不動産鑑定士の独立・開業・稼ぎ方

不動産鑑定士の独立・開業・稼ぎ方

今回は不動産鑑定士の独立・開業・稼ぎ方について書いてみようと思います。 不動産鑑定士は難関資格

の1つです。国家三大資格と昔から言われているように弁護士・公認会計士等 と並び難易度の高い資格

として君臨しています。ですが弁護士や公認会計士と比較すると知名度は 若干劣るかなという感じもします。

不動産鑑定士試験は短答式試験と論文式試験に分かれており短答式試験に合格したものが論文式試験に 望めます。

短答式試験の合格率は25~30%前後の合格率で推移しており論文式試験の合格率は 10%前後で推移

しており年々受験者の平均年齢も上がってきています。

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試験の合格後に実務講習 (講義・基本演習・実地演習)を受け修了考査を修了確認されれば晴れて

不動産鑑定士として 登録を受ける事ができます。不動産鑑定士の受験者は

年々減ってきており資格を取得したとしても 仕事の実入りの少なさが懸念される事や不動産鑑定士試験の今の

難易度自体が既得権益層を守るためだけの ものという見方をする人もおり難易度に見合った収入や仕事が得られない

という見方もあるように思います。 不動産鑑定士の主な仕事はやはり鑑定業務です。ただ不動産会社でよくある

ような売買金額を算出 するようなものとは事なりその不動産のもつ利用価値などを算出して金額に換算した場合の

鑑定等を 行います。その他にも不動産コンサルやデューデリジェンス・個人だけではなく信託や企業不動産の

評価等も行います。勤務場所としては不動産鑑定事務所の他にも不動産会社・コンサル会社・銀行や 会計事務所

など不動産鑑定士により様々です。 鑑定士の業務にもよりますが個人からの依頼というのはあまりなくむしろ

公的機関からの仕事の依頼が 大半になります。都道府県や市区町村からの土地・建物評価や裁判所からの

評価書等の作成依頼・ 銀行からの担保物件評価などがメインになるでしょうか。個人から不動産鑑定の依頼が

くるという事は あまりなくそもそも一般家庭で不動産鑑定が必要なニーズ自体があまりない事や鑑定料も

高額になりがちな 事・ネット等で簡単な土地価額の算出などが容易になった事などが鑑定士のニーズを

下げているようにも 思います。 不動産鑑定士での独立はというとよく予備校のパンフなどに将来的にも

独立に向いた有望資格として 取り上げられておりますが個人的にはそうは思いません。実際に公的機関からの

仕事の受注は 昔からあるような実績のある鑑定士事務所に仕事が振られやすい傾向が強く新規参入の余地は

かなり 少ないでしょう。またもともとの鑑定士の仕事の枠自体が小さいためどこも奪い合いの状態です。

地価調査・固定資産評価・公示価格・路線価、裁判所からの依頼で公共的評価が大半を占めるため、 本来あるべき

一般からの依頼はとても少ないのが実情です。また競争入札制度が導入されてから 更に鑑定士の仕事は減少傾向

にあります。特に地方の場合はその傾向が強く古くから根付いている鑑定士事務所がほぼ仕事を独占している

状態です。 もちろん民間企業や個人相手の仕事であればまだまだ開拓の余地はあるように思いますが 相当な

営業力やマーケティング力が試されるでしょう。今後は国際財務報告基準によって企業の不動産価値を 判定する

仕事が増加していくでしょうし基礎控除枠が減少した個人相手の相続税対策や事業継承・不動産会社とのタイアップ

など今までとは多少違う形態で仕事を取る不動産鑑定士も増えておりますので活躍の場を自ら作っていく事は

可能かと思います。

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またそのためには他士業との提携が必須になり 特に税理士や不動産会社・弁護士など民間・中小企業との

繋がりが強い資格者とのコラボは欠かせなくなって くるでしょう。

その他にも不動産鑑定士として民間から仕事を受注するには今後はデューデリジェンス と

不動産証券化の分野に集約化されていくように思います。特に現在都市部の鑑定士は この業務に追われている

人も多いかと思います。簡単に言えばデューデリジェンスとは収入と支出に関する総合的な予測です

金融機関など不良債権処理に追われている機関は鑑定士のデューデリジェンスの活用ニーズがまだまだ

あるでしょうし個人・法人問わず不動産投資においてもこの範疇は求められています。近隣調査や市場調査・

将来的な物件の動向・正確な利回りの把握・物件の収益力・リフォームやリノベーションの必要性など

特に個人では把握しきれない部分が多々あります。実際には不動産投資家の多くは集客に悩んでおり

儲かっている投資家や大家はほんの一握りです。今までその分野は不動産会社やコンサルの範疇でしたが

今後は鑑定士が正確な評価を行い投資家達の投資効率を高めるという業務に手を伸ばしていく機会が

増えていくように思います。また不動産会社からも鑑定士のデューデリジェンス活用機会は増えてきており

投資家サイドとしても正確な物件評価を不動産会社に求めるケースが多くなってきている事から不動産会社

からの受注は今後増加してくるでしょう。今まで鑑定士が公的機関の仕事を中心に受注していた流れが

少しずつ民間にシフトチェンジしていく傾向は今後増々強まっていくでしょう。また証券化においても

鑑定士の需要が飽和状態とされている地方においても、地方ではまだまだ不良債権処理が十分に進んでいない

状態であり不良債権流動化のニーズも強いと思われます。また首都圏では不動産投資の旨味がすでに

無くなっているとも言われており地方物件の利回りの高さに注目するファンドも多く地域分散等のポートフォリオ

を組んでいるものも多くなってきています。今までは一般的な不動産業者も証券化には敷居が高く感じている

部分も多かったかと思いますが昨今では不動産業者も次々にこの分野に乗り出してきています。 不動産業者が

証券化不動産のカテゴリに乗り出す事でテナント募集や仲介による手数料収入・ファンドの出口での売却に伴う手数料収入

や運用による管理業務の受託など様々なメリットを享受することができます。その分野の過程においては

専門知識を併せ持つ不動産鑑定士のニーズは多く活躍の場がまだまだ残されているように思います。

以上不動産鑑定士について簡単に書いてみました。鑑定士の資格を持っているだけで高所得を得られる

時代というのは既にありません。ですが今までの業務形態を一度払拭し民間など新たなフィールドに仕事の

幅を広げることで今後も鑑定士のニーズは掘り起こせそうな気がしますがいかがでしょうか。

それでは今日はこの辺で。

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