土地家屋調査士の独立・開業・稼ぎ方

土地家屋調査士の独立・開業・稼ぎ方

 

今回は土地家屋調査士の独立・稼ぎ方について書いてみようと思います。

土地家屋調査士は測量や不動産登記の専門家です。顧客から依頼を受けて土地や建物の形状や

所在・利用状況などを調査して図面の作成や登記の申請を行う事を業務としています。

特に不動産の表示に関する登記は土地家屋調査士の独占業務となっており、資格取得後に独立開業

する人も多くいるのが特徴です。

スポンサーリンク

難易度や合格率は依然高いものとなっており、試験は筆記試験と口述試験があります。

昔と比べ合格率は毎年上がっておりますがその分受験者数は年々減っており現在の合格率は

8%前後で推移しています。試験に合格した後に土地家屋調査士名簿に登録し活躍することが

できますが実際には現場での実務経験が必要になるため土地家屋調査士事務所や測量会社等に

勤務しながら補助者として経験を積んでいく人が多いかと思います。

また平成19年より「裁判外紛争解決手続の利用の促進に関する法律」が

施行されてからADR認定土地家屋調査士も制定されました。ADR認定土地家屋調査士であれば

民間紛争解決手続(ADR)の代理関係業務も兼任することができ、土地家屋調査士としての

職域も広がると言われています。

個人開業なら地域周辺から

土地家屋調査士の顧客としては企業や官公庁・個人や測量業者になります。

特に測量業務などは外注する企業も多いため企業からの依頼や住宅を購入した個人からも

不動産業者や建設会社を通して受注する事もあります。しかし実際には公共工事関連の仕事は激減

しており官公庁や企業からの依頼は大手の測量会社が受注することが多いので個人が独立して

開業するとなれば地域密着で開業場所周囲からの受注を確保することが重要になってきます。

また数年前から不動産登記法や土地家屋調査士法が度々改正が行われていることもあり、

測量の仕方も変わり、申請もオンライン化しています為、高齢の資格者はついていくのが難しい

ケースもあるでしょう。また土地家屋調査士のメインは不動産登記に偏っているので

他の士業系資格と違い逃げ道が少ないのも特徴的です。本格的に独立を目指すのであれば司法書士など

表示から権利まで一括してできるようになってから独立するという道もあります。いずれにしても

他会社から仕事を紹介してもらう事が多いので普段から同業者や不動産業者・建設会社・銀行・農協

との繋がりを保っておく事も大切です。中には量は少ないですがJCや商工会議所等から仕事をもらっている

土地家屋調査士もいます。

独立するとすれば事務所は必要になりますが自宅でも構いませんしそれこそプレハブのような場所でも

構いません。どちらにしても仕事場は外になりますので事務所では事務作業が出来れば良い訳です。

スポンサーリンク

開業費用は工夫次第でコストダウンを

土地家屋調査士のサイト等を見ていると資金もかからずに独立開業できるような文面も見かけますが

意外に機材費用はかかります。トータルでも500万くらいは計上しておいたほうが良いでしょう。

車・パソコン・測量ソフト・電話やFAX・自動製図幾・製図用道具・カメラ・三脚・ミラー・ピンポール・

ピンポールスタンド バッテリードリル、エンジン付きドリル 掛矢・ハンマー  光波測距儀など

結構お金がかかります。しかし全てを購入する必要はありませんしリースもあります。また知り合いの同業者が

いる場合には機材を借りてもよいでしょう。また当面の生活費も計上しておかなければならないので

全て自前で機材を揃えるとすればトータルで1000万前後は用意しておきたい所です。

また登記には最低でも1人くらいの補助者が必要な所です。夫婦である場合には大抵はどちらか一方が

補助者として手伝う事も多いもの。また現場作業もそうですが特にこの仕事は提携業者からスピードを

求められる事も多いので補助者を雇う事は必須かと思います。

その開業場所に潜在ニーズはあるか

また土地家屋調査士は既に需要が無いという声はよく聞かれますがこればかりは場所次第というしか

ありません。ニーズの判断材料としては近隣地域の土地家屋調査士の数・売り上げ・他業者の提携会社との

繋がりは参考になりますし近隣の不動産屋で土地取引の状況を調べてみることも大事です。実測面積ならば

土地家屋調査士の仕事があるという事は言えますし公簿売買ならば一からニーズを掘り起こす事は難しい

でしょう。また都市部で独立するか地方で独立するかという選択もありますが独立当初は出来るだけ

都市部で開業したほうが良いように思います。確かに都市部のほうが競合も多いですししがらみも多いです。

また都市部と地方では測量精度と隣地所有者の権利意識が全く違います。坪単価50万の土地と坪5万の

土地では土地家屋調査士に対する報酬単価が全然違いますしそもそも200~300万の土地に測量の依頼を

30~100万もかけてするメリット自体が薄いため、おのずと地方では仕事の幅が縮小されてしまうからです。

以前と比較すると土地家屋調査士の報酬は半分くらいになっていると思います。それくらい

土地も動かないですし資格者自体も飽和状態で価格競争が進んでいます。また土地家屋調査士の

報酬には制限がありましたが小泉内閣によって自由化されました。今後業者同士の値下げ合戦はさらに

激化していきでしょう。他にも提携業者へのリベート等を支払ったり経費を差し引くとサラリーマン以下

の年収になる事もしばしば。どの世界でも同じですがやはり営業力があるかないかが生き残りの鍵になるでしょう。

人間関係が苦手な人や営業力がない人はついつい士業系の仕事に逃げがちですが現在は資格者だからといって

勝手に仕事が舞い込んでくる時代でもありません。営業力を磨いて積極的に土地家屋調査士としての独立を

目指したいものですね。それでは今日はこの辺で。

スポンサーリンク