パスタ屋の独立・開業・稼ぎ方
パスタ屋の独立・開業・稼ぎ方
今回はパスタ屋の開業・稼ぎ方について書いてみようと思います。
最近ではファミレスから本格生パスタのお店までバラエティ豊富なパスタ屋が出店していますね。
イタリア料理店と一言にいってもトラットリア・オステリア・リストランテ・タベルナ等それぞれで
これらの要素を複合したようなお店まで様々です。
パスタ屋を開業するには他の飲食同様、保健所の許可が必要になります。その店舗形態も食品衛生法や
消防法を意識した店舗でなければなりません。また当然に食品衛生責任者の資格も必要になります。
またパスタ屋を開業するにはやはりパスタ屋で何年か修行をしたほうが良いでしょう。店によって
調理方法は異なりますが調理も学べますしオペレーションや客層・集客が見込める時間帯や必要な器具
・店内の動線など感覚的に掴めます。
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パスタ屋の客層と内装
まずパスタ屋を開業するには店舗が必要になりますが個人で始めるのであれば15坪~20坪くらいが
平均的な所でしょうか。立地によっても異なりますしどのような店舗をイメージしているかによっても
異なります。例えば最近では「俺のイタリ○ン」等では小スペースでスタンド形式にする事で回転率を
高め成功していますし店舗を小規模な隠れ家的な内装にして成功しているパスタ屋もあります。
特にパスタ屋は回転率が悪いので座席数や店内の動線・メニュー構成に注意する必要があります。
お一人様座席を儲けるパスタ屋も多いものですが一般的にはパスタは1人で食する機会というものは少なく
カップルや女性客がメインとなります。そのためカウンター席だけではなくテーブル席を主体として営業する
事も検討する必要があります。その意味ではある程度テナントの広さが要求される事もあり一等立地で
ある必要はなく二等・三等立地での集客をメインとして考える事になるでしょう。また家族経営や少人数制
で経営を行う等、人件費を圧縮する工夫も必要ですし、パスタは固定客が付きにくい業態である分、
客単価をアップさせる仕掛けも必要になります。
またパスタ屋であれば女性客を逃す事はできません。開業する立地の周囲にも病院や歯科・オフィスや
介護事業者など女性客が取り込めそうな施設が多い地域を選択するのも一考かと思います。
昼時だけでも2~3回転はさせたい所ですがことパスタにおいては回転率だけにこだわりすぎると
店内の居心地の悪さを引き起こし逆に客離れを引き起こす可能性もあるので配慮が必要です。
また最初からあまりにメニュー数を増やしすぎるとオペレーションが煩雑化しかえって顧客への料理の
提供時間も遅くなり顧客満足の低下や人件費の増加に繋がります。
また他の飲食店以上にパスタ屋は内装に凝っているお店が多いのも特徴的です。パスタやイタリアンを
食べに来ている客層は料理だけではなくその店の内装や雰囲気を楽しみに来ているという事は言えるでしょう。
イタリアンは特に料理だけではなく内装で他店との差別化が出来る点も利点ではないでしょうか。
内装例でいえば居抜きでも無ければ坪40~50万かけても良いかと思いますので20坪の店舗で
800~1000万円程度の予算は確保しておく必要があるように思います。また立地や開業準備費用に
よっては候補地周辺に居抜き店舗があれば検討も必要ですし厨房設備も良品であれば中古や新古品を
考えコストを抑える等、開業費用を抑える工夫も必要になってきます。ボイリングマシンやパスタマシン
等の厨房機器が400万円前後・広告費や物件取得費を考えても1500~2000万円程度の
開業資金が必要になってくるでしょう。
麺とメニュー構成
パスタ屋の開業であればまずは麺の仕入れから始める事になりますが通常は業務用の麺を業者から仕入れる
事が通常でしょう。また業者によって卸価格も違いますし生パスタか乾麺かによっても大きく異なります。
生パスタの仕入れ値は乾麺の倍程度~それ以上と考えておいた方が良いでしょう。生パスタ1つ取っても
フィットチーネやスパゲティもあり調理時間に関しても生パスタは2~3分で茹で上がるのに対し乾麺は
7~8分かかります。店舗によっては来客前から麺を茹でておくパスタ屋もありますがやはり食感や
シコシコ感を出すには注文があってから茹でるのが普通です。ゆで上げを提供するか前もって茹でて
おくかという点についてはお店のコンセプトにも関係してきます。例えばボリュームや満腹感を重視する
庶民的なパスタ屋であれば前もってゆでておく事も検討出来ますが、味を重視するパスタ屋であれば
注文を受けてからの調理が普通です。
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また麺によって保存期間や賞味期限も異なりますし使用するソースとの相性や食感・調理方法が異なりますので
自分の提供するパスタに合った麺を選択する必要があります。また大抵の業者は麺のサンプル品を提供して
いますので幾つか試してみて自店に合ったものを選んでいくのも良いと思います。
またパスタと一言にいっても店によって提供するパスタは様々です。高級志向のパスタやシチリア料理風・
和風パスタやボリューム重視のパスタ屋などそれぞれに特性がありますから他店との差別化を意識した
メニューを意識する必要があります。特に立地を郊外や住宅街など二等・三等立地に構えた場合には
自店のカラーを強く打ち出していく必要があるでしょう。商品構成においてもパスタは定番商品と季節商品・
看板商品と創作オリジナルの4本柱をバランス良く構成しなければなりません。中でも売り上げを大きく
左右するのがトマトソースの味です。トマトの旨み成分を主体とするのか、酸味なのか甘味なのか、
爽やかさなのかな等、ソースを中心として考えそこから他のソースや他メニューの構成も考えていくと
全体的にも自然なメニュー構成になるでしょう。
パスタ屋の売上げ・原価
パスタの原価はかなり低めになっています。
通常の飲食の原価率は25~35%程度が多いかと思いますがパスタに関しては10%台で提供できるものも
あります。乾麺の原価は1人前30円~40程度で生パスタの原価は100円程となり大きな価格差が生まれます。
また例えばシンプルなペペロンチーノであれば原価はおよそ80円程でナポリタンで言えば130円前後・
カルボナーラであれば180~200円前後といった所でしょう。種類にもよりますが原価率は他飲食と比較
しても低めな事が分かります。パスタ屋は原価率が低い事が利点ではありますが一方で人件費率は他の飲食と
同等かそれ以上と見込んでおいた方が良いでしょう。店舗のオペレーションによっては人件費率も30%~
40%と考慮しておく必要もあるかと思います。回転が悪い分客単価を上げる為に原価の低いドリンクや
ワイン・サイドメニュー等を充実させたりランチの回転数を上げるオペレーション上の工夫も必要になります。
例えば15坪程度の店舗で客数20席・客単価が1200円で客数が平日・土日平均で70人とすると
日商は84000円程度で月商ベースで210万円。賃料が20万円程度・人件費が35%で73万5千円・
原材料費が20%とすると42万円・水道光熱費等が5%・諸経費3%・内装・設備等の償却が
10年程度の回収で月7万程度とすると2100000-200000-735000-420000-
105000-63000-100000ー477000円の営業利益が見込める事になります。
しかし自己資金のみで開業できる人は少ないでしょうから物件の取得費や工事費などで当初借入がある
場合は更に利益は減ります。特にパスタ屋は人件費率をどのように圧縮していくかが経営の大きなカギと
なりそうです。
最近では大手イタリアン等が人気を博していますが当然に大量仕入れが基本なのでその分原価はかなり
低くなります。個人店が真似事をしたのでは価格競争に巻き込まれるだけでありその分自店の味を確立
していく必要があります。今後も個性的な美味しいパスタ屋が開店するのが楽しみですね。
それでは今日はこの辺で。
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