&具を乗せる人1人」
  • 3人体制:「レジ1人」+「生地を焼く人1人」+「具を乗せる人1人」

 

アルバイトスタッフの雇用と1日の売上げ目安の関係としては、以下のような感じになるかと思います。

  • 売上1~3万:オーナーのみ
  • 売上4~5万:+アルバイトスタッフ1人
  • 売上10万~:+アルバイト2~3人
  • 売上30万~:+アルバイトスタッフ4~5人

 

例えば8時間営業したとしても、クレープ50個ほど(売上2~3万位)の販売であれば、1時間あたり6~7個程度ですからオーナーのみでも十分に回ります。

ですがクレープ100個以上(売上4~5万以上など)の販売となると、オーナー自身が調理しながら接客をするとなるとスピードが追い付かなくなってくる筈です。

そのため自店がどれだけ売上を立てられるのかおおよその予測を立てて、従業員を雇用する必要が出てきます。

 

1人体制の場合、オーナーが自分で全てこなすとなると人件費が浮きますが、客数が多くなってくると一人ではとても廻していけません。

また調理時に手袋を付け、レジ清算時に手袋を外し…といった繰り返しも手間になりますし、釣り銭を触る素手で毎回クレープを作ることに衛生面の不安を感じる顧客もいるかもしれません。

特にコロナの現在では衛生面に不安を持つ人も多くアルコール消毒作業なども必要ですので、どこまでの作業を一人でこなすのかを慎重に考える必要があります。

 

また1人体制を考えた場合には券売機の導入も考えられます。

券売機を導入することでお金の受け渡し等の衛生面の不安もある程度は払拭できますし、釣銭など金額の誤りも防ぐことができます。

売上管理もラクになる事も券売機導入のメリットと言えるでしょう。

ですが機器の導入コストがかかる事はもちろんですし、利用客との接点がほぼ無くなるのでクレープ屋としての雰囲気としてもやや冷たい印象を生む可能性もあります。

併せて券売機を導入しているクレープ店に来店したお客様の中には、入店した瞬間に「券売機で購入するのを知らなかったので言って欲しかった」「どのようにして購入したら良いのか操作に迷った」というネガティブな声もありますので、スタッフの対応など丁寧な案内が求められます。

 

また2人体制の場合にはオーナー+アルバイトといった形も検討できますが、1日10時間の営業とするとアルバイト1人だけで30万円前後の人件費がかかってきます。

そのため週末などの客数に合わせて人件費を調整する等オペレーションも考える必要があります。

クレープ屋人気店では3人体制の店も多くありますが、開業当初は出来るだけ各コストを抑えて開業を考えたい所。

そのため開業当初はアルバイトスタッフを入れる時間はなるべく少なくし、オーナー自身が店に入ることが中心となります。

 

オーナー自身が店に入るというのは人件費を抑えるという意味がある事はもちろんですが、その他の大切な意味合いとしては、開業仕立てで慣れないスタッフが多いとクレープの味がブレるからです。

特にクレープは同じ生地を使用していても、焼く人によって大きく味や食感が変わります。

クレープを焼くのは職人技とも言え、焼き台の上でトンボを回して綺麗な生地を焼くだけでも数週間かかりますし、スタッフによって微妙に焼き時間や焼き方が異なるため、スタッフが定着しないと店の味が不安定な時期があります。

そのため特に開業当初はお客さんに自店の味を知ってもらう為にも、オーナー自身が中心となって調理することで安定したクレープを提供していくようにしましょう。

 

クレープ鉄板はガスか電気か

クレープ焼き機に「電気式」を使うか「ガス式」を使うかも迷うところです。

どちらが使いやすいかという点で言えば、温度管理がしやすく熱がこもることも少ない電気式のほうが扱いやすいという事が言えます。

またガスのように火加減を調整することなく、自動で温度を調整してくれるのも利点と言えます。

併せて電気式はガスのように爆発事故の心配をする事もなく、初心者でもキレイにクレープを焼きやすいという事が言えるでしょう。

また鉄板と言えば室内の温度上昇を気にする方も多いですが、電気式の場合には室温が上がりにくいのでガスよりも快適に調理しやすいという一面もあります。

実際に多くのクレープ店では、ガス式よりも電気式を使用している店舗が多いように思います。

 

ただし電気式の場合、特に屋外の場合などは連続でクレープを焼いていくと鉄板の温度が下がってしまう事もありますので、多くの枚数を焼くのであれば火力の強いガス式のほうが有利です。

特に電機式の場合、数枚焼いてから再度温度が上がるまで待たなければいけないタイムロスが生じる事もあるので、頻繁に生地を焼き続けるような人気店の場合にはガス式のほうが向いているかもしれません。

また一般的には家庭用コンセントは1500wですが、電気式の場合には機器によって発電機が使えなかったりブレーカーが落ちてしまう可能性もありますし、電気の使えない屋外等では(プロパンが使える場所であれば)ガス式を選ぶ人もいます。

特に焼き機が中国製の場合には消費電力が1500Wを超えるモノも多いので、発電機が使えない場合があり出来れば国内製造を選択したい所。

また製品によっては鉄板だけ国内・他部分を中国で製造している機器等もあるようなので、クレープ機器購入の際は信頼できるメーカーかどうか製造元もしっかり確認するようにしましょう。

 

業務用クレープ焼き機の価格帯としては安いものではなく、目安としてガス式が10万円~、電気式が13万円~程度から購入することができます。

新品で買えば高額な商品になりますが、ネットオークション等を利用すれば中古品や新古品を比較的割安で購入することもできるでしょう。

業務用機器というのは簡単には故障しませんので、年式・程度の良い中古品であれば十分に検討できるかと思います。

クレープ焼き機にも多くのメーカーがあり、例えばエイシン製やニチワ等の以前からあるクレープ機器は今でも多くの店舗でよく見かけます。

現在では電気式でも10万円以内で購入できるメーカーもあるようです。

ただしクレープ機器ならば全て同じという訳でもなく、油の馴染み具合や温度調整・焼き上がり等も異なりますので、購入にあたっては慎重に選びたい所です。

 

クレープを家庭内で焼くのにはフライパンやクレープパン・ホットプレート等を使う人もいますが、これから開業を検討しているのであれば出来るだけ本番に近い環境での調理も考えておきたい所。

これから本番に向けての練習をしたい方やキッチンカー等での販売を検討しているのであれば、例えばキャンプ用のコンロ(バーナー)等を使用して別売りの鉄板を使用しても、十分にクレープを焼くことはできます。

コンロと鉄板を両方揃えても2万円程度あれば購入はできますので、業務用のクレープ焼き機を購入するよりも安価に用意することが可能です。

よくキッチンカー等で使用されているコンロは、例えばユニフレーム(UNIFLAME)等でしょうか。

また鉄板についてもキッチンカーやクレープ屋の開業を見据えているのであれば、直径40cmくらいで厚さ9mm程度ある鉄板がお勧めです。

ガレットや小さ目のクレープのみ作るのであれば30cm~も検討できるかもしれませんが、やはり業務用で考えるのであれば出来れば40cmくらい欲しい所。

またそれ以外のコンロを選ぶ場合でも、例えば鉄板の大きさが20cm~25cm程度であれば家庭のIHやカセットコンロでも使えますが、30~35cmになるとガスコンロまで、それ以上の大きさになると業務用コンロ(鋳物)が必要になってくる等、鉄板の大きさによっても変わってきます。

 

ですが鉄板が40cmといった大き目のもの等、コンロ火力によっては鉄板の端まで熱が届かなかったり焼きムラが出来てしまう場合もありますので、いつかは慣れてから業務用焼き機の購入を検討しても良いかもしれません。

実際を言ってしまえば、本当にクレープの味にこだわるのであればやはり業務用焼き機にはかなわないと思います。

「キッチンカーのクレープは味がイマイチ..」という印象を持った人がいるとすれば、恐らく原因は火力を含めた上記が主な理由かと思われます。

クレープは基本的には強火で短時間でサッと焼くほうが水分が抜けずらくふんわりモチっとした生地になり、例えばお土産用など時間が経っても食感などが損なわれずらい為、本格的に美味しい生地を焼くのであれば専用の(業務用の)クレープ焼き機の購入を検討した方が良いかと思います。

 

併せて鉄板は大きさだけではなく、その「厚み」についても考えておく必要があります。

あまりにも薄い鉄板だと長く使用しているうちに多少歪みが生じてくる可能性もありますし、十分に熱が伝わらない事も考えられます。

薄い鉄板を使用すると中央と端の部分に温度差が出やすく、鉄板全体が均一な温度にならない場合もあるのです。

そのため人によっては、中心部だけ生地が焼けてしまい外側まで広がりきらなかったり、端の部分だけ生ヤケのような状態になるケースもあります。

生地の粉の割合を変えたりトンボを回すスピードを上げることである程度はカバーできる場合もあるかもしれませんが、それであれば最初から厚みのある鉄板を購入した方が賢明でしょう。

また鉄板に厚みによって蓄熱量が変わってきますので、温度が下がりにくくなり混雑時でも続けて焼きやすくなりますし、全体の焼きムラも少なくなるので出来るだけ厚みのある鉄板がお勧めです。

人それぞれ使い勝手の良さもあるかと思いますが、クレープ屋の開業を考えるのであれば出来れば9mm~程度の鉄板は用意したほうが良いでしょう。

 

今後長く使用していく設備ですので、自分が希望するクレープによって十分に選ぶ機器・鉄板を検討したい所です。

 

クレープ屋のフランチャイズは?

クレープ屋さんにはフランチャイズ店舗もあります。

FC募集をしているクレープ店には、主には以下のようなお店があるようです。

(※調査時点の情報です。詳細は各お店のHP等をご確認ください)

  • ディッパーダン
  • マリオンクレープ
  • ジラフクレープ
  • MOMI&TOY’S
  • カラーカフェ
  • コムクレープ
  • コスコクレープ
  • サニーズ
  • ココマンナ etc..

 

フランチャイズ店として開業する事により、主に以下のようなメリットが考えられます。

  • 販売ノウハウを提供してもらえる
  • 仕入れルートを確保できる
  • 技術研修が受けられる
  • 看板・ロゴの使用
  • 未経験からの参入が可能
  • 商品開発は本部が行ってくれる
  • 銀行融資が受けやすくなる事も
  • 短期間で開業が可能
  • 経営相談ができる

フランチャイズで開業する事により幾つかのメリットを活かす事もできます。

特にこれからクレープ屋を開業する方や多店舗展開を検討している方にとっては、FC加盟も有力な選択肢の一つとなるでしょう。

 

一方でデメリットを挙げてみると、まずクレープのFCの場合には会社によって2~5%程度のロイヤリティが発生します。

元々が薄利なクレープ販売においては数%のロイヤリティでも負担となります。

またロイヤリティが低かったとしても、本部から仕入れる食材や販促品などに乗っかっている場合も考えられます。

ロイヤリティが低いと言えば聞こえは良いですが、「手数料が低い=本部のサポートが手薄」では意味がありませんので、トータルでの判断が必要です。

 

その他にも、クレープのFCに加盟する際には以下のような点も注意しておいた方が良いでしょう。

  • 加盟金や保証金・デザイン設計料などが高すぎないか?
  • 本部が提示する立地診断・売上予測の信憑性は?
  • 他加盟店に十分な売上が出ているか?
  • 仕入れを強要されないか?
  • キッチンカーの契約(レンタル・リース・ローンなど支払方法・撤退後の車の買い取り等)
  • 会社に対する評判は?(ネット上の口コミ・詐欺・裁判・被害者の会など)
  • 「出店場所を紹介します」具体的な立地の例は?
  • 流行り・ブームに強く影響される食材でないか?
  • 契約期間・契約更新率は?
  • 本部がFC展開する目的(FCを拡大させたいのか・単なる加盟金目的かなど)
  • 本当にそのブランド力がなければ開業できないか?

 

また店舗が軌道に乗り、自店でオリジナルクレープを開発しようとしても、本部によってはメニュー開発に制限がかかる可能性もあります。

屋号やメニュー作り等、経営上の自由度が失われるケースもあるため慎重な判断が必要と言えます。

またフランチャイズである以上、近隣に同系列のクレープFC店が出店した場合には、売上減に繋がる可能性も考えられます。

フランチャイズ加盟にはメリットも多い反面、デメリットもありますので自分に合った開業方法を検討したいですね。

 

クレープのメニューは?

クレープにも様々なメニューがあります。

デザート系のクレープから食事系クレープ・夏場等に出やすいアイスクレープなど、店舗によってメニュも様々です。

大手店であれば50~70種類程度のメニューを取り揃えている所も多いでしょう。

 

ですが個人店の場合、クレープの種類は慣れるまではある程度限定するべきです。

最初のうちは種類も20~30程度に絞る事が必要でしょう。

あまりに種類が多いとオペレーションが複雑になりますし、作業スペースも必要になってきます。

具材によって販売数にバラつきが出るとロスが出やすくなる可能性もあります。

 

またクレープというと甘い洋菓子をイメージする人も多いですが、メニューには食事系クレープも入れていきましょう。

ガレット風やビーフサンドなど食事系のクレープはメニューに含めると売り上げの底上げにもなりますし、お昼時の時間帯は食事系・惣菜系クレープの販売が順調な店舗も多くあります。

チョコバナナ系のクレープ屋が多い中で食事系クレープを充実させる事は差別化にも繋がりますし、甘い物が苦手という顧客にも向いています。

クレープ屋で売れる時間帯は14時~18時くらいが一般的ですが、時間帯によって売り上げのバラつきが出やすく、ランチに近い形で提供することにより、お昼や夕方以降は惣菜系クレープで売上減をカバーできるという利点もあります。

 

またクレープは主に女性客がメインとなります。

最近のクレープ屋では女性客の取り込みに特に注視し、以下のようなキーワードの食材を織り交ぜながら販売しているケースも多く見られます。

  • 安心・安全
  • ヘルシー
  • ダイエット
  • 無添加
  • アンチエイジング
  • 美肌・美容
  • 有機(オーガニック)
  • 国産・○○産
  • 自然派・ナチュラル
  • 糖質カット・砂糖不使用
  • 自家製○○
  • グルテンフリー
  • シミ・シワ予防
  • アレルギー
  • 動物性・植物性○○
  • ヴィーガン etc..

特にクレープは小麦が原料となる事から、カロリーだけでなくアレルギーやお子さんに対して安心して食べさせる事ができるかどうか等、女性は細かく気にしている事もあります。

上記のような女性が気になりやすい食材・キーワードをメニューに入れることで注目を集め、積極的な集客を目指す工夫も大切です。

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キッチンカーでクレープ屋を開業するには?

クレープ屋さんを開業希望する人の中には、キッチンカー(移動販売)での開業を検討している人もいるかと思います。

上述したように、個人的には移動販売メインでのクレープ販売はお勧めしません。

ですがキッチンカーであればテナント賃料はかからず(場所代は別)、販売場所も変える事ができ、開業時や撤退時にも大きなコストがかかりにくい事がメリットとして挙げられます。

特にクレープはイベント等との相性も良いので、集客が確実に見込める立地を確保できるのであれば売上も立ちやすいでしょう。

 

キッチンカーの場合でも、通常と同じく保健所の営業許可を得る必要がありますし、食品衛生責任者の設置が必要です。

キッチンカーの場合には、調理場と運転席との区分けやシンクの数・換気や給水・排水タンクなど、より検査が厳しくなる事も予想されますので、事前に保健所や販売車の製作会社ともよく相談をして開業を検討するようにします。

販売をする食材等によって営業許可が異なる可能性もありますので、事前にしっかりと確認しておきましょう。

 

キッチンカーと言うと低コストで開業できるイメージがありますが、全てが利点とは限りません。

例えばキッチンカーを購入すると最低でも200~300万円はかかってしまいますし、レンタルする場合にはそのレンタル料も考慮しなくてはなりません。

駐車場の確保を始め車両保険・PL保険への加入もする必要がありますし、移動時には当然にガソリン代も必要です。

天候に左右されやすいのもキッチンカーの難点と言えますし、車両が故障した場合には営業そのものを中止しなくてはならなくなります。

その都度販売場所を確保しなければならず、スーパーや商業施設の空きスペースで開業する場合にはその地代も必要です。

 

また一般的な店舗・テナントの賃料と比較すると、キッチンカーの場所代は多少割高になりがちです。

移動販売の場所代には「固定」「変動(売り上げの〇%)」「固定+変動」など主に3タイプがありますが、例えば固定だとすると場所によっては売り上げの15~20%の手数料がかかります。

一般的な飲食の店舗テナントの賃料が売り上げの10%程度だとすると、やはり移動販売の場合には場所代がネックになりやすい事もあるでしょう。

そのためクレープを販売するキッチンカーでは、店舗のクレープ屋さんと比較すると商品の原価率を5~10%ほど下げて販売している所も多くあります。

 

またキッチンカーでクレープ屋をやるのであれば、今やSNSは必須です。

SNSを利用することで以下のようなメリットがあります。

  • 出店予定場所・時間などを告知できる
  • 販売者の顔や店舗の雰囲気を伝えられる
  • Instagram等、クレープメニューのPRに使用できる
  • 他キッチンカーとの交流や情報収集につながる
  • イベント時など、出店依頼につながることも
  • リアルタイムの状況を伝えられる(混雑状況など)
  • SNSによるクーポンの活用など

無料で使用できる媒体ですので、使用できる部分では存分に活用するようにしたい所です。

 

キッチンカーが「場所を変えられる」と言えば聞こえは良いですが、逆に言えば毎回のように場所を確保しなければならないという事です。

好立地は既に大手業者が場所を抑えている事も多いですし、その都度交渉が入るなど出店場所を確保するにも手間もかかります。

立地が確保できたとしても、その地代が想定よりも高い場合もあります。

集客が難しい立地にしか出店できず、その分広告費用がかさんでしまっては意味がありません。

キッチンカーでのクレープ開業にはメリット・デメリットがありますので、じっくりと検討する必要があります。

 

クレープの価格のつけ方は?

クレープの価格のつけ方はどのようにすれば良いでしょうか。

商品の種類が多いだけに、値段のつけ方に悩んでしまう人もいるかと思います。

 

クレープの価格のつけ方には、例えば以下のような方法が考えられます。

  1. 原価から価格を決める
  2. 利益から価格を決める
  3. 近隣(競合)クレープ店の価格を参考にする
  4. コンビニスイーツの価格を参考にする
  5. 「自分ならいくら出すか」で価格を決める etc..

 

洋菓子などの価格をつける場合、まずは原価から価格を決める方法があります。

例えば原価が80円で原価率20%であれば、80÷0.2=400円といった具合です。

この方法では原価率を上げるほど価格は下がる事になります。

 

②次に利益から価格を決める方法もあります。

例えば原価が100円で、その商品の利益率を80%と考えると、100÷(1-0.8)=500円といった具合です。

この方法では利益を高く求めるほど価格も上がる事になります。

 

③は近隣クレープ店の価格を参考にする方法です。

エリアにも寄りますが、1つの街に存在するクレープ店は1~2店舗といったケースも多く、ライバル競合店の販売価格を無視することはできません。

近隣クレープ店の価格を参考にしながら、自店の商品をより優位に販売できるように価格を考えることも大切です。

 

④はコンビニスイーツとの比較です。

クレープだけでなく洋菓子店にとって今やコンビニスイーツは脅威であり、非常に手ごわい競合と言えます。

近所のコンビニに行けば誰でも安価に本格的なスイーツが100円~台から購入できる訳ですから、平均して400~500円するクレープを買いにくるだけの理由付けが必要です。

コンビニ店舗にはない専門店ならではの強みを見出しておく事も大切と言えます。

 

⑤の最後は「自分ならいくら出すか」です。

結局のところ、上記の①~④でどれを選べば正解というものはありません。

そのため売主目線だけでなく、ユーザーの気持ちに寄り添って”買主としての目線”で価格を決めていく必要があります。

「自分ならこのクレープにいくら出したいか」をじっくりと考え、適正価格を導き出しましょう。

 

また上記の中で言えば、一般的には①の原価からクレープの価格を決める人が多いかと思います。

自分なりに原価率を決めて、そこから各商品の価格を決めていくといった具合です。

 

ですが原価率から価格を求める場合であっても、全てのメニューを必ずしも同じ原価率に設定する必要はありません。

むしろ商品毎に原価率は異なるほうが自然と言えます。

例えば低い原価率の定番メニューで安定した売上を確保しながら、高原価の人気メニューで集客を図る方法もあるという事です。

(例:定番のチョコバナナ・シュガーバター等で売上を確保し、ケーキ系クレープ・フルーツ系などで集客を図るなど)

売れやすい商品は店舗によって異なりますし、季節ごとに仕入れ原価も異なるため、変化をつけながら価格を決めることも大切と言えます。

全体のバランスを見ながら利益の最大化を図れるような価格設定をするようにしましょう。

 

クレープ屋に修行は必要?

クレープ店を開業する際、修行は必要なのでしょうか。

クレープを焼くこと自体は数週間も練習すれば、誰でも焼けるようになるかと思います。

ですがアルバイト等でも良いので、出来れば実際の店舗で働いてみる事は大切かと思います。

 

確かに、修行としてどこかのクレープ店で働いたとしても、知識の面では目新しい習得はないかもしれません。

特に大手店においてはアルバイト雇用を前提としているため簡単なオペレーションが中心となっており、例えば生地を作る過程でも出来合いのミックス粉のようなものに牛乳や卵を混ぜるだけで完成してしまうような作業も多いです。

そのため店舗に潜り込んだとしても、肝心の生地の配合割合や仕入れ先など詳細な情報は掴めないことも多いでしょう。

 

ですが実際に店舗内で働いてみる事で生地の焼き方からトッピング・店内のオペレーションも掴めますし、日々の時間帯毎のお客さんの流れ・よく出るメニュー・各店舗の売上なども分かるかもしれません。

またクレープを焼けるようになったとしても、実際に並んでいるお客さんを目の前にしながら何枚も焼き続けるのとでは雲泥の差があるでしょう。

 

頭の中で空想としてイメージしていても、実際の売り場に立って販売をしてみるとかけ離れている事も多いので、開業前には何店舗かのクレープ店を体験してみるのも良いかと思います。

また今ではクレープの開業前研修を行っている所もありますし、Youtubeを始めとした動画等でも多くのクレープ店が営業の様子を公開しています。

修行と言うと少し大げさな感じもしますが、他クレープ店のやり方を参考にしてみたり実際に経験を積むことは開業後にも活きてくるように思います。

 

クレープ屋のセール

クレープ店によっては定期的にセール日を設けています。

もしセールをするのであれば日々継続的に安売りするのではなく、例えば月に2~3回「クレープの日」等を設けて販売したほうがインパクトは強く、非セール日の客離れも防止する事ができるでしょう。

 

またセール日は特に高単価のクレープが多く売れます。

セール日に全商品290円均一を打ち出したとすれば、いつも340円で販売しているクレープよりも当然に400円で販売していたクレープの方が売れます。

400円のクレープが売れれば売れるほど利益率は下がる可能性がありますが、セール時のコストはPR・広告費の一部と捉えて定期的に安売り日を設けたほうが良いでしょう。

 

またクレープでは小麦や卵・具材を始め、今後は原材料の値上げも考えられますし、人件費の高騰が影響し各メニューの価格を上げなければならないケースも出てくるでしょう。

そのような際にもセール日を挟んで価格を調整したり、メニューを一新する・メニューの付加価値を上げる事で、値上げに対してのイメージダウンをある程度は防ぐことも出来ます。

またセール時には多くの来店客が見込めるため、来店客に対してはクーポン券ドリンクサービスチケットの配布等、次の集客に繋がる仕掛けを撒いておく事も忘れずにしておきたいですね。

 

クレープ生地・焼き方にも工夫を

クレープは焼き方にしても、その店舗によって様々です。

弱火で焼いていきそのままトッピングする方法や、強火で一気に焼き上げる方法など店舗によって特色があります。

クレープ独特のふんわりした優しい食感を出すには、強火で短時間で一気に焼くほうが良いかと思います。

クレープを焼く際の温度も最初から高温で焼こうとすると失敗してしまいますので、低い温度から何枚も焼いてみて慣れてきてから高温で焼くようにしましょう。

 

クレープを焼くだけであれば数週間練習すれば慣れるようにはなりますが、アルバイトさん等は焼く人によって生地の仕上がりが異なってくる事も多いです。

オペレーションとしては1分間に2枚~くらい焼けるようになれば1人で回していく事も可能で、焼き上げるスピードは人気店であればあるほど大切になってきます。

特にクレープ生地はその食感や口当たりを決めクレープの味に大きく影響するものである事から、十分な練習・技術が必要とされます。

 

鉄板もクレープ用鉄板で焼くものと業務用フライパンで焼く方法がありますが、熱が均一に伝わる事が大切ですので業務用クレープ鉄板で焼いたほうが良いでしょう。

お店によって焼き加減は多少異なりますし、メニューやトッピングに合わせて生地のサイズや厚さを変えているクレープ店もあります。

特に生地が美味しいクレープ店では、生地だけを購入していくお客さんもいる程です。

 

クレープの材料は材料店で簡単に購入することが出来ますが、それをそのまま使用しても一般的なクレープしか出来ません。

家庭でホットプレートで作るクレープと同じ程度の味ならば、クレープ店で購入する価値はありません。

人気店と呼ばれる店には、生地にもそれなりに材料にひと手間・一工夫がなされています。

 

例えば卵やバターの比率を上げてみたり他の粉とブレンドをしてみる等、自分が納得する生地が出来るまでは顧客に提供するべきではないでしょう。

他店のクレープ店を何店も食べ歩いたり、知人にパティシエや料理人がいれば他人のアイデアをもらう事も大切です。

 

PR方法を凝らし売上の底上げを

クレープの客層は若い女性というイメージが多いものですが、立地によって中高年の女性にも需要があります。

勿体ないのがギフトやお土産用など持ち帰りをしていないクレープ屋です。

特に中高年層は友人や家族に持って帰る傾向がありますので、持ち帰りには対応したほうが良いでしょう。

 

また客単価を上げる為に、お土産に関連してクレープのセット販売も効果的です。

ディスプレイで表示しておくと家族連れにはインパクトがありますし、リピートに繋がる効果もあります。

お土産専用に小スペースの別ブースを用意して販売するのも良いでしょう。

 

逆に若年層女性が多いのであればバイキング形式のクレープ屋もウケが良い筈です。

若い子は特に自分でトッピングしたりするのが好きなので、ショーケースやディスプレイでPRしたほうが良いと思います。

また最近ではクレープだけでなく、料理やスイーツをインスタ等のSNSに画像をアップする若者も増えています。

SNSなどで自店の商品が紹介される事は間接的に集客にも繋がるため、彩りの綺麗なクレープやトッピングに工夫が凝らされたクレープを提供するのも一考でしょう。

ただし出店する店がフランチャイズの場合には、オリジナルメニューの開発等には本部から制限が出るケースも多いため注意が必要です。

 

クレープ屋の開業まとめ

クレープ屋の独立・開業について幾つか挙げてみました。

クレープはイメージも可愛いしいいですね。

個人的に私も好きですがやはり家庭で作ったクレープと業務用では味や食感・味も違います。

それだけに生地1つとっても納得のいくものができるまで試行錯誤が必要です。

どこも同じように見えて、お店によって生地からトッピングまで拘りがあります。

多くのお客さんが訪れるような自分の理想とするクレープ店の開業を検討したいですね。

それでは今日はこの辺で。

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