バーの開業・経営は儲かる?準備や資格・仕入れなど成功のコツを解説
今回はバーの開業・経営について書いてみようと思います。
お酒が好きな人にとってはバーが好きな人というのは多いかと思います。
カウンター越しでスタッフと話しながらゆっくり飲むのが好きという人もいるでしょう。
昔はバーと言えばマスターがカクテルを振りながらお酒を作ってくれるというイメージでしたが、今のバーは多様化しています。
ダイニングバーやショットバー・ビアバーやダンスバー・カラオケバー等、店舗によりその店ならではの特色を出しています。
ですが多くのバーが開業する中、残念ながら撤退をするお店も数多くあります。
今回はそんなバーの開業・経営について触れてみます。
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目次
バーを開業・経営するには?許可・届出は必要?
バーを開業するにはどのような許可・届出が必要になるのでしょうか。
下記に幾つか挙げてみます。
バーの開業のように、食品を取り扱って営業をするには食品営業許可が必要となります。
保健所の検査を受けて施設基準を満たし、営業許可証の交付を受けることで営業を開始できるようになります。
もちろん営業開始後も施設や設備が維持管理できているかどうか常に点検・注意をしておく必要があります。
バーのように食品を扱う営業を行う場合には、施設ごとに1名以上の食品衛生責任者を配置する必要があります。
食品衛生責任者を配置することにより、食中毒等が起きないように衛生上の管理運営を行う為です。
通常であれば1日程度の講習を受けることで取得できます。
尚、栄養士や調理師資格を持つ方は食品衛生責任者は不要です。
午前0時~日の出までの時間に酒類を提供する飲食店では、深夜酒類提供飲食店営業の届出が必要になります。
バーの場合には夕方~朝方近くまで営業する店舗が多く、またお酒をメインに提供するお店が多いので届出が必要です。
営業所を管轄する警察署に対して営業開始の10日前までに届出が必要となります。
接待を伴うサービスを予定している場合には風俗営業許可も必要になります。
隣に座ってお酒を飲んだりダンスやショーを見せる・カラオケを勧めたりダーツを設置したりするといった行為は風営許可が必要になりますし、ガールズバーやボーイズバーのように「接待」をする場合にも許可が必要です。
この辺りは判断が曖昧になる可能性もありますので警察署等にも相談をしながら手続きを進めていきましょう。
火事等を未然に防ぐ管理をする為、不特定多数の人が集まる各種施設などでは防火管理者の選任が義務付けられています。
店舗や建物の収容人員が30人以上の場合には消防署に届け出る必要があります。
前テナントが同じくバーの居抜きであれば、深夜酒類提供や風俗営業許可が下りやすいケースもあります。
バーの開業手続きには幾つかありますが、中には飲食店が風営法違反等で営業停止になってしまったり、テナントとの賃貸借契約を締結してから届出や許可が必要な事が判明するケースもあります。
安心してバーを開業・経営する為にも、最初の許可・手続きはしっかりと行っておきましょう。
バーの開業資金はいくら?
バーの開業資金はどれくらい必要なのでしょうか。
ここではバーの開業資金をシュミレーションとして考えてみたいと思います。
開業資金条件
- 物件取得費:130万円(12坪:賃料13万円×10カ月)
- 内装工事費:360万円(坪30万×12坪)
- 厨房機器:90万円(中古調達。2槽シンク・コンロ・製氷機・アイスストッカー・冷蔵庫・ボトル棚 etc..)
- お酒・食材費:40万円
- 道具・備品:30万円(グラス・食器類・シェーカー・メジャーカップ・スクィーザー・アイスカップ etc..)
- 開業前広告費:20万円(雑誌・フリーペーパー等)
- 開業前人件費:15万円(2名×1週間)
- 雑費:消耗品類:5万円
開業資金項目 | 金額 |
物件取得費 | 1300000円 |
内装工事費 | 3600000円 |
厨房機器 | 900000円 |
お酒・食材 | 400000円 |
道具・備品 | 300000円 |
開業前広告費 | 200000円 |
開業前人件費 | 150000円 |
雑費・消耗品 | 50000円 |
合計 | 6900000円 |
シュミレーション上では、690万円の開業資金が必要という計算になります(シュミレーションであり実際の開業資金とは異なります)。
上記には運転資金を含んでおりませんので、100~150万円程度計上するともう少し資金が必要になります。
小規模なバーの開業であれば、トータルで500~800万円程度の開業資金でOPENしている店舗も多いように思います。
また居抜きや中古設備を利用する事により初期費用もかなり抑える事ができるでしょう。
バーの場合には、居抜きでも前テナントが飲食店等であれば幅広く対応できるのも特徴的です。
バー開業の準備・流れは?
バーを開業する際には、手続きや許可の他にも幾つかの準備をしておく必要があります。
開店までに十分な準備をしておく事によって、効率よくスムーズにOPENする事ができます。
①バーのコンセプト
バーを開業する際には、まずどのようなコンセプトのバーにしたいのかイメージを固める事が大切です。
バーと一言に言ってもショットバーもあればアミューズメント性のあるバー・オーセンティックやスタンディングバーまで種類も様々。
または音楽に凝ったお店や落ち着いて会話が楽しめるお店など、雰囲気にこだわる人もいるかもしれません。
自分なりのバーのコンセプトを考えましょう。
②ターゲティング
自分のバーに来店してくれる客層をイメージしましょう。
若年層が多いのか中高年層がターゲットか、もしくは女性を中心としたお店を作りたいのか等、ターゲット設定も大切です。
もしくは年代を問わず幅広い世代に利用して欲しいといったバーもあるでしょう。
ターゲットを設定する事によって立地や店舗の内装・営業時間なども決めやすくなります。
③競合分析
バーを開業する際には競合分析も欠かせません。
周囲にどのような店舗があるか・競合店となり得る店舗の数や特徴なども把握しておく必要があります。
バーは飲料&軽食がサービス提供の主体になりますが、その意味では競合店はバーだけでなく居酒屋や飲食店さえも競合店に含まれます。
周囲のバーがどのような形態か特徴を意識し、スポーツバーやダーツバーなど独自性を強めるバーもあります。
④バーのテナント選定
バーの場合にはその営業時間が夕方~深夜に及ぶため、立地にも注意が必要です。
例えば夜中に寝静まっている住宅街では適性でない事もありますし、ロードサイドでは運転の必要から向いていない場合もあります。
ビジネス街では土日の集客が難しいとすれば繁華街や歓楽街が中心となってきますが、一等地等では賃料も高く売上とのバランスも考える必要があります。
自店のコンセプトや営業時間・周囲の競合店など、様々な要素を考慮して最適なテナントを選びましょう。
⑤必要な資格・申請
先ほども挙げましたが、バーを開業するにあたり食品営業許可や深夜酒類提供飲食店営業など幾つかの申請・手続きが必要になります。
後に無許可営業を指摘される事のないよう、開業前にきちんと届出をしておきましょう。
⑥内外装工事
テナントが決まったら内外装工事をします。
どの程度の工事を施すかによっても異なりますが、バーでは坪25~50万円程度の内装工事費が必要になるでしょう。
居抜きや中古設備等を利用する事によりコストを抑える事も可能です。
内装業者を選ぶ際には、複数業者から見積もりを取って良い業者を選択します。
また工事においてはキッチンや客席など、スタッフや利用客の使いやすさを考えて動線やレイアウトを設置するようにしましょう。
⑦仕入れ先の選定
バーを開業する際には食材やお酒の仕入れ先も決めておかなければなりません。
酒屋や市場・メーカーや業務用スーパー・氷屋・ネット販売など、様々な仕入れ先があります。
それぞれに特性がありますので、仕入れ価格や状況によって自店に合った仕入れ先を確保しておきましょう。
⑧オープン準備
内装工事が終わればいよいよオープン準備に取り掛かります。
メニュー作りや従業員の雇用・従業員研修・宣伝・集客方法などオープン前には様々な準備があります。
今までの努力が無駄にならないよう、しっかりとオープン準備をしてスムーズに開店したいですね。
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バーの原価率は?
バーを経営する上では食材やお酒の原価も知っておきたい所です。
バーで提供するのは軽食やお酒が中心ですが、特にアルコールについてはその種類によって大幅に原価が異なります。
例えばビールのように原価が高めのものもあれば、テキーラやカクテルなど原価が低く利益を出しやすいお酒もあり、もしくはワインなど銘柄等によって価格差があるものは原価が異なります。
バーは居酒屋と比較される事もありますが、バーと居酒屋では氷も違いますし提供するお酒も違うので正しい比較にはなりません。
そのためバーを始めるからには1ショット (1杯) あたりの原価がいくらなのかという事にも敏感になっておく必要があります。
例えばお酒のボトルは700ml程度のものも多いですが、1杯に使用するお酒がショット30mlとすると1ボトルで約23杯のお酒を作れる事になり、ボトルの価格が2500円であれば2500÷23=約108円(1杯あたりの原価)となる事がわかります。
酒の種類によっても原価は大きく変わりますが、平均で考えるとバーのお酒の原価率は15~25%前後となるでしょう。
食材原価が概ね30%とすると、他飲食と比較してもバーの原価率は比較的低めのようにも思います。
また原価率だけでなく、お酒によって管理方法が簡単かどうか・開封後の提供する期間なども考慮する必要があります。
食材にしてもバーの場合には軽食が中心である事から、仕入れの量によっては食材ロスが出やすい事もあり、また曜日や時間帯などを考慮してバランスよく仕入れを考える事が大切です。
POINTお酒の原価だけに捉われず、食材を含めトータルの原価を意識するようにしましょう。
バーの開業は儲かる?売上は?
バーの開業は儲かるのでしょうか。
ここでは小規模なバーの売上をシュミレーションとして考えてみたいと思います。
売上条件
- 客単価:2700円(900円×3杯=2700円/ チャージ料除く)
- 平日客数:15人
- 週末客数:22人(平日客数×1.5)
- 席数:15(面積10坪)
- 営業時間:18:00~3:00
- 営業日数:26日
- 平日:2700円×15人×18日=729000円
- 週末:2700円×22人×8日=475200円
- 月商:1204200円(729000円+475200円=1204200円)
経費条件
- テナント賃料:110000円
- 人件費:310000円(オーナー他、従業員1・アルバイト1)
- 原価:301050円(売上の25%)
- 水道光熱費:72252円(売上の6%)
- 広告費:60210円(売上の5%)
- 雑費・諸経費:36126円(売上の3%)
売上項目 | 金額 |
平日売上 | 729000円 |
週末売上 | 475200円 |
合計 | 1204200円 |
経費項目 | 金額 |
テナント賃料 | 110000円 |
人件費 | 310000円 |
原価 | 301050円 |
水道光熱費 | 72252円 |
広告費 | 60210円 |
雑費・諸経費 | 36126円 |
合計 | 889638円 |
[売上項目] 1204200円 ー [経費項目] 889638円=314562円
シュミレーション上では、314562円の営業利益が見込める可能性があります(シュミレーションであり実際の収支とは異なります)。
バーでは多くの客数は見込みずらいものの、客単価の高さから12~15人/日程度の客数でも小規模なバーであれば経営自体は成り立ちやすいように思います。
毎時間の必要客数で考えると約2人。その他の要素に大きなズレが無ければ集客は可能でしょう。
また入店時のチャージ料も考慮するとさほどハードルは高くないようにも見えますが、それでも実際に7割以上のバーが10年以内に廃業すると言われています。
繁盛にはお店の強みであったりマスターの個性・独自のメニューやスタッフへの配慮など、細かい部分にも行き届いたサービスが必要と言えそうです。
バーの開業で失敗する理由
バーを開業しても、残念ながら数年で廃業をしてしまう店舗もあります。
バーの開業で失敗する理由としては、どのような点が挙げられるのでしょうか。
先ほども挙げたようにバーの原価率は悪くありません。むしろ良い方のようにも思います。
ですがバーでは居酒屋のように食やお酒が進みにくい事が挙げられます。
バーではしっとりと落ち着いて飲むことが多く、それこそ2~3杯でいつまでも長居をする顧客もいます。
いかに原価が低くとも単価が上がりにくい事が失敗に繋がる可能性もあります。
上記のようにバーでは単価の割には長居をする顧客も多くいます。
もしこれが小規模な店で、10坪15席くらいのバーであればどうでしょうか。
席が空かず入店できない客も出てくる筈です。
回転率の悪さが失敗理由となる可能性も考えられます。
バーの経営者の中には1人で開業している所もありますが、お店の規模や売上によっては人を雇用する必要が出てきます。
ですが人を雇用した場合、バーでは深夜営業が中心となるため従業員の給料には時間外手当を考慮する必要があります。
そのため他飲食と比較しても15~20%程度人件費が高く付く可能性があり、人件費の高さが失敗の引き金になる可能性があります。
バーの人件費が高いもう一つの理由として、顧客と話す時間があります。
バーはお酒を飲むだけではなく、単純に会話を楽しむに来る人も多いです。
居酒屋のように料理を提供すれば完了という訳ではありません。
もしバーテンが会話できずにいたら、客は他の店へ行ってしまうかもしれません。
顧客を楽しませるという意味でも、会話を含めた接客時間が必要になるため、バーは人件費が高く付いてしまいます。
バーの繁盛の秘訣の1つとして、店内の居心地の良さがあります。
特に小規模なお店では、マスター(店主)やバーテンの魅力・キャラクターによって楽しさや居心地の良さが変わってきます。
スナックのママさんでも同様の事が言えますが、やはり人間的魅力に左右される事が大きいのがバー開業です。
その魅力があまりにも欠けている場合には、失敗に繋がる可能性もあるかもしれません。
一般的な飲食店であれば、ピークタイムはランチタイムやディナー時間になります。
ですがバーのピークタイムは21~22時頃。
ピークタイムが遅いため売上が立ちにくく、回転数にも影響が出やすくなります。
バーではイベントを定期的に開催しているお店もあるかと思います。
〇周年記念とかボトル半額・カラオケやゲームイベント・〇曜日は2割引きなど、バーによってイベント内容は様々です。
ですがどのイベントも一時的な集客にしかならず、経費だけがかかってしまう事もあります。
イベントを開催する際にはリピートに繋がる内容を用意したい所です。
バーや深夜営業が主です。
そのため店主や従業員は朝晩の生活が逆転します。
その上でお酒を飲む機会もあるため、尚更疲労が残りやすくなります。
若いうちであればまだしも、中高年になってくると体力的に厳しくなってくる事もあるでしょう。
肉体的な疲労をどのように逃がしていくかもバー経営では大切な事です。
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バー開業時のコンセプトは?
バーは街中にたくさんありますが、繁盛店を見ているとお店の特色作りや店主の親しみやすさが特徴としてあるように思います。
例えばスポーツ中継が楽しめるバーや映画を楽しみながらお酒を飲める店・女性が1人でも飲みやすいお店や昔のレコード音楽が楽しめるお店など、その特色は様々です。
小物ひとつ取ってもディスプレイや照明の使い方・BGM・食器・グラス・イス・テーブルなど、お店の個性が出るものをチョイスしたい所です。
またバーに来店する顧客は、その日の気分や状況によってバーを使い分けている人もいます。
例えば友人と気軽に盛り上がれるバー・デートで利用したい雰囲気の良いバー・ビジネス上の商談使いにも使えるシックなバー・落ち込んだ時でも1人で落ち着いて飲めるバー等、その日の心情や状況によって顧客は行きたいバーを思い浮かながら店舗へ足を運びます。
全ての特色を取り込んだバーは逆に敬遠される事もあり、顧客が「こんな時にこんなバーがあって欲しい」というお店が比較的長く経営を続けているような気もします。
やはり利用客はそのバー独特の空気感や居心地の良さに魅了されて来店するのでしょう。
またコンセプトを決める際に、あらかじめ決めておきたいのがバーの種類です。
ここではバーの種類についても幾つか触れてみます。
オーセンティックとは「本物」等の意味で捉える事が多いかと思います。
いわゆる正当派のバーで、ドラマ等に出てくるような暗がりのカウンター越でバーテンダーがカクテル等のお酒を提供してくれるようなバーです。
ホテル内に併設されているような高級感漂うバーもこの系統に入るでしょう。
お酒も豊富な種類が置いてありサービスにも行き届いているバーが多く、単価もそれなりに高い所が多いのも特徴的です。
ただオーセンティックとは言っても高級感をウリにしたバーばかりではなく、繁華街やビジネス街で個人が経営しているバーもあります。
バーとしての格式が高いので、大人としての振る舞いが大切です。
ダイニングバーはダイニング=食事をするという意味から派生しており、豊富な食事のメニューが用意されている所も多く、若い方々にも人気があります。
中にはバーというよりは居酒屋に近い雰囲気のバーもあり、1人でひっそりと飲むような空間というよりはファミリー層や友人・カップルと来店する事も多いでしょう。
食事もお酒も楽しみたいという方には向いています。
ダイニングバーを開業する場合には、一般のバーよりも厨房面積の割合を広めにしたり、定期的なメニューの考案や食材管理・調理人の確保など、飲食店と同等の条件が求められるケースもあります。
またカウンター席以外にもテーブル席の配置を多くする等、席数の確保からテナントの広さを必要とする事もあります。
ショットとは「ワンショット(30ml程度)」を意味します。
つまりボトルではなく1杯ずつオーダーするスタイルの事です。
オーセンティック系のバーと比較するとリーズナブルなバーも多く、お酒も豊富に用意しながらも安価な価格設定にしたりちょっとした軽食を提供するバーが多くあります。
またレストラン等で食事を済ませた後に少しお酒を飲むといった流れで利用する事も多く、お酒に詳しくないビギナーでも来店しやすいと言えます。
個人店開業にもショットバーは向いていますが既に多くのショットバーが混在している事から、その店ならではのウリが必要とされます。
店内にアミューズメント性を凝らしたバーになります。
例えばビリヤード台が置いてあるプールバーやダーツが楽しめるダーツバー・スポーツ観戦が楽しめるスポーツバー・ポーカーゲームが楽しめるバー等、お酒を飲みながらアミューズメントを楽しめる店内が特徴的です。
どちらかと言えば店内で1人でひっそりと飲むというよりは大勢で会話を楽しんだり賑やかに飲めるようなバーも多く、また隠れ家的な立地よりは繁華街など不特定多数の集客が見込める立地の方が向いていると考えられます。
またビリヤードやダーツの利用料から副収入が見込める事も期待できます。
ですが例えばピリヤードで言えば台だけでも一般的な9フィートの台であればその利用スペースも含めると8坪程度のスペースを確保しないといけないと考えられ、その分十分なテナントの広さが求められます。
その他にもアミューズメントとしてスロットマシンやダーツ等が挙げられますが、ゲーム機等の設置となると風営法の許可を取らなければならないケースもありますし、客席面積の割合を考慮しなければならない事もあります。
最近多くなってきているバーの1つがスタンディングバーになります。
酒を提供する業態は回転率の悪さが挙げられ、それをカバーするものとしてスタンディング形態を採用するバーが多くあります。
やはり立ち飲みである事から長居が出来ず回転率が上がりやすく、また狭いテナントであっても客席数を多く出来る等、営業効率だけを見れば合理的な開業方法とも言えます。
最近では長時間じっくりと飲むというよりは空いた時間でサクっと飲みたいというニーズも増えており、例えば近年では牛丼チェーン店でもお酒の提供を試みたり、ハンバーガーチェーン店がバータイムにワイン飲み放題の提供を始めるようにもなりました。
またメニュー価格を均一にして気軽に飲めるイメージにしたり、注文もセルフ形式やチケット購入制の採用等を取る事で更に回転率を上げる事も可能です。
一方ではスタンディングの居心地の悪さからの客離れを防ぐ工夫も必要ですし、他大手飲食店の飲み放題サービスや低価格化などが進む中での自店ならではの差別化が求められます。
特定のお酒に特化しているのが専門店のバーです。
店内には数多くのお酒が用意されていて、利用客にもお酒好きな多いのが特徴です。
他店では取り扱わないお酒や入手難の銘柄など、純粋にお酒を楽しみたい人に向いています。
ですが店主のこだわりが強いお店も多く、あまりに自分のスタイルを追求し過ぎると顧客が付きにくくなります。
自店ならではのお酒を揃えながら、利用客のニーズもバランスよく取り入れることが大切です。
数年前に流行ったイメージを持つ人もいるかと思いますが、ガールズバーは女性がバーテンダーとしてお酒を作り、カウンター越しに接客する形態のお店です。
キャバクラは接待行為が含まれ風営法が必要なのに対し、ガールズバーは深夜酒類提供飲食店許可の店が多く0時までに限らず深夜遅くまで営業している店舗も多いかと思います。
また開業コストもキャバクラ等と比較すれば安価に済む事も多く、バーというよりは水商売希望者がガールズバーの開業を検討するケースもあるようです。
ガールズバーでコスト増になりやすいのはやはり人件費。
やはり容姿の良い女性や話の上手い若い女性を揃えるとなると一般飲食店よりは人件費が上がり易く、女性の質によって集客が左右されやすい事もこのガールズバーの特徴かと思います。
また未成年雇用や違法な接待行為からガールズバー店が摘発されるケースも少なくありません。
バーとして法律を遵守した健全な経営をしていく事が求められます。
バー開業時の居抜きの注意点
バー開業時には居抜き物件を検討する方も多いかと思います。
バーの居抜きは居酒屋等と比較すると簡易な設備で営業している所も多く、ダクトやグリーストラップ、電気ガス容量等が十分かどうか等を確認しておきます。
またバーは一般的には軽食が中心であり、厨房機器や設備関係も最小限に留まることが多く、設備の譲渡価格も低めと言えます。
そのためコンディションや価格によっては買取りも十分に検討できるでしょう。
ですが業態がバーなので、物件によっては厨房面積が狭いものもあるので注意が必要です。特にダイニングバー等を開業する方は厨房を入念にチェックしておくべきでしょう。
またバーは設備費用は抑えられる事も多いですが、インテリアなどにこだわる店も多く内装工事費は費用がかかりやすくなります。
バーの居抜きではお洒落な雰囲気や個性の強い内装も多いので、自店に合う居抜きを根気強く探す必要があります。
またバーは軽食中心であり臭いや煙の苦情は少な目ですが、深夜営業という事もあり騒音や酔っ払い客などオーナーの理解や周辺住民・テナントの理解も得る必要があります。
併せてバーでは利用客にタバコを吸う人も多いので、換気・排煙設備もよくチェックしておきましょう。
特に地下階のテナント等は窓のない所も多いです。
同じくバーのような深夜営業の業態では用途地域にも注意し、特に住専や住居地区では深夜0時以降の営業は認められません。
バーとして開業可能か立地かどうかを事前によく確かめておく事も必要です。
居抜きは設備等をそのまま引き継げて開業しやすいのが利点ですが、前テナントが撤退しているという事も忘れてはいけません。
居抜きを利用する際にはイメージを一新して開業に臨みましょう。
前テナントの撤退理由やバーのコンセプトなどをよく確認して物件を選びましょう。
バーのお酒の仕入れは?
バーはお酒がメインとなります。
そのため開業時にはお酒や食材の仕入れ先をきちんと確保しておく必要があります。
ここではバーの一般的な仕入れ先について幾つか挙げてみます。
酒屋はバーにとってもメインの仕入れ先とする事が多いです。
メーカーからお酒を直接仕入れる事は少なく、大抵は近場の業務用酒販店を紹介されます。
開業後は酒販店・酒屋とは付き合いが深くなる事もあり、酒の仕入れだけではなく最近多く出荷している酒を教えてくれたり入手難の酒を卸してくれたりと、営業を続けていく上でも味方になってくれる事も多いでしょう。
また他の酒販店では取り扱っていないような酒を揃えていたりする事もあるので、複数の酒販店と取引をする事も考えられますが、業者間のしがらみもありある程度のルールは抑えておきましょう。
酒屋仕入れの場合は単価が高くなりがちなのは難点ですが、キャンペーン情報の提供や勉強会・試食会の参加も促してくれます。
配達してくれる手間などを考えてもメインとなる仕入先と言えるでしょう。
お酒を安価に仕入れやすく、また様々なお酒を仕入れる事ができるのがネット通販の強みです。
特に価格差があるワインやウィスキーやブランデー等はネットで安く仕入れているお店もあるでしょう。
届くまでに多少時間がかかったり、送料が別途発生するのが難点ですが、注文のしやすさもメリットと言えます。
ネット情報を集めれば入手難のお酒を仕入れる事もできるかもしれません。
特に最近ではネット仕入れを主にしていたり、酒屋・酒販店からの仕入れのサブとしてネット通販を活用しているバーも多いのではないかと思います。
食材など、ちょっとした買い物がある時に便利なのが業務用スーパーです。
価格も比較的安く、品揃えも豊富なのが特徴。
自分で買い出しに行き持ち帰らなければならないのは難点ですが、近所にあると便利です。
車を所有している場合には近隣の業務用スーパーを見つけておくと良いでしょう。
バーの酒の仕入先としては店によって様々ですが、個人店のバーとしては近所の酒販店やネット注文・ディスカウントショップ等を使い分けている店舗が多いように思います。
それぞれに特徴があるので、使い分けを考える事が大切です。
例えば時間的に融通が効いたり急な配達を頼む時には酒販店・大量に酒を仕入れる必要がある時はディスカウントストア・安く仕入れたり珍しい酒を仕入れるにはネットショップにする等、その時の状況や仕入れる酒によって仕入れルートを確保しておくのが良いでしょう。
また多くのお酒を仕入れているバーもありますが、利用客にはお酒の知識が全くない人もいます。
その為ビギナーにもメニューにお酒の説明を詳しく説明を記載してあげたり、時には無料でそのカクテルの味を楽しんでもらう等、顧客目線に立ったサービスが必要です。
バーのテナント選びは?
バーのテナントとしては、夜中に多くの人通りがある繁華街や歓楽街がメインの立地として候補に上がりやすくなります。
中でも繁華街近くの二等立地や大型商業施設の近隣テナント・駅から少し離れた空中店や地下店など、ある程度の利便性を保ちつつ、顧客が来店しやすい立地がベターと言えます。
平日客を中心に考えるのであればサラリーマンやOLをターゲットメインとしオフィス街の開業も考えられます。
またターゲット客層も20代~40代の顧客が多い事を考えると、若者も多く居住するエリアを中心にテナントを選択したい所です。
開業テナントに関して言えば広さは10坪程度~から検討でき、必ずしも路面店である必要はなく空中店の二等地でも十分に検討出来るかと思います。
またバーでは必ずしも広めのテナントが良いという訳ではなく、むしろ店主との会話や目の行き届く範囲の空間作りがお店の良さにも繋がります。
賃料に関してはバーの食材原価や人件費を考えるとやはり10~15%前後が一般的。
ですがこれはあくまで数値上の目安に過ぎず、人件費が1~2人で回せる小規模なバーであれば賃料をもう少し高くする事も出来ますし、メニュー食材が安価な珍味程度で酒メインの営業にし原価が下げられるのであれば賃料も変わってきます。
また集客には直接関係はありませんが、深夜酒類飲食店営業許可を取って深夜営業をするとなると、店主や従業員がクローズ時の深夜時間帯に自宅まで帰宅できるかどうかも大切です。
細かい話ですが車がなく毎回タクシーで帰宅すればお金もかかりますし、朝方まで無理に営業するとなると体にも支障が出やすいものです。
またバーには内装を凝った作りにしているお店も多く、最初から坪40~50万円もかけて開業してしまう店舗も多いものですが、あまりにも最初から初期投資をかけ過ぎるのも考え物です。
ある程度根幹となる部分は内装業者に任せたとしても、細かい部分などは自分で内装を施してしまうくらいの気概は必要なように思います。
また自分が内装に関わる事で店に対しての愛着も生まれ、店主の個性が伝わりやすい・親しみやすい店作りにも繋がるでしょう。
またバーは酒を提供する業態である事から、顧客が泥酔し近隣住民に迷惑をかけてしまう事も考えられますし、迷惑行為が多ければ物件オーナーから退去を求められる状況もあるでしょう。
周囲の環境に配慮し防音設備を施したり二重扉の設置・音響と入口との距離を設ける・地下テナントを検討する等、営業を続ける上で常識的な範囲での対策を考えておく事は大切です。
バーの開業・経営まとめ
バーの開業・経営について幾つか挙げてみました。
バーには様々な出会いがあり、顧客同士が仲良くなったり今まで飲んだ事のないお酒と出会う・食した事のない調理メニューがある等、非日常の空間を味わえるのもバーの魅力です。
もしくは落ち着いた空間で好きなお酒をゆっくりと飲めるのもバーの醍醐味と言えます。
私にも1店だけ行きつけのバーがありますが、たまに行くとなんだか気持ちもホッとします。
競合店が多くバーの経営は簡単ではありませんが、他飲食店にはない、個性的な空間が街の中に1つはあっても良いと思います。
今後もどのようなバーが誕生するのか楽しみですね。
それでは今日はこの辺で。
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