コインランドリーの開業は儲かる?売上や経費から成功のコツを解説

今回はコインランドリーについて挙げてみたいと思います。

コインランドリーはセルフサービスの洗濯機や乾燥機が置いてある店舗です。

学生や買い物帰りの人・洗濯機がない人・大型洗濯機を利用したい人など多くの人がコインランドリーを利用しています。

コインランドリーと言うと昔は独身者が利用するイメージもありましたが、現在では主婦層の利用も多くなっています。

洗濯機も低価格化が進み、今では洗濯機がない家庭も珍しくなりましたが、それでもコインランドリーの利用者はまだまだ多く見かけます。

不動産投資や駐車場経営が一服する中で、改めてこのコインランドリーの開業に注目している人も多いのではないでしょうか。

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コインランドリーの開業の届け出は?

コインランドリーを開業するには、出店地域の保健所に届け出が必要になります。

コインランドリーは「コインオペレーションクリーニング営業施設」という名称であり、不特定多数の利用者が洗濯機を共同で利用するため、衛生的な管理が必要になるため届出制となっています。

主には図面による事前チェックから、開設届受理・施設検査等が行われます。

検査が終わり、保健所から「検査済証」が交付されれば、営業を開始することができます。

詳細は自治体によって多少異なる可能性もありますので、開業前に確認をしておきましょう。

 

コインランドリー開業に資格は必要?

コインランドリーの開業に資格は必要なのでしょうか。

開業にあたり、資格は特別に必要ありません。

ですが上記で挙げたように、開業前には保健所に対し開設届け出をする必要があり、その届けの中には「衛生管理責任者」を書く欄もありますが、オーナーの個人名を記入するようになります。

しっかりと検査を済ませてからコインランドリーを開業するようにしましょう。

 

コインランドリー開業に適した立地とは?

コインランドリー開業に適している立地はどのような場所でしょうか。

まずコインランドリーの集客が見込みやすい立地としては、視認性の高い1階店舗で、駅や商店街の近くなど、人通りが多く利用者が集まりやすい立地が適正立地として挙げられます。

また主婦層が多いスーパーの近隣や、銭湯などの近くもコインランドリーの立地に適していると言われますし、会社帰りに利用しやすい駅チカもコインランドリー開設に向いています。

 

もしくは利用時間のかかりやすい店舗の近くにコインランドリーを開設する事も検討できます。

例えば家族連れで遊ぶ商業施設の近隣や、施術に1~2時間かかる美容院の近く・また半径1~2㎞に競合店舗がなければ主婦層が多い住宅街も検討できるでしょう。

 

また立地を選ぶ際には、「駐車場」があるかどうかもポイントになります。

コインランドリーの利用者は車で来る利用客が多く、特に雨の日などは尚更です。

駐車しやすい広めの駐車場が付いており、コインランドリーとの距離が近い所が良いでしょう。

大量の洗濯物を抱えてやってくる利用者の心理からすれば、ストレスが少なく利用しやすい店舗を選ぶ筈です。

 

またエリアを選択する際には、都心か郊外かという選択肢もありますが、今後は郊外も十分検討できるように思います。

都心では既に多くのコインランドリーがありますし、また広めのテナントが必要になるコインランドリー事業では、その店舗賃料も大きな負担となります。

一方で地方郊外であれば競合者も少なく、賃料の安いテナントもあります。

また地方ではその交通から自動車保有率が高いため、駐車場が広めのテナントであればより適していると言えるでしょう。

 

コインランドリー経営のデメリットとは

良い事ばかりのように見えるコインランドリー経営ですが、実際にはデメリットもあります。

ここではコインランドリーのデメリットを幾つか挙げてみます。

 

多額の設備投資

まずコインランドリーを開業する場合、多額の設備投資が必要になります。

規模や台数にもよりますが、通常であれば1500~2000万円の投資が必要です。

軌道に乗って長期間の運営が見込めれば良いものの、途中で撤退した場合には多額の借金が残る可能性もあります。

 

競合他社

コインランドリー事業は高い粗利率を誇り、立地を間違わなければ魅力的なビジネスとなる可能性があります。

ですがその一方で年々と競合店舗が増えている事も確かでしょう。

現在ではコンビニや弁当屋でさえコインランドリー運営に乗り出してきています。

今後も競合が増えていくとすれば、収益が圧迫されていく事も予想されます。

 

無人トラブル

コインランドリー事業は基本的には無人店舗です。

防犯カメラの設置や保険である程度カバーできるものの、機械にいたずらをされたり両替機を壊されるといったトラブルも考えられます。

コインランドリーと言うと投資のイメージが強いものですが、経営・運営といった視点も併せ持つことが大切です。

 

好立地の確保

以前と比較すると、コインランドリー事業に向いた好立地が少しずつ少なくなってきているという声もあります。

特に都心ではその傾向が強いと言えるでしょう。

コインランドリー運営の成功には好立地が不可欠なため、その立地が確保できないと売上にも大きく影響します。

 

差別化が難しい

コインランドリーは店舗によって大きな差は生じません。

そのため周辺エリアに競合店舗があったとしても、その差別化を図ることが難しいとされています。

 

盗難

コインランドリーは無人である故、現金の盗難リスクも考慮する必要があります。

洗濯機や両替機が破壊されるケースは少ないものの、定期的に警備会社に依頼する等してセキュリティ面も検討する必要があります。

 

電気代が高い

一般店舗であれば水道光熱費というのは知れた金額ですが、コインランドリーの場合には水道光熱費が高く付きます。

洗濯やすすぎでも水道代がかかりますし、24時間営業なだけにエアコンや蛍光灯の電気代も意外に高く付きます。

規模にもよりますが水道光熱費だけで15~20万円は計上しておいた方が良いでしょう。

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コインランドリー経営の採算は?

コインランドリー経営をして採算は取れるのでしょうか。

ここではコインランドリー経営の収支を簡単にシュミレーションしてみたいと思います。

 

 初期投資額

  • 店舗:15坪(賃料13万円)
  • 設備機器:1500万円(乾燥機10台/洗濯機7台/洗剤販売機/両替機)(7年リースで月々の支払いが21万円と仮定)
  • 内装工事:550万円(内装・電気・給排水工事)
  • 物件取得費:150万円(保証金・仲介手数料等)

  初期投資額合計:2250万円

 

 1か月の売上想定

  • 自動洗濯機の利用金額:400円
  • 乾燥機の利用金額:200~300円(8分100円)
  • 客単価:600円
  • 客数:30人
  • 月商:540000円(600円×30人×30日=540000)

 

 1か月の経費想定

  • 賃料:13万円
  • リース代:21万円(7年)
  • 水道光熱費:19万(売上の約35%)
  • 洗剤等:約2万円(売上の約4%)

 

売上項目 売上額
売上合計 540000円

 

経費項目 経費額
賃料 130000円
リース代(7年) 210000円
光熱費 190000円
洗剤等 20000円
経費合計 550000円

 

【売上合計】540000円-【経費合計】550000円=▲10000円

【売上合計 (リース終了の7年後)】540000円-【経費合計】340000円=200000円

上記の場合、毎月-10000円の赤字という結果になりました。(シュミレーションであり、実際の収支とは異なります)

ですがリース終了となる7年後からは21万円のリース料の支払いが無くなり、毎月20万円程度の営業利益が見込める可能性があります。

 

年間では240万円程度の利益となり、不労所得と考えれば十分な金額でもあります。

また店舗も賃借ではなく、自分で土地を所有する方であればコインランドリー投資は有望なビジネスとも考えられます。

 

ただし他にも借入があれば返済が残りますし、運営中にも保守・メンテナンス費用がかかる事も考えられます。

FCであればロイヤリティも考慮する必要がありますし、警備会社との提携等があればそのコストもかかります。

特にコインランドリー経営の採算が取れるかどうかは立地に寄る部分が大きいので、事前の十分な立地調査が必要です。

 

コインランドリー開業で失敗するケースとは

コインランドリーを開業して、成功する人もいれば失敗をする人もいます。

それではコインランドリーを開業して失敗するケースとして、どのような点が挙げられるのでしょうか。

 

①見通しが付きにくい

コインランドリー経営の場合には、見通しが付きにくい事が挙げられます。

どんなビジネスであっても正確な見通しが付くことはありませんが、特にコインランドリーはその傾向が顕著なように思います。

売上や回転率・コスト・利用客層など、当初の予想とは大幅に異なるケースも多く、開業してみないと何とも言えないというのが実際かと思います。

 

②挽回が難しい

コインランドリーの場合、最初の立地や設備でほぼ勝敗が決まると言っても良いかと思います。

逆に言えば、初期導入を誤ると既に立地を抑えて選択機等を入れてしまっているだけに、後から挽回を図ることが難しいです。

例えば機械を導入したとしても、それらが開業後に客層やニーズと合っていないからと言って簡単に交換する事もできません。

コインランドリーを開業する際には事前の綿密な市場調査が必要と言えます。

 

③乾燥機しか置かない

コインランドリーの収益の60~70%程度は乾燥機と言われています。

そのためコインランドリーによっては乾燥機しか置いていない所もあります。

確かに乾燥機だけであれば初期投資額も少なく、給排水の工事費やランニングコストも抑えられる事でしょう。

ですが利用客の立場からすれば、やはり洗濯機と乾燥機がバランスよく配置された店舗も選ぶ傾向があります。

収益性の高い設備だけに捉われると、客離れが生じる可能性がありますので注意が必要です。

 

④売上予測

例えばFCでコインランドリーを始める場合、営業マンは売上予測やシュミレーションを元に交渉を掛けてきます。

コインランドリーに限った事ではありませんが、当初の売上予測通りにビジネスが軌道に乗るケースは少ないものです。

当初に提示された売上金額を大幅に下回り、残ったリース料とテナント家賃・電気代等の経費がかさむことで身動きが取れなくなる可能性も考えられます。

 

⑤売却できない

コインランドリーは不動産等とは異なります。

マンションやアパート等の不動産であれば物件によっては売却をして初期投資額をある程度回収することも出来ますが、コインランドリーの場合には撤退時の売却も簡単にはいかない可能性があります。

確かに開業時は多額の資金で洗濯機等の機械を購入しますが、撤退する時には安値でしか売れません。

そのため経営に赤字が続いたとしても、後戻りする事もできず無理な運営を続けていかなくてはならないケースも考えられます。

 

⑥目利きがない

コインランドリーは目立った故障等がなければ20~30年は普通に使い続ける事ができるでしょう。

またコインランドリー機に目利きがあれば、中古でも良い設備を探してコストダウンを図ることも可能かと思います。

ですが殆どの人は洗濯機や乾燥機等に詳しくなく、業者の言い値や指定メーカーの機器を導入する事になり、割高な最新鋭の設備や一体型の機器を購入してしまう事も考えられます。

最新鋭の機器の導入が悪い訳ではありませんが、実際に利用者がそこまで最新式を求めているとは限らず、固定費が上がり結果的に収益が悪化する可能性があります。

 

コインランドリーの開業まとめ

コインランドリーの開業について幾つか挙げてみました。

コインランドリーはいかに初期投資を抑え、返済を短期間で終えて軌道に乗せられるかどうかが大切です。

特に遊休地を抱える土地所有者等であれば不労所得ビジネスの一つとして検討するのも良いでしょう。

ただしコインランドリー経営は単純にマニュアル通りに行っていれば利益が上がる商売ではなく、オーナー自らが積極的に運営に関わっていかなければ、まともな利益は見込めません。

高額な初期投資が必要となりますので、開業前には綿密な事業計画を立てて望むようにしたいですね。

それでは今日はこの辺で。

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