古本屋の独立・開業・稼ぎ方
古本屋の独立・開業・稼ぎ方
今回は古本屋の開業・稼ぎ方について書いてみようと思います。
今では古本屋も少なくなってきました。以前では街角でよく見かけたものですがネットの普及や
活字離れが多く古本屋の経営自体が難しくなってきたと言えるでしょう。以前の古本屋と現在での古本屋
ではその利用要素が変わってきているように思います。以前は古本は研究者や専門家などの利用書物といった
イメージでしたが最近の古本屋はリサイクル要素が強いように思います。今後の開業にはやはり後者の
展開に合わせた開業が必要になってくるでしょう。
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古本屋の開業に必要な免許等は特にありません。強いていえば古物商許可程度でしょう。警察署へ
行って届出をすれば取得ができるものなので特に高いハードルではありません。
本を大きく2つに分ければ新書と古書に分ける事が出来ます。新書を取扱う一般的な書店でも最近は
本の販売が伸び悩み苦戦を強いられていますが返品が可能な委託販売や再販価格維持制度があるため
古本屋と比較すればまだ経営は成り立つ可能性が高いと言えるでしょう。
古本屋の場合にはそういった再販制度がなく自分で仕入れ在庫を抱えた場合にはその分がロスになります。
その意味では目利きが肝心で仕入れ本によって売り上げが大きく左右されます。
最近では古本屋でもネット店舗が主流で特に店舗を持たせる意味自体も薄くなっています。
また古本屋を2つに分けると専門書を中心に扱う古本屋と売れ筋の本等の一般書を中心に販売する古本屋に分かれます。
一般書であれば売れ筋本を出来るだけ多くの本を仕入れ仕入れや買取を強化すればよく専門的な知識は
あまり必要ではありませんが、専門書の場合には古本鑑定の目利きが特に重要になってきます。
また顧客からの買取にしても古物市場から仕入れるとしてもその買い値には大きな差があります。
古物市場で販売に回せば大まかにいくらくらいで売れるか想定は付くものですが、一方で一般市場で販売に
出す場合にはその時々の需給によって価格が変動する為、いくらの売り上げを確保できるのかプロでも
見極めが困難です。その点も考慮しての仕入れが必要になるでしょう。
古本の仕入れに関しては買取や持ち込み・出張・ネットでの調達による他、古物市場等で仕入れる事が
メインルートになってきます。特に組合会員になっておけば仕入れだけではなく在庫分の販売も他店に
依頼する事ができるので自分の取り扱い本に見合ったルートを開拓していく必要があります。
今後の古本屋はネット店舗が主流ですがあえて店舗を構えるのであればやはり立地が重要になります。
古本屋の場合は駅前や繁華街など一等地に店舗を構える必要はなくリサイクル要素も強いので特定の地域に
こだわる必要はないでしょう。ロードサイドや住宅街でも十分立地候補に挙がります。特に子供や主婦・
学生や若者などが通いやすい立地に店舗を構える必要はあります。
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1坪あたりセッティングを上手くすれば1000~1300冊程度の本を置く事ができます。
2万冊程度の本を置く予定であれば20坪以上は必要になります。
あまりに坪数が少ないテナントを狙ったとしても逆に品揃えに難が出てしまいます。
古本屋は薄利であり固定費削減のため、小さな店舗を構える格好になる事も多いのですがどの分野の本を
どれくらい販売すればどのくらいの利益が残るのか、販売スペースを考慮してテナントを選択しなければなりません。
多くの古本屋は単行本や文庫本・DVD・CD・雑誌・コミック等、複合的な商品展開が普通ですが
今後は大手の独占が更に強まり個人店では増々差別化・専門化のカラーを濃くしていく必要があるように
思います。どの専門書に特化するのか・得意分野は何か、明確に顧客にPRする必要があります。
例えばコミック漫画全巻揃い専門店や70~80年代のアイドル雑誌専門店など、その店に行けば希望の商品は
ほぼ全て揃うといったような他店との大胆な差別化も必要でしょう。全国展開する大手に品揃えで勝負するには分が悪く
販売動向を研究しどのカテゴリに絞るかは大切です。
また基本的にはフランチャイズをお薦めしておりませんがこと古本屋に限ってはFCを検討しても良いかと
思います。1つには古本は安定供給が非常に難しく供給ルートを個人で確保する事が困難だからです。
また古本屋や本屋の加盟金やロイヤリティも5%~と比較的低めのFCが存在する為、加盟店にメリット
があるFCであれば検討することも良いかと思います。
古本屋を経営するとして客単価を1500円程度とし25日営業としても客数が60人/日を見込めれば
月の売り上げは200万円程度は見込める事になります。古本屋の粗利益率は20~25%程度とすると
純利益は40~50万円が良いところ。しかし実際にはこの売り上げを達成している古本屋は一部と言って
良いでしょう。そこから仕入れ費やテナント家賃・人件費等を考えれば手元に残る金額は知れたものです。
ネット店舗にすることや家族経営にする事・本の需給を見極める目利き等、コスト管理も細めにしていかなければ
なりません。また古本屋には致命的になる万引き対策や他店のせどり本等から派生する買取も十分注視する
姿勢が求められます。
古本屋開業について簡単に書いてみました。現在ではネット普及により現物の古書や古本を取扱う
実店舗も少なくなってきました。それだけに古本屋の存続は望まれる所ですが成長を持続する本屋と
そうでない本屋の二極化は今後も増々進むばかりです。それだけにコンセプトや店舗自体の専門化・
書籍や雑誌に関連する商品を取り扱う複合化や他業種とのコラボなど、オリジナルを持たせた店舗展開が
必要になってくるかと思いますがいかがでしょうか。それでは今日はこの辺で。
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