経営コンサルタントで独立・開業するには?資格や年収・リスクも解説

今回は経営コンサルタントの独立・開業について挙げてみたいと思います。

経営コンサルタントは会社の社長・企業等から依頼を受けて経営上の問題を解決に導く専門家です。

特に開業時には経営コンサルのお世話になったという人もいるかと思います。

また経営コンサルタントは在庫を抱える事もなく低資本で開業でき、固定費もあまりかからない事からビジネスモデルとしては稼ぎやすい業態とも言えます。

ただし競合者が多いだけに、高収入を築く人もいればサラリーマン以下の年収しか築けないコンサルも沢山います。

今回はそんな経営コンサルタントの独立開業について触れてみます。

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経営コンサルタントになるには

経営コンサルタントの仕事は、データ分析や経営指導・財務分析など多岐にわたります。

開業すると言っても自宅で十分開業できますし、必要なものは電話・PC・名刺くらいのものです。

経営コンサルタントとは言っても、コンサルとして仕事をするのに特別な資格が必要な訳ではありません。

 

コンサルタントを分けると以下のような種類があります。

  • コンサルティングファーム:コンサルティングに特化した企業
  • 総合コンサルタント:あらゆる産業の企業に対して幅広いサービスを提供する
  • 専門コンサルタント:専門分野を明確にしており、特定の分野の顧客層が多い
  • システムコンサルタント:クライアントのITシステムやネットワークを調査

上記のように経営コンサルタントと言っても様々で、コンサルティングファームのような企業に属してコンサルを行う人もいますし、個人事業主のように個別の分野に特化してコンサルをする人・弁護士や税理士といった士業の兼業としてコンサルを行う人など、色々です。

 

極端な話、名刺に経営コンサルタントと記されていればその日からなる事ができます。

ですが参入障壁が低いだけにその中で成功する人は僅か。コンサルとして年収1000万円を築く人はほんの一部の人間です。

まずはクライアントとの信頼構築を始め、担当する業務に専門知識を持ち、高度な分析力やプレゼン能力・問題解決力が求められます。

 

最初から経営コンサルタントとして独立をする人もいますが、まずは企業に入社をして経験を積む人も多く、ある程度の実績を付けてから独立開業に踏み切るといった流れが一般的です。

また独立後においても競合も多いことから、一定の業種・分野に強みを持つなど、信頼を得られるコンサルタントを目指していく必要があります。

 

コンサルタントの開業に資格は必要?

先ほども挙げたように、コンサルタントを始めるには資格は必要ありません。

無資格者でも自由に経営コンサルタントになる事ができます。

もちろん認定経営コンサルタントという資格もありますし、中小企業診断士MBAの資格を持っていれば信頼度が高まる事もありますが、それだけで稼ぐ事はできません。

むしろ人脈やコミュニケーション能力が問われる仕事であり、資格や知識だけでは到底コンサルとして食べていくのは難しいでしょう。

 

経営者からすれば資格の有無よりも、コンサルタントとしての過去の実績を信頼します。

なぜ過去の実績が大切なのかと言えば、経験豊富なコンサルタントは今までに様々な企業で類似案件やトラブルを見てきているからです。

過去事例を多く体験しているだけに、企業の問題点をより客観的な視点で解決できるという信頼感を持たれやすくなります。

必要なのは資格ではなく、経験で培われた「コンサルティング能力+集客力」のみです。

 

またコンサルタントに資格が必要と考える人は、恐らくコンサルという仕事のイメージが固まってしまっているように思います。

もっと自由な発想で良いのです。

例えば以前パスタ店で調理師をしていて、パスタが好きで自分なりに研究を重ね自分でもお店を開業をし、そのうちに他店のパスタ店の開業をお手伝いをするようになったといったケースであっても、それは立派なコンサル業務と言っても良いと思います。

資格や枠に捉われず自由な発想でコンサルタントの仕事を考えてみましょう。

 

経営コンサルタント向けの学部は?

経営コンサルタント向けの学部は何でしょうか。

資格と同様に、もちろん○○学部出身でなければ経営コンサルタントになれないといった決まりはありません。

学部が関係ない事はもちろん、大卒出身者でなければいけないという特別なルールもありません。

 

ですが一般的に言えばコンサルタントは、経済学部・商学部・法学部出身の人間が多いかと思います。

特にコンサルティングファームやシンクタンクでは高学歴な人が多いのが特徴的であり、中には学歴や学部が採用の可否に影響する事も多々あるようです。

また外資系コンサルにおいては語学力を求められる事もあります。

 

ですが独立後は学歴や学部だけでなく、個人としての高いスキルや実績が求められ、特に自分の”強み“を持ったコンサルが必要とされます。

また成果主義の中で実力を発揮していく力や、厳しい仕事にも負けない精神的なタフさも大切です。

 

経営コンサルタントの独立時の年収は?

経営コンサルタントの独立時の年収はどれくらいになるのでしょうか。

実際には、独立開業時は500万円の年収にも届かないコンサルも多いかと思います。

 

コンサルティング会社に勤務する人の年収は500~700万円程度が一般的ですが、独立をすると人によって大きく年収に差が付きます。

よく「経営コンサルタントとして年収1000万」といったフレーズを見かける事もありますが、独立時初年度からそのような年収を築ける人は僅かです。

ましてコンサル経験がない人が独立をした場合、コンサルだけでなく集客方法やアプローチ方法まで分からない手探りの状態では、開業から数年間は大きな年収は期待できないでしょう。

 

独立後の報酬の多くは、クライアントからのコンサルティング料となります。

このコンサルティング料金には上限も規制もありませんので、軌道に乗ればサラリーマンの平均年収の2~3倍稼ぐことも可能です。

 

経営コンサルタントとして独立開業した際、最初につまづきやすいのは「集客方法」です。

今までのコンサルティング会社にいた頃のインフラは独立時にはありません。

またコンサルの集客が難しいと言われる理由として、やはりその報酬単価の高さ料金の不透明性が挙げられます。

一般的なコンサルの料金体系としては月に数時間のコンサルで10~20万円の相談料を受け取る事も普通です。

会社の規模やコンサル期間によっては数百万~数千万のお金が動く事もあるでしょう。

ですが通常の中小企業の経営者であれば数時間のコンサルで20万円取られるのであれば、自社に人を1人雇いたいと考えるのが常識的な所です。

 

またコンサルティングによってその企業業績に改善が表れたとしても、その数字がコンサルの貢献によるものなのか他の要素によるものなのかは数値化するのも難しいものです。

しかしだからと言って安易な料金値下げに応じたのであれば、尚更コンサルとしての腕に疑問を持たれてしまいます。

独立開業時など業績が整うまでは高額な料金は請求せず初期投資と考えて、実直にクライアント企業の業績改善を目指し貢献度を上げていきましょう。

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コンサルタントとして独立するリスクとは

コンサルタントとして独立をした場合、どのようなリスクやデメリットが考えられるでしょうか。

コンサルタントの独立時のリスクについて挙げてみます。

 

収入が保障されない

当たり前の話ではありますが、コンサルタントとして独立をすると会社員時代のような収入の保障はありません。

収入だけでなく保険や福利厚生等も全て自分で賄っていく必要があります。

 

コネクションがない

経営コンサルタントの仕事は、自分で新規開拓していく以外にも、同業者やオーナーから紹介を受けて成約に繋がるケースもあります。

ですが過去の実績が少ない場合、コネクションがないため集客手段が限定されてしまう可能性があります。

独立時は交流会に参加する等して、人脈作りを進めていく必要もあります。

 

学習コストがかかる

コンサルタントとして活躍していく為には、経験だけでなく知識・情報も必要です。

特に専門分野のコンサルティングにおいては、より高度な知識やスキルが求められます。

独立後は自分で学習をしたり資格を取得する等、学習コストがかかる場合もあります。

 

センス・地頭

コンサルティングをするには元々のセンスの良さや地頭が必要です。

独立開業をすると、会社員時代とは異なり全てを自分で実行していく事になるため、自分の事業センス等が顕著に表れます。

個人事業であっても独立をするという事は収入も自分の実力次第であり、会社員時代とは全く異なります。

その為コンサルティングファームにいた頃は稼げたものの、独立をした途端に収入が落ちる可能性はあります。

 

アドバイザーとの違い

今までコンサルティング会社に勤めていてクライアントの相談に応じていても、それはアドバイザーとしての役割に過ぎません。

ですがコンサルタントとして独立開業をすると、自分のビジネスに対しても客観的な視点で判断をしていく事になります。

独立をすると事業者としての立場とアドバイザーとしての立場の違いに気付かされる事もあり、開業後は自分の事業に自信を喪失しまう可能性もあります。

 

経営コンサルタントは信用されにくい?

コンサルを必要としている企業は大手から中小まで多数ありますが、大手の企業はコンサル会社中心であり個人のコンサルは相手にされにくい部分もあるかと思います。

そのため個人で開業するのであれば中小企業から攻めていくのがベターでしょう。

特に中小企業の事業主等は個人の経験測から経営判断をしがちなので、現場の実態と理論的な数値を用いて助言していくことが重要になります。

 

経営コンサルタントというと人によって受け取るイメージは様々であり、中小企業の社長さん等はコンサルの事を”胡散臭い”というイメージを持っている人も多いようです。

中には必要以上にクライアントに経営不振による恐怖感を植え付けた上で、プロジェクトを実行させようとする悪質なコンサルもいるでしょう。

コンサルの商売は相談業務という無形の商売ですから、クライアントの確保には苦労する事が多いものです。

逆に中小企業の社長さん達は横の繋がりが強く、信頼や知名度が高まれば他クライアントを紹介してもらえるケースもあります。

信頼・評判による波及が大きい商売ですので、1つの企業との業務をしっかりとこなす事によって徐々に知名度も上がってくるビジネスではあります。

 

またその他にも交流会への出席やセミナー開催・雑誌等の執筆など自分を売り込んでいき、まずは自分の存在を知ってもらうという姿勢が大切です。

情報発信の方法は多少やみくもでも構いませんので、とにかく自分から多くの情報発信をすることです。

メルマガ・ブログ・SNS・講演会の開催・無料相談会など、少しでも場があるのであれば手を伸ばしてみるべきかと思います。

そうしてその購読者や視聴者の中から少しずつ受注を拾っていく地道な作業が必要になります。

POINT小さな案件でも丁寧に仕事をこなし信頼を積み重ねる事が次の受注に繋がります。

クライアント折衝時には相手の求める事の見極めも大切です。

 

コンサルタントは専門性が大事

また稼げないコンサルの特徴の1つとして、専門性が無いという事が挙げられます。

コンサルは顧客からしてみれば「何をしてくれるのかわからない」というイメージを持っている人が多く、どの分野に特化した人なのかわからない人に顧問料を支払ってまでアドバイスを求める事はありません。

金融に強いのかITコンサルなのか製造業専門なのか、専門性をクライアントにPRする事はコンサルにとって重要な事です。

 

また経営コンサルタントは自分自身が商品です。

自分がその専門分野についてクライアントよりも知識面でも長けていないといけません。

自分のビジネスプランをクライアントに実行させ、その検証を継続していく事で信頼を高めていきます。

独立時は小さな仕事でも着実にこなし、信頼を得ていく事で次の仕事にも繋がっていきます。

 

ですが企業の営業マンとは違い、コンサルタントは自分を積極的に売り込む事はできません。

それはコンサルタントはあくまで経営者の先生という位置づけの職業であり、自分から頭を下げて売り込みにきたコンサルを経営者は信用しないからです。

自分が暇なコンサルだと主張しているようなものです。

そのため日常的な業務や金銭管理などの雑務は営業スタッフを使い、自分の評価が下がる仕事に手を出さない人もいます。

 

またその経営者がなぜ自分に依頼してきたのか、今一度考える事も大切です。

クライアントが依頼をしてきたからには、そこに悩みや目的が存在します。

コンサルタントはそれを十分に理解し、その企業の背景や問題点を正確に把握して、業績改善に努めていきます。

自分の売り込みさえもまともに出来ないコンサルに、クライアントが安心して依頼できるとは思えません。

その企業にとってコンサルタントとして存在する意味は何なのか・それを明確にした上で相談業務にあたっていきましょう。

 

経営コンサルタントの独立開業まとめ

簡単に経営コンサルタントの独立開業について挙げてみました。

コンサルとしての独立時には、月並みですがコツコツと小さな案件から実績を積み重ねながら顧客開拓をしていくしかありません。

売れているコンサルとそうでないコンサルに大きな差があるのは、コミュ力以外にもその企業の実績に目に見えて貢献できている裏付けがあってこそと思います。

いつしか現場に出れない程の忙しい経営コンサルになりたいものですね。

それでは今日はこの辺で。

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