雑貨屋の独立・開業・稼ぎ方

雑貨屋の独立・開業・稼ぎ方

今回は雑貨屋の独立・稼ぎ方について書いてみようと思います。

雑貨と一言にいっても色々な雑貨屋がありますね。商業施設を中心に全国展開しているお店から

ハンドメイドで自分の創作雑貨を売っているお店・北欧雑貨を取り入れているお店・300円均一の雑貨店

など様々です。またその雑貨店のテイストによってもカテゴライズされアンティーク系やハンドメイド系・

ポップス系やエスニック系・アート系の雑貨店など各お店が個性を打ち出しています。雑貨屋を開業するには

特別な資格は必要ありませんがせめて古物商くらいは取得しておきましょう。警察署へ届出すれば割と簡単に

取得できます。ちなみに海外の商品は対象外になります。また後々の問屋との仕入れを考えても個人事業主

として登録やせめて屋号・自分のHP・名刺程度は持っておくと良いでしょう。

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好きな雑貨と売れる雑貨の違い

独立系と言えば色々な経験が求められるものですが雑貨店開業に関して一番必要な経験・要素はバイヤー経験

です。各国や各メーカーとの取引・買い付け経験があるのとないのでは全く違います。また商品は雑貨。

生活必需品とは異なります。日頃から日常生活になくても困らないものを商品として置く事になるので

当然お客さんが一目見てその商品から魅力や付加価値を感じ取れるものをチョイスしなければなりません。

まず雑貨屋の商品展開として求められるものはその雑貨屋ならではの独自性です。極端に言えばその店舗

でしか入手しにくい商品を扱う事がそのままその店舗のカラーとなります。その雑貨の生産国にこだわるのか・

デザインにこだわるのか・ハンドメイドにこだわるのか・流行を先端を意識した商品にこだわるか・デザイナー

商品にこだわるか・低価格帯の雑貨にこだわるか等、そのショップならではのテーマが必要になります。

また個人雑貨屋で自分が好きなモノだけを揃えて販売している雑貨屋さんもありますがそれが自分の趣味で

販売しているだけであれば問題はありませんが商売となると話は別です。自分の好みの雑貨と売れる雑貨は

違うという事を認識しましょう。利益を上げる雑貨屋として大事な事は売れ筋の雑貨を常に把握しておき

そこから派生する商品を仕入れる事です。もちろんデッドコピーを仕入れる事はNGですが売れる商品には

デザインやカラーに売れる要素が含まれているから売れるのです。売れている商品は他店舗サイトの売れ筋

動向・雑誌媒体・ネット通販の売上ランキング等、いくらでもリサーチする事が出来ます。ショップのテーマ

が大事と言っておきながら売れ筋商品を追っかけていくというのは矛盾している、と言われそうなものですが

そのテーマ毎に売れる商品の傾向というものは必ず存在しておりデザイン・形・カラー等、どこかにその要素が

含まれています。他店舗等を参考にし売れ筋の要素を含んだ商品を仕入れるという事は利益を出していく

上では大切な事です。

バイヤーとして経験を積みながら売れ筋を意識したセンスのある商品を仕入れていく事によって自分なりに

自分の店舗で売れる・売れないの基準が出来上がっていき、仕入基準や勝ちパターンがおのずと見えてくる

でしょう。

雑貨屋のテナント・内装

またお店のコンセプトも明確に打ち出す必要があります。雑貨店に訪れる顧客というのは個性的な感性を

持ち併せている人も多いので顧客が入店した時にその店舗がどのようなテイストの商品を取り扱っているか

わかるようにしなければなりませんし当然それに合った内装や店舗作りも必要になります。また雑貨屋というと

マーケティングとは無縁のように思う方もいるかもしれませんが市場・立地調査は行ったほうが良いでしょう。

他店舗など競合する店舗の多さや人通り・その地域の年齢層・店舗の集客力などをトータルで把握しておきます。

もちろん事前予想よりも実際の集客は難しいものですがあらかじめ市場調査を行っておくことでその経験が

2店舗目以降の出店をする際にも役立ってきます。また最近ではネット専業雑貨屋もありますが出来れば実店舗を

構えたい所。雑貨はその特殊性から実際にその商品を手に取ってこそその雑貨の可愛さや魅力が伝わりやすい

ものです。もちろん雑貨屋の多い原宿・渋谷など一等地で店舗を構えるとなるとテナントの空きがない事や

賃料がかなり高めになるので薄利の雑貨屋にとってはハードルは高くなりますが、立地としてはメイン通りで

なくても構わないと思います。飲食等と同様に考えると一等立地を考える人も多いものですが雑貨屋の場合には

二等・三等立地でも十分に開業を検討できます。ですがあくまでそれはその雑貨屋に独自性に富んだ品揃えがある

場合です。他店と同じような雑貨を置くようであれば顧客は駅前の店舗を選択します。差別化の意味でも

その雑貨屋でしか購入できない商品を豊富に置いておくようにしましょう。また雑貨屋は特に商品自体に

人を惹き付けるものがあればリピーターが付きやすい商売なのでクチコミで波及していく事も多いです。

逆にメイン通り等の一等立地に店舗を構えれば集客は容易かと言えばそうではありません。むしろ一等立地

では二等立地・三等立地よりも立地調査は難しくなるケースもあるでしょう。店舗前の人通りが多いからと

言ってそのメイン通りを歩く客層の年齢や趣向がその雑貨屋の商品のカラーと異なれば客は来店しません。

まして一等立地なので賃料が毎月重くかさみ閉店を余儀なくされる可能性も出てきます。あくまで雑貨は

その商品から出る魅力自体が最大の集客要因になる事を考えて中心に考えておいた方が良いかと思います。

また店舗面積に関しても商品が雑貨なので大きな店舗面積は必要なく小規模な店舗から始めると良いでしょう。

毎月の賃料もさることながら商品数も的を絞ったアイテムを置きたい所ですし雑貨のためアイテム数もレイアウト

次第で普通の物販品と比べれば相当な品数を置く事が出来ます。実際に私が知っている雑貨屋の中には実に

4坪の雑貨屋があります。実に一般的なワンルームマンションより狭い店舗です。ただこれが逆に功を奏して

いるようで手を伸ばせば商品に手が届くスペース・気さくな店員と身近なコミュニケーションが取れる距離感

が馴染み客には心地よいと感じているのかもしれません。4坪は少し極端かもしれませんが売れる為には

必ずしも広いテナントスペースは必須ではないという事は言えるかと思います。

また雑貨屋さんは意外に万引き被害額が他業種よりも多いです。優雅に見える職種ですが大規模な店だと

万引き被害は毎月数十万にも及びます。色々な意味で自分の目の行き届いた店舗作りを目指したいところです。

また雑貨屋さんで開業する人に多いのが最初から内装費用にお金をかけすぎる事です。数百万~数千万単位の

内装を施すお店もありますが大手でもない限り個人で始める雑貨屋にきらびやかな内装は必要ありません。

自分だけの世界観を表現する為にこだわりたくなる気持ちもわからない訳ではありませんがその分商品を

充実させたほうが良いですし、内装は売上が安定していってからでも十分あとから舗装することができます。

ベースとなる内装を坪20~30万で業者に施してもらいその他の細かい内装・飾り等はむしろ自分でやる

くらいの気概は持っておきたい所です。

また内装にお金をかけるのであれば什器や音楽・照明や香り等、細かい雰囲気づくりに気を配ったほうが

その雑貨屋の個性や雰囲気は出やすいでしょう。

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雑貨の仕入先

仕入れに関しては様々な仕入先がありますがまず真っ先に思い付くのは問屋仕入ではないでしょうか。

問屋から仕入れるとしても店舗規模や仕入れロット数によって仕入れができないケースもありますので

問屋や業者にあらかじめパイプを作っておく事も必要になる場合があります。

雑貨店の仕入れは大きく分ければ問屋などから仕入れる場合と海外などに買い付けに行く場合があります。

海外へ買い付けにいく場合は渡航代金もありますし輸送の場合でも雑貨の場合は高コストになりがちなので

やはり問屋を通じて商品を仕入れるお店のほうが多いかと思います。

国内の問屋さん経由で仕入れる場合は自分で売っていきたいと思う商品の問屋さんに連絡する事から始める

事になりますが大抵は商品タグに電話番号等が載っていますので直接連絡を取り仕入れをさせてもらいたい

旨を伝えます。東京なんかでは日本橋横山町や馬喰町・蔵前・浅草橋・五反田の卸売センター等が有名ですが

個人だからといって邪険にされる事はないかと思いますし取引を継続していけばやがて仕入れ単価を多少

下げてくれたり売掛にも応じてくれる場合も出てくるでしょう。

雑貨屋さんにとって助かるのが他業種の専門職ですと新規店舗はお断りの

看板を掲げている問屋が多い中で雑貨屋は素人さんや新規にも卸してくれる問屋が多いので気に入った商品が

あれば沢山アタックしてみるのも良いと思います。問屋さんを見つけた場合、まずは申込みから始めます。

まずは問屋との面談から始まりOKが出れば卸の契約書類を提出。その契約内容で最初の仕入金額等の確認を

お互いに確認します。

取引当初は取引金額が10万円以上とか年間で○○万円以上と決められている事がほとんどですので

自分の資金繰りも確認しておく必要があります。慣れてくれば業者の方から支払期限等についてある程度融通を

効かしてくれる事も多くなってきます。しかし卸業者との付き合いばかりでは他のショップと商品が重複します。

独自の商品展開を目指すには仕入先は幾つか確保しておく必要があるでしょう。

例えばネット卸業者から仕入れる手段もあります。最近ではNETSEAやスーパーデリバリー・卸問屋COM

等は有名ですがネットショッピングをするような感覚で卸業者の商品を仕入れる事が出来ます。アパレルから

雑貨・アクセサリーまで色々な種類の商品を仕入れる事が出来ます。仕入れ価格が許容範囲であれば

このような場所から仕入れるのも良いでしょう。

また国内のネット仕入であればBtoB向けのサイトを覗いてみるのも良いかと思います。楽天BtoBや

DeNA BtoB等はアパレルから雑貨・食品まであらゆる商品を扱っています。バリュエーションを

増やしたいという人にも向いているでしょう。

またサイト仕入れだけではなくクリエイター作品やデザイナー作品など個性的な商品を仕入れる場合には

やはり小まめに展示会や見本市に出向いて仕入れをする必要があります。その場で仕入が出来るかどうか、

ロット数や価格の交渉も出来ますので色々な展示会に出向いてみるのも良いでしょう。また見本市などは

定期的に開催されている為、逐一チェックしておく必要があります。インターナショナルギフトショー等は

有名ですがバイヤーや卸売業者が多く参加しています。交渉しないまでも参加してみるだけでも流通経路や

売れ筋動向がチェックできる利点もあるので積極的に参加したい所です。参加を逃すと半年に一度の開催の

場合、また次回まで半年~一年ほど待たないといけないケースもあります。時間スケジュールを組んで

参加するようにしましょう。

但しデザイナー雑貨はやはり仕入単価が高額になるケースが多いのが難点。新規開業を志す人が手を出しては

いけない商品もあります。売上が安定してから徐々にデザイナーとの提携を広げていく等、工夫が必要です。

またクリエイターやデザイナーと提携を持つにはクリエイター集団の作品を専門に取り扱う卸問屋もありますが

業者数自体が少ない為、特定のクリエイターやデザイナーにターゲットが絞られてる時には直接そのHPや

イベント・専門学校・カルチャースクール等に訪問し直接提携を取り付ける方法もあります。

また多店舗との参入障壁を作る意味でもやはり海外からの仕入も検討したい所です。海外輸入というと難しそうに

感じますが例えば欧米や中国・韓国などは意外に簡単に輸入が出来ます。実際に実は日本の問屋に置いてある

商品はほとんどが中国製です。卸問屋は海外から商品を輸入している商品もあればメーカーから仕入れて卸している

問屋もあります。例えば中国のアリババやタオバオでは取扱い商品は数億種類あり、かなり豊富な

商品の雑貨を仕入れる事が出来ます。韓国でもアクセサリー等は特にバイヤーが南大門周辺を毎日のように

歩いています。ごく少量の特定のアイテムを輸入をしている雑貨屋もあれば輸入総代理店になり特定の

ブランドや海外企業から大量輸入している雑貨屋もあります。

言語の問題に関しては翻訳ソフトを使えばなんとかなりますし不安な場合には代行業者を利用する

手もあるでしょう。ただし粗悪な品物や商品が含まれている事も多いのでまずは数個ずつテスト仕入をする事を

お勧めします。例えば日本円で仕入単価が500円前後の商品でも中国等では3~5元(日本円で50円~

100円程度)で仕入れが出来る雑貨も沢山あります。海外から仕入れを実践していく事で問屋業者が

どれくらいの利幅を取っているのか把握できる利点もあるでしょう。いずれにしても海外輸入の場合には

ある程度の量を輸入しなければ赤字になるので大量の量を買い付ける必要があります。輸入が不安な人は

まずは自分の何か欲しいものを幾つか輸入してみて試してみるのも良いかと思います。またebayなど

入手難商品や小口であれば既存のサイトから海外商品を仕入れるのも良いですね。

また最近の仕入れ先で身近な個人間のネットオークション等から仕入れているお店も多いです。個人間取引が

多いため思わぬ割安商品が仕入れできたり海外のアンティーク商品等も仕入れできる場合もありますので

時間の合間に頻繁にオークションサイトを覗くようにしたい所です。ヤフオク・楽オク・メルカリ・lineモール

等が主な所でしょう。特に個人間売買では金額交渉が容易に行える事が可能ですので小ロットな仕入であれば

このようなサイトを利用するのも1つの方法です。その他にも自分でサイトや小店舗を保有している場合には

顧客からの買取りをする方法も考えられます。買い取り価格のバランスは難しい所で高すぎても利益が出ない

ようになりますし低すぎても買取り顧客が集客できない事から価格の調整が難しい部分でもあります。

もし自分に合った仕入先が見つからない場合には雑貨専門誌等を見て取引先を見て決める方法もあります。

またその時にも自分が取り扱う商材をメインで取り上げている雑誌を見れば問屋の情報等もよく記載されて

います。まずは小ロットから取引を重ねていき販売状況によって取引量を増やしたり提携先を増やしていく等、

徐々に規模を拡大していくようにしましょう。

他物販にも言える事ですが商売の肝は売れる商品をいかに原価を安く仕入れる事が出来るかで決まります。

安く仕入れる方法は当たり前の話ですが仕入れる際に中間業者の小売店や問屋を挟まない事です。

その分中間マージンが高くなり仕入原価が上がってしまいます。問屋が海外で仕入れているのであれば

その問屋から仕入れるのではなく自分も海外から仕入れるべきですし展示化等で良い商品があればその場で

制作者と仕入れ交渉する事も出来ます。安易に仕入が出来てしまうという事はそれだけ搾取されている可能性が

あります。仕入先一つにも妥協をしないようにしましょう。

売上と客単価

街には数々の雑貨屋さんが開業をしていますが雑貨屋さんは経営を持続させる事が難しい商売です。

基本的なことですがやはり人間自分の身辺の必要性の高いものからお金を消費していきます。不景気の時は

雑貨までお金が届きづらい傾向があります。個人で経営している雑貨屋さんで客単価1200円程度として

客数20人とすれば良い所でも1日の売り上げは2~3万円程度でしょう。個人店では月の売り上げが90万を

超えれば成功の域と言えるかと思います。仕入先にもよりますが商品原価も3~4割と安価なものとは言えず

人件費や光熱費・広告費やテナント賃料等を含めるとそこまで利益率の高い商売とは言えません。

また集客自体も客層が偏りが強い業態であり集客方法にもより一層の工夫が必要です。例えばよく見かける

雑貨屋+カフェ等はもはや一般的ですが雑貨屋の存在を底上げをする工夫を検討しなければなりません。

百円ショップ等割安のショップが乱立する中で個人の雑貨屋が商売を継続していくのは難しい事ですが

それでも独自のセンスを活かしてお店を経営していきたいという気持ちを持つ事は素晴らしい事だと思います。

ユニークな雑貨屋さんの誕生を今後も楽しみにしたいですね。それでは今日はこの辺で。

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