獣医師・動物病院の独立・開業・稼ぎ方

獣医師・動物病院の独立・開業・稼ぎ方

今回は獣医師の独立・稼ぎ方について書いてみようと思います。

人気職業の1つである獣医師。動物たちを自分の治療によって助けてあげられる事がこの職業の

喜びでもあります。またたくさんの動物たちと触れ合える事も獣医師の仕事の魅力でもあるでしょう。

この獣医師になるためにはまず6年制の獣医学科に進学しなければなりません。そして動物の解剖学、生理学、

免疫学、病理学、細菌学、伝染病学、薬理学、麻酔学、繁殖学などを実習などを含めて学んでいき

6年後に獣医師としての国家試験を受験する事になります。私立と国立の大きな違いとしては一般的には

私立は直接動物と触れ合ったりし診療をする臨床が主なのに対し国立は研究を主にする所。また国公立は

全国でも16校しかなく狭き門です。大学によって研修内容などは特色がありますが特に将来独立を考えている人は

臨床研修が充実した大学に入学するのが良いかと思われます。

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そして合格し農林水産大臣の免許を受ければ晴れて獣医師になる事ができます。倍率も高く長い道のりですが

獣医師になりたいという人は覚悟をもって取り組んでいけるのではないでしょうか。獣医師のニーズはまだまだ

あり今後核家族化や独身世帯等がさらに増えていくと予想される中でペットを飼いたいという人は多くいます。

獣医師は普通の医師と違い絶対数が不足していると考えられておりまだまだ将来の明るい職種と言えるような気がします。

獣医師として独立する事はもちろんできますがどこかの動物病院の勤務医として就職の道も考えられますし

輸入動植物の検査を担当する厚生労働省や農林水産省所属の国家公務員、自治体の家畜保健衛生所、食肉衛生検査所、

動物愛護センターなどで働く地方公務員など公務員として働く道もあります。その他にも保健所や都道府県庁・

動物園や製薬会社・水族館や研究所など様々な勤務形態があるかと思います。獣医師といえば動物病院で

動物たちの診察を行う職業というイメージもありますが検疫所や微生物の付着検査・食品監査など公務員獣医師として

安定して働く道もあります。しかし公務員といってもその職場は様々で動物の診療とはあまり関わりのない仕事が

多く肉体労働なども多いです。また例えば愛護施設などでは動物の処分を担当する事もあり特に動物を愛する人に

とってはストレスが過大になり辞める人もいます。

獣医師としての道のりは公務員として獣医師としてはさほど高くはない給料をもらいながら安定して勤務し続けるのか

独立して動物病院などを経営していくのか大きく分けると2種類に分類されていきます。また独立するにしても

もちろん免許を取得してからすぐに独立というのは無謀でどこかの動物病院等でアルバイト等で勤務しながら

経験・技術を磨いていく事が一般的です。医師であればどこかの勤務医でも年収1000万円超というのは

よくある話ですが勤務獣医師で同じくらいの年収を稼ぐのは難しいでしょう。もともと勤務獣医師という

認識自体が薄く経営者側も勤務医はいつかは独立するための修業期間くらいにしか捉えていないので

一般のサラリーマンくらいの給料しか稼げないのが実態かと思います。ですから勤務獣医師というのは

あまりお薦めできませんしいつかは独立する気持ちで獣医師を続けていくのがベターかと思います。

また一言に独立といっても様々な小動物の診療には緊急性を求められるものも多くその技術や対応力を習得

するには最低でも5年~はかかると言われています。また普通の医師でも同じですが医療機器等の

設備投資が過大になる傾向があるので激務の勤務医を続けながら独立までの貯蓄をするのが困難といった

声も聞かれます。

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また医療機器やテナントだけでなく現在の動物病院ではトリマーやペットホテルを

置く動物病院が多くなっているので施設整備も含めると通常の医師開業よりもコストが過大になる

可能性さえあります。人件費に関しても家族など手伝ってくれる事務員がいればまだ助かる部分が

ありますが独立当初からもう1人獣医師を雇う余力はなかなか無いと思いますので土日や夜間も対応

していかなければならないケースも出てくるでしょう。また当然ながら動物は言葉を喋ることができません。

昨今では動物病院においての訴訟も相次いでおり経営者としてはその訴訟リスクも懸念材料です。

また最近の顧客は一般的な情報であればネット等で情報収集できる為、下手なごまかしは効きづらいという

声も聞かれます。また手術現場を見せない獣医師も多くいますが診察室以外が全く見えないようになっていたり

検査はすべて動物を奥へ持っていく等して検査結果を適切に飼い主に伝えなかったりすると飼い主から

悪いクチコミが波及し顧客減に繋がる恐れもあります。また逆に飼い主側としては獣医師法違法の刑事時効に

関しては3年と定められおり特に動物に関しては器物破損の扱いになってしまうケースもあり獣医の過失を指摘

しづらいという事情もあります。

また獣医師がイマイチ信頼を得られにくい理由のひとつに診療報酬があります。ペットについてはもちろん

健康保険はありませんので独自のペット保険等に加入するしかありません。また動物病院は自由診療なので

診療報酬は病院ごとに決める事ができます。獣医師会などに協定値段という目安となるものはありますが

あまりあてにならず病院によって料金に大幅な差が生じる事も珍しくありません。要するにほぼ獣医師が

自由に料金設定できるといって良いでしょう。もちろん薬剤などはメーカーから基本的な値段が決まって

いるので大きな差はうまれにくいですが手術や予防注射は病院によって雲泥の差が生まれたりします。

また獣医師としてはメンタルの強さも必要とされます。診療中に動物に噛みつかれたりする事は日常であり

またその動物を救えなかった場合には自分を責めてしまう場合もありますし飼い主が目の前で泣き崩れる

事もあります。死後のペットロスの悲しみや苦しみは飼い主特有であり色々な想いを背負って仕事に

携わらなければならない一面も獣医師にはあります。

獣医師について簡単に書いてみました。確かに獣医師は今後も需要はあるかと思いますし食うには

あまり困りにくい職種である事は言えるかと思います。しかし飼い主たちからのプレッシャーというのは

桁外れで日々のメンタルケアも必要になりますし飼い主たちから信頼されるには事前の施術内容説明や

明確な料金体系など獣医師の課題はたくさん残されているように思います。信頼される獣医師となるために

今後も日々考えなければならない課題を多く克服しなければならない使命があるようにも感じますが

いかがでしょうか。それでは今日はこの辺で。

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