アイリスト・まつ毛エクステで独立開業するには?成功するポイント
今回はアイリスト・まつ毛エクステサロンの独立・開業について書いてみようと思います。
アイリストはまつ毛の専門家として、サロン等でまつ毛のケアをしてあげるお仕事です。
つけまつ毛が流行して以来、まつ毛に関して意識を持つ女性も多くなり、同時にアイリストの仕事も注目されています。
まつ毛エクステやまつ毛カール・まつ毛パーマ等、顧客の要望に合わせて様々な施術を行います。
最近では市販のつけまつ毛でも様々な商品が出ているので、その道のプロであるアイリストとしても今後の技術向上が求められています。
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目次
まつ毛エクステサロンを開業するには
まつ毛エクステサロンを開業するにはどのような手続きが必要になるのでしょうか。
ここではまつ毛エクステサロン開業に必要な手続き・免許についてご紹介します。
アイリストとしてまつ毛エクステサロンを開業するには保健所の許可が必要になります。
まつ毛エクステサロンを開業するには営業許可証が必要であり、そのために保健所へ美容所登録を行います。
具体的には「美容所開設届出書」と言う書類を提出し、あなたのサロンが登録基準を満たしているかどうかを保健所の職員がチェックをします。
照明の強さ・炭酸ガスの濃度・店舗の作業面積・消毒設備などが基準を満たしている事や、医師からの診断書提出により伝染性疾病がないことを証明しなければなりません。
そして無事に審査が完了すると確認済証が交付され、まつ毛エクステサロンを開業できるといった流れになります。
もし保健所の許可を得ずに無許可営業を行った場合、美容師法違反に問われる可能性がありますので、きちんと登録をしてから開業をしましょう。
またまつ毛エクステサロンに限らず、開業をする際には税務署に開業届を提出します。
具体的には「個人事業の開業・廃業等届出書」という書類を開業後一か月以内に提出をします。
提出は税務署に持っていくか郵送による方法もあります。
開業届を提出することで青色申告ができたり屋号の口座を作れるといったメリットもあります。
まつ毛エクステのように実際に施術を行う際には美容師免許が必要になります。
どんなにマツエクの技術が高くても、美容師免許がなくては施術を行ってはなりません。
美容師免許を取得するには美容専門学校に2年間(通信は3年)通い、所定の課程を修了する必要があります。
まつ毛エクステサロンが拡大しにくい理由として、この美容師免許の取得がネックとしてあります(美容師免許を取得したら、普通は美容師になる人が多い)。
まつ毛サロンの開業だけに留まり経営者として携わる分には免許は必要ありませんが、自分自身が施術を行う場合には美容師免許は必須となります。
もし無免許の場合、保健所から警告が入ったり営業停止や閉店等も考えられますので注意が必要です。
美容師法という法律によって、美容師である従業者の数が常時2人以上である美容所の開設者は、管理美容師を置かなければなりません。
これは美容室だけでなく、まつ毛エクステサロン開業でも同様です。
したがって一人で施術をするのであれば管理美容師の設置は必要ありませんが、2人以上の場合には管理美容師を置かなければなりませんので注意しましょう。
自宅でマツエクサロンを開業するには?
自宅でまつ毛エクステサロンを開業するにはどうすれば良いでしょうか。
自宅であってもテナントと同じように美容所登録が必要ですし、施術を行うには美容師免許が必要です。
また美容所基準として、一定数以上のスペース(床面積13平方メートル以上)を確保する必要があり、広さを確保できない場合には室内をリフォームをするか開業を断念する必要があります。
その他にも椅子の台数や待合場所・洗場や採光・照明・換気などの基準を満たしていなければなりません。
自宅だと生活で使用している部屋も多いかと思いますので、自宅をサロンにする場合にはその明確な線引きが必要となります。
また自宅がマンション等の場合には、管理組合の規約等により店舗営業が禁止されているケースもあります。
また上記のような法規制とは別に、自宅でマツエクサロンを開業する場合にはデメリットも生じ得ます。
例えば自宅である事から住所の掲載を避けるためクーポンやチラシでの集客がしにくかったり、「住所非公開」「顔出しNG」「お店の中の様子が分かりにくい」等の理由により、顧客に不信感を募らせてしまう可能性もあります。
自宅サロンである事から、そのコンセプトを表現しにくいという面も難点です。
自宅サロンは賃料もかからず売上が安定すれば大きな利益を上げる事ができますが、集客へのハードルが高いためその課題を一つずつ解消していく必要があります。
また自宅でのマツエクサロンでは、無免許で違法と分かりながら隠れ家的に営業を行っている開業者もいるので、法律を守ってしっかりとルールに則って開業を検討するようにしましょう。
アイリストの資格の費用はいくら?
上記でも挙げたように、まつ毛エクステ(アイリスト)の施術を行うには美容師免許が必要になります。
美容師免許は美容専門学校等に通い取得する事が一般的です。
学費としては2年制の昼間で、200~250万円程度は見込んでおいた方が良いでしょう。
通信制の場合には50~100万円程度が相場ですが、その分授業時間も短いため、自分なりの努力が必要です。
また学校によっても費用に差があり、カリキュラムの内容であったり教材費・器材費などが学費に含まれるかどうかによっても費用が変わります。
ですが通常の美容専門学校ではアイリストの専門部門が少なく、主には美容師向けのヘア・メイクを中心に学ぶ事になるケースも多い為、美容学校を卒業後も自分でアイリストスクールに通ったり、独学や通信・職場での経験等を通して技術を学んでいく人が多くなります。
それではアイリストの技術を学べるスクール(アイラッシュスクール)の費用はどれくらいになるのでしょうか。
スクールによって費用は異なりますが、概ね50~150万円程度に収まる事が多いでしょう。
アイラッシュスクールでは費用にバラつきがあり、生徒が美容師免許を持っているかどうか・どのようなコースを選ぶのかによって費用の金額が変わってきます。
例えばベーシックなコースを選択するのであれば費用を抑えられる事もあるでしょうし、独立開業を目指すコースであれば高額になる事もあります。
まつ毛エクステの開業者であっても、一人一人スクールに通う目的は様々ですので、自分に合ったコースを選択するようにしたいですね。
また現在アイリストとして勤務する人の中には、実際には美容師免許を保有せずに勤務しているアイリストもおり、問題となっています。
メイクをするだけであれば美容師免許は必要ないかもしれませんが、まつ毛エクステやパーマ施術をする以上は美容師免許が必須となります。
実際には以前はまつ毛エクステに免許は必要なかったのですが、資格を持たない施術者の事故・トラブルが続出したため、平成20年に厚生労働省から通達が出され、美容師免許が必要なりました。
アイリストとして独立しまつ毛エクステ等を安心して施術するためにも、免許や許可をしっかりと取得して開業を検討するようにしましょう。
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まつ毛エクステの原価は?
まつ毛エクステの場合、仕入れ材料が圧倒的に安く、その原価率は低めです。
その原価率は一般的には5%前後~となっており、飲食等の原価とは比較になりません。
料金帯は4000~5000円程度のサロンが多いように思いますが、まつ毛エクステやグルーの原材料費は100~200円程度。
仕入れ先を工夫すれば原価率は5%をも切る事でしょう。
例えば100万円売り上げているお店でも、その原価は3~6万円程度。
かなり利益率が高い事もあり、競合が多いのも頷けます。
また原価だけでなく、まつ毛エクステの場合には飲食店の食材のように使用期限を気にする事が少なく、不良在庫になりにくいというメリットもあります。
つまり原価以外はほぼ技術料として利益になりますので、テナント家賃と人件費を注視しておけば十分に利益を残せる可能性があり、まつ毛エクステはビジネスモデルとしても稼ぎやすい商売という事が言えます。
ただしネックとなるのは、その利用者数自体が少なめという事です。
エステや美容院・ネイルサロンと比較すると、まつ毛エクステに頻繁に通う人はまだまだ少数と言って良いでしょう。
原価が低いとは言え、利用客が増えていかなければ商売は成り立ちません。
少ない顧客の奪い合いにならないように、他店との差別化や強みを積極的にPRしていく必要があります。
まつ毛エクステサロンは儲かる?売上は?
まつ毛サロンの開業は儲かるのでしょうか。
経営者であれば売上は気になる所です。
ここでは開業後の売上をシュミレーションしてみます。
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売上項目 | 売上額 |
スタッフ1人あたりの売上 | 600000円 |
売上合計 | 1200000円 |
経費項目 | 経費額 |
賃料 | 120000円 |
材料費 | 60000円 |
人件費 | 360000円 |
水道光熱費 | 36000円 |
広告費 | 96000円 |
通信費 | 10000円 |
雑費・消耗品等 | 36000円 |
経費合計 | 718000円 |
【売上合計】1200000円-【経費合計】718000円=482000円
シュミレーションでは、482000円の営業利益が見込める可能性があります。
まつ毛エクステの場合、やはりネックとなるのは家賃と人件費です。
自宅開業や三等地の開業であれば賃料も抑えられますし、家族や友人との開業であれば人件費も低くなります。
雇用形態としてスタッフとの業務委託契約も検討できます。
特に開業時は軌道に乗るまでは売上が安定しない為、出来るだけコストを抑えた開業も検討しましょう。
アイリストの独立時の年収・収入は?
アイリストの独立時の年収はどれくらいになるのでしょうか。
雇われとしてアイラッシュサロン勤務だった頃の年収としては、人やお店にもよりますが平均して280~400万円程度の年収のアイリストが多いように思います。
平均的なサラリーマンやOLの年収よりも少し低めといった所ですが、実際には美容師と比較するとアイリストの方が若干平均年収は高い傾向にあるようです。
その理由として、アイリストの場合には美容師と比較するとその施術者自体が少ない事や、美容室のように業務委託形式の店舗が少ない事・まつ毛エクステは特に利益率が高いといった理由が挙げられます。
ですが自分でまつ毛エクステサロンを開業し、アイリストとしての独立時の年収はその売上によって大きく左右されます。
特に開業時は固定客もおらず売上も定まらない事から、勤務アイリスト時代の年収を下回る開業者も多いようです。
上記で挙げたシュミレーションのような売上金額であれば、アイリストの年収としても300万円前後になります。
ですが軌道に乗れば年収1000万を超えるアイリストも存在し、特に人気のあるマツエクサロンでは以下のような点が優れています。
- スピード
- センス(デザイン)
- 価格
顧客によってマツエクサロンに求める要素は異なります。
忙しい方などスピード重視の顧客もいれば、とにかくデザイン性に拘る人もいますし、若い方などは価格重視といった客もいるでしょう。
常に顧客の希望に沿った施術をしていき顧客満足を高める事が第一であり、逆に言えばこの3つが揃っていて売上が上がらないサロンは元々の集客方法に問題がある可能性があります。
アイリストの年収は自分の実力次第で決まるため、技術やセンスに自信がある方は独立を検討してみるのも良いでしょう。
まつ毛エクステの宣伝方法は?
まつ毛エクステの宣伝にはどのような方法があるでしょうか。
効果的な宣伝・広告は集客に大きな影響があるため、慎重に考えておきたい所です。
インスタ・Facebook・Twitterなど、SNSを活用して集客に繋げることもできます。
特にインスタ等、視覚に訴える事ができる媒体はマツエク集客でも積極的に活用していきたい所です。
特にマツエクの客層は若年層であるため、SNS集客を外すことは出来ません。
HPやブログを活用して集客に利用する事もできます。
ワードプレス等、無料でSEO効果の高い媒体を活用する事でマツエクの集客にも利用できます。
リスティング広告とは、検索結果に連動して表示される広告の事です。
何らかのキーワードで検索をした際、一定の広告枠がありますが、その広告の事を指します。
マツエクサロン開業においても、キーワード単価によってはリスティング広告も活用できます。
特に開業時はブログやHPのドメインパワーが弱いため、即効性の高いSNSやリスティングを活用するのは効果的です。
YouTubeなど、動画を広告に活用する事もできます。
例えば自店の新メニューや自宅でできるケアの方法など、利用者と店の距離感を縮めるのにも動画は効果的です。
動画をブログやHPに埋め込む事によりページの滞在時間を伸ばす効果も期待できます。
チラシやポスティングの広告方法もあります。
クーポンの利用など、フリーペーパー等でも広告効果の高いものもあります。
これらの広告については長期的に少しずつ広告費を投入していき、自店に合った媒体を選んでいくと良いでしょう。
また雨の日や平日など、集客が難しい日の利用クーポンを発行する事も効果があります。
意外にあなどってしまいがちなのが口コミ効果です。
ですが女性間の噂や口コミ波及のスピードは早いですし、特に安価で施術が丁寧な店舗の評判は周囲にも伝わります。
友人紹介のキャンペーン等を合わせる事も有効です。
例えば美容室がエステサロン・ネイルサロンなど、関連店に伝手があれば広告チラシを置かせてもらいましょう。
またお店からの紹介にはマージンを設けるなど、他店からも紹介しやすい仕組みを作っておきます。
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まつ毛エクステサロンのリピーター獲得
アイリストにとってリピーターの確保は最優先課題と言えます。
顧客はまつ毛エクステサロンを利用する来店周期は3週間~5週間程度が一般的。
いかに単価が高くとも、固定客が付かなければいつまでたっても売上は安定しません。
また新たに新規顧客を獲得するよりも、リピーターを確保する事の方が数倍コストがかかりません。
一度来店してくれた顧客に対しては心地よい接客や満足のいく施術を提供してあげる事はもちろんですが、リピーターを獲得していくにはこちらから積極的に働きかける事も大切です。
例えば以下のような工夫が挙げられます。
- 個別のカウンセリング
- 顧客に合わせたデザインの提案
- メンバーズカード・ポイントカードの発行
- 新規メニューの案内
- 来店後のお礼の手紙
- ダイレクトメールの配信
- クーポンメールの配信
- 誕生日DM
- モニター体験の案内
- 継続来店を条件とした割引
- 次回予約を条件とした割引
- シーズンに合わせたメニュー・施術
- 友人招待割引
- メルマガの招待
- 無料セミナーの実施
リピーター確保のために今すぐにでも始められる事は沢山あります。
自店に固定客を増やすためにも、嫌がられない範囲で積極的に案内をしていきましょう。
アイリストが独立して失敗するケースとは
アイリストが独立して失敗するケースとは、どのような点が考えられるでしょうか。
幾つかその例を挙げてみます。
アイリストという仕事は、目元というデリケートな部分を扱う仕事です。
もし口コミやレビューで安全性に疑いがある声が挙がると、そこから客足が遠のく恐れがあります。
デザインやセンスだけでなく、安全性を重視して運営をしましょう。
一言にまつ毛エクステサロンとは言っても、その立地によりターゲットや店舗内の雰囲気を工夫する必要があります。
その立地が学生向けなのか・OK向けなのか・主婦なのかといったように、メインターゲットを決める事で施術デザインや店舗の雰囲気も変わってきます。
その立地や客層に見合った雰囲気のサロンを作りましょう。
美容室なども同様ですが、サロン系では開業当初から多額の初期費用をかける経営者も多くいます。
ですがまつ毛サロンのような先行きが読みにくい業態では特に、「小さく始める事」が基本となります。
売上の規模が大きくなっていったら後から付け足していけば良いんです。
初めから多額の融資を受けると、後に収支を圧迫します。
まつ毛サロンで施術を行うには美容師免許が必要ですが、経営者は必ずしも免許を必要としません。
そのため中には従業員任せのオーナーもいます。
ですがそのような店舗ではオーナーと従業員の意見の喰い違いが起きたり、事業の進め方でトラブルになる事もあります。
免許云々は別としても、オーナー自身がまつ毛エクステについて幅広い知識を持つ必要があります。
どこかのサロンにアイリストとして勤務していた人が、そのまま独立開業をするケースもあります。
例えば以前勤めていた店舗で80万の売上を上げていたとすると、独立をすればそれ以上の利益を残せると考える人もいます。
ですが従業員と経営者は全く違います。
以前勤めていた店舗での売上は、その店のインフラや知名度があってこそのものです。
経営者・店長・従業員の役割の違いをはっきりと区別するようにしましょう。
美容師免許がない人は?
先ほども挙げたように、マツエク施術には美容師免許が必要です。
美容師免許は国家資格であり、学校卒業までに2年ほど学習し国家試験に合格しなければなりません。
ですがそこまでの時間がない人や、金銭的に受講が困難という人もいるでしょう。
無資格で施術をしている人も中にはいるようですが、長い息で商売を続けるのであればやはり無免許開業はお勧め出来ません。
無免許でアイリスト系の開業を検討するのであれば、例えばセルフエクステのレクチャー講師の道もあります。
まつ毛エクステの利用者数は増えていますが、それに比例してセルフエクステで自分でまつ毛をリペアをする人も増えています。
しかしいざ自分でエクステをしたいと思っても装着方法やデザイン・道具の正しい使い方などわからない・プロの施術と同じようにならないという人もいますし、自分に似合っているのか・自分に合うデザインや色合いは何か等、専門的な意見を必要とする人もいます。
免許が取れない場合には、経営者やレクチャー講師として活躍する道も検討できます。
アイリスト・まつ毛エクステサロンの独立開業まとめ
アイリストの独立・まつ毛エクステサロンの開業について幾つか挙げてみました。
まつ毛エクステはまだまだ店舗数が少なく、今後の需要も見込める業態かと思います。
またアイリストは近年注目されている仕事でもあり、今後も新しい施術やデザインでしょう。
免許取得の問題や保健所の届出など、一定のハードルはありますが、安全に運営をしていくには必要な事です。
今後もどのようなサロンが出てくるのか動向を注目していきたいですね。
それでは今日はこの辺で。
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