鍵屋の独立・開業・稼ぎ方
「鍵屋」の独立・開業・稼ぎ方
今回は鍵屋の独立・稼ぎ方について書いてみようと思います。
緊急時に鍵を紛失してしまった等で活躍するのが鍵屋という訳ですが鍵屋の独立には特に資格は必要
ありません。強いて言えば鍵を開錠する技術と経験だけです。
鍵と言えば簡単な南京錠等の開錠から車の開錠・自転車の開錠・家ドアの開錠・金庫の開錠など
様々であります。またビジネスモデルだけを見れば儲かる商売とも言えます。鍵屋の工賃はほとんどが
技術料だからです。例えば一般的なシリンダーの原価は1500~2000円程度。シリンダー交換でも
実際には顧客からは1万5千円程度の修理賃をもらえるのでその粗利は高いと言えます。また鍵屋の相場
自体もあってないようなもので同じ開錠仕事でもA鍵屋とB鍵屋の料金が1万~3万程度開きが出る事も
珍しくありません。状況次第でこちらの言い値が通用してしまうビジネスでもあり仕事の仕方次第では稼げる
チャンスもあるでしょう。
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しかし鍵屋の独立が比較的難しいと言われるのはその情報が閉鎖的だからです。飲食など殆どのビジネスが
ネットで検索するとレシピや開業方法が閲覧できるにも関わらず鍵屋の独立については情報が少ない
というのが理由の1つでもあります。当たり前かもしれませんが鍵の開錠方法などの動画が出ても
削除依頼がくるという流れになりまともに鍵屋として独立したいというと情報を集めるのに苦労する
ものです。また以前には開錠工具などもネットで簡単に入手できましたが現在では身分証の提示など
入手も難しくなっています。中には海外から工具を購入している人もいるようですが工具の盗難など
鍵屋がどろぼうに工具を盗まれるという事態も発生しています。またピッキング対策法などの立法により
素人が鍵屋になる門も狭くなっています。飲食等であればアルバイトからその店に入り簡単な調理や
レシピを聞き出すことも出来ますが鍵屋のアルバイトはあまり聞いた事がありません。それだけ素人では
技術的に困難ですし他人の鍵を開錠するという事は立場上、責任を負う仕事でもあります。
そうなると鍵屋の養成学校に通うか鍵屋に就職するかという話になりますが鍵の養成学校
というのは比較的受講料が高いもの。また通ったとしても実際にえられる技術というのは入口でしか
ありません。お客さんのいる前ですぐに開錠できる技術なんてものは習得できるものではありません。
やはり実践あるのみというのが実際の所であります。また鍵屋業界というのは既に飽和状態であり
大手でさえかなりの苦戦を強いられています。その大手が本業で稼げないので独立者を狙ったビジネス
というのが養成学校という格好になっています。まして最近ではディンプルキー等を始め丈夫で開錠が
容易でない鍵が量産されているので鍵師の出番さえも以前よりは減少傾向にあるように思います。
鍵の種類というのは数百種類にも及びピッキング対策も毎年のようにイタチゴッコですのでプロの鍵師でさえ
現場で応用が利かない場合も多いもの。学校で習った技術がそのまま活きるというものでもありません。
ましてメーカーも様々な防犯技術を生み出してきていますので鍵屋はその都度それに対応する設備投資も
必要になってくるでしょう。よく独立起業を煽るような「鍵の技術を身に付ければ一生食える」ような
フレーズも見かけますが数年前の技術が今では通用しなくなっているという事は鍵師の業界ではよくある話です。
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そうなると鍵屋に就職して技術を習得するという事になりますが鍵屋の給料というのは残念ながら
あまり高くはない事が一般的です。ただ技術だけを習得するという意味では就職してしまったほうが
近道になるでしょう。また鍵の修理依頼は一般的には緊急性がある事態が多い事から近隣の業者に開錠や
修理を頼む事が通常です。また鍵師として一人前になるにはとにかく件数をこなさなければ技術は身に付きません。
その意味では修業期間はやはり受注件数が多く全国に拠点を構え知名度の高いFC店等で修行をするのも
独立への近道と言えるでしょう。
また鍵屋では簡単な工具があれば独立可能のような触れ込みを見かける事もありますが
実際にはその工具も高価になります。一通りの工具を揃えるには数百万かかりますので工具は自分で作る人もいます。
開業資金としては500万~は必要になるでしょう。鍵屋が年々廃業しているのはよく聞きますが今後の鍵屋の
仕事としては副業形態にするなど他の業種と兼業で行うのが無難かと思います。鍵屋は完全に「待ち」の仕事です。
お客さんから依頼が来なければ仕事になりません。例えば無店舗の出張型の鍵屋として開業し他のビジネスの
合間に鍵屋として活躍する事のほうが現実的かと思います。インテリアコーディネーター+鍵屋・不動産屋+鍵屋
など他の職種と結び付けたり深夜の開錠専門や特殊鍵開錠専門など差別化が必要です。特に一番無難なのは
やはり不動産管理会社を数社提携先として持っている事です。ご存じの人も多いですが引っ越しの度に
都度鍵交換は当たり前ですので(実際には古い鍵を使い回している管理会社も多いですが)安定的に
鍵交換・修理の依頼が回ってきます。しかしそのような管理会社では既に古くからの提携先があるのが
通常ですのでまずは簡単な修理仕事等から徐々に周囲のエリアで顔を売っていくようにしましょう。
また鍵屋が待ちの商売と前述しましたが今後は自分で仕事を取ってくる営業力も必要になってきます。
いかに開錠の技術が優れていてもその技術が周囲に知られていなくては商売になりません。
この点は他の職種とも共通していますね。鍵屋の売り上げは錠前交換と錠前取付・合鍵作成が大半を占めて
いますがそれだけでは今後の仕事には繋がりません。まして本来の鍵修理や開錠の案件数に対してこれだけ
多くの鍵屋が開業されており個人が仕事を取ってくるのは並大抵ではありません。大手は数少ない案件を
受注するのに多額のマーケティングコストをかけています。同じやり方で戦う事が本来の間違いです。
日々知識と技術を上げていってコツコツと営業を重ねていく・他の職種ともリンクさせる事や差別化を図る事で
鍵屋としてなんとか生計を立てていく今後の道かと思いますがいかがでしょうか。それでは今日はこの辺で。
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