ジュエリーデザイナー・宝石店の独立・開業・稼ぎ方
ジュエリーデザイナー・宝石店の独立・開業・稼ぎ方
今回はジュエリーデザイナーの独立・稼ぎ方について書いてみようと思います。
ジュエリーデザイナーという職業を知らない人も多いかと思います。主には名称の通り宝飾や貴金属を
デザインするデザイナーの事をいいます。また貴金属類に限らずアクセサリーや工芸品やインテリア等を
デザインする人もいます。特にジュエリーデザイナーという資格がある訳でもなく貴金属や宝石をデザイン
する人の総称として使われている事が多いかと思います。
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そのため宝飾デザイナーや宝石デザイナーと呼ばれる事もありますが職業の指す意味としては同じです。
あえて資格を取得するのであればジュエリーコーディネーターやジュエリーデザイン画検定等
が有名な所でしょうか。
ジュエリデザイナーとして活躍するにはまずは美大や専門学校に入学して知識や技術を習得する道が一般的です。
ジュエリーデザイナーが活躍する場所としてはジュエリーショップや宝石メーカー・ブランド店・ホテルなど
多岐に渡ります。指輪やピアス・ネックレス等の宝飾品を予算や顧客の希望・コンセプトに合わせて
設計を行います。ジュエリーデザイナーとして修行するのであれば製図や製作・材料のカット・研磨・販売まで
全行程を一括して学べる職場を選択したほうが良いでしょう。また最近ではPC工程が多いので最低限
CADやイラストレータ・フォトショップ等が使えるようにしておいたほうが良いかと思います。
またジュエリーデザイナーが独立するのは少数で多くは企業内デザイナーが多いです。
理由としてはやはり商材が宝石である以上、一定規模の信用力のある企業でないと顧客獲得が
難しい点や、高額な物を取り扱うためイマイチ個人では受注が取りづらいという一面もあるかと思います。
また受注をしてせっかくデザインしたとしても自分がセンスの良いと思っていても他人(顧客)がそうは思わない
というセンスの違いが顧客の不満を招く事もあり、また事前にデザインを相談しながら設計しても実物に
イメージとの食い違いが生じるケースもあります。デザインを宝飾品に落とし込む難しさも現場でしか
味わえない経験の1つでしょう。
またいわゆる店頭で販売されるジュエリーの設計にあたるデザイナーもいれば個人間の結婚式や
プレゼントのジュエリーの設計にあたるデザイナーもいます。独立を志すのであればどちらかと言えば
後者が顧客対象という事になるでしょうか。しかしジュエリーデザイナーに依頼した場合の料金が高い
という声も多いもので特に報酬形態は主にはデザイン料と加工料がありますが加工料が圧倒的に高い
という声はよく聞かれます。
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余談ですがそもそも宝石の原価というのはダイヤモンドで10~30%・プラチナ等ではそれよりも若干上がる
くらいでほぼダイヤと同じです。特に女性に人気のブランドやマリッジリング等は原価5%程度の
ものも多いです。男性が結婚指輪に30~50万出したとしても指輪にもよりますが実際には2万~5万程度の
原価の指輪がほとんどかと思います。その他のデザイン料や加工料が圧倒的に高いのです。
またその加工やデザインを自社で行っているのか請負でやっているのかによっても料金が大幅に異なります。
また宝石は値引きできる宝石と値引きできない宝石もあります。石の品質を度外視したり海外工場で
大量生産したものはメーカーも在庫として持ちたくないので安売りします。逆にその店のオリジナルブランドは
値崩れを防ぐために値引きをしないで販売するケースが多いかと思います。
またアクセサリー等はECサイト上で購入される事も多いものですが、宝石・ジュエリーに関してはネット上
よりも実店舗で購入したいという客層が多いのも特徴的です。特に顧客は婚約指輪や結婚指輪は購入を検討
する場合でもジュエリー店を数店舗回って下見を繰り返してから購入する傾向があり、また指輪の質感や
付けた時の装着感等はサイト上では確認が難しく、また商品が高額で失敗が許されないからこそ、ジュエリー
店には実店舗経営を外せない理由があります。とは言え今後は特にネットの利便性を無視する事は出来ず、
実店舗販売とネットの利便性の双方を繋ぐ仕組み作りが必要になります。ネットで注文したジュエリーを
数日後に実店舗内で試着できるようにする他にも、逆に店舗内でジュエリー毎にネット上の商品情報を
確認できるようにする等、ジュエリー店経営にも今後は更に顧客の利便性を上げる工夫が求められます。
余談が長くなりましたが自信がついた頃にはデザイナーとして独立を志す人もいるでしょう。ですが独立する
前にもうひと段階やっておきたい事は自分の元勤め先や知り合いの店でも良いので自分がデザインしたジュエリ
ーをショップに卸して置いてもらう事は大切かと思います。ここで実際の売り上げや顧客の反応・自分のセンス
と世間の認識の違いを肌で感じ取る事は独立前には重要な意味を持つようになるでしょう。またジュエリーが
高額だからという訳ではありませんがこの業界はとにかくお金がかかります。専門学校も他の科目と比べて学費が
高い傾向がありますし独立するにしてもオリジナルブランドを波及していくには多額の資金が必要です。
宝石に限った事ではありませんがブランディングにはどのメーカーも資金力という大きな後ろ盾があってこそ
のものです。現実的にはジュエリーデザイナーとして独立するには個人顧客からのデザインのみの受注あたりから
コツコツ始めていったほうが無難ですし小さくても長く経営している間に大きな受注に引っ掛かる可能性も
あります。また継続していくうちにデザインよりも彫金や修理のほうが肌に合っていたという発見もあるかも
しれませんし鑑定業務で収入の糸口を見つけるなんてケースもあるかもしれません。
普段の業務に平行して展示会への出店やコンテスト等に継続して出品し知名度をあげていく必要もあるでしょう。
そして宝石以外の物にも関心を持ちとにかくセンスを磨く事。どのような物が流行しておりどのような
物が売れ流通しているのか、日頃から関心を持つ事がデザイナーの力を高めていくかと思います。
今後の個性豊かなジュエリーデザイナーの誕生に期待したい所ですね。それでは今日はこの辺で。
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