靴修理屋の独立・開業・稼ぎ方
靴修理屋の独立・開業・稼ぎ方
今回は靴修理屋の独立・開業・稼ぎ方について書いてみようと思います。
百貨店や商業施設・駅構内によく見かける靴修理屋。どの駅でもよく見かける光景です。
昔からあるお馴染みの店舗もありますね。
靴の修理屋は特に免許や資格は必要なく誰でも開業する事が出来ます。
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どの店舗でも共通して言える事は小規模な店舗が多いという事。小さな店舗では実に1坪~という
狭さで営業している店舗もあり利益率もかなりのもの。2~3坪程度で月に300万前後売上げを
あげる店舗もあり月に坪100万の売上げという驚異的な数字に驚きます。確かにコストの中で
テナント賃料が占める割合は一般的な商売でも売上げの10~15%と軽視できない事から
小さな坪数ながら一等立地で勝負するというのは商売の理に適っていると言えるのかもしれません。
またこのような業態は潰れにくいという利点もあります。別次元の話とは言え最近では大型百貨店や
大型スーパーが相次いで廃業する時代。これからは小規模店舗や個人スケールの方が動きやすい
という事は言えると思います。また靴修理屋は元々が技術職なだけにその原価率は低く
利益率が高い業態とも言えます。例えば私の近所でも靴修理・合鍵作成のお店がありますが
合鍵を作製すると料金は1000円前後・その鍵の原価は50円程度なのでその原価は5%になり
靴修理・合鍵作成屋は殆どが技術料という粗利の高い商売という事が言えます。また大手靴修理屋
で注目しておきたい点はその回転率です。靴修理で回転率というのはあまり聞きなれない言葉かも
しれませんが通勤途中のOLやサラリーマンをターゲットにしている為、修理スピードに拘って
回転率を上げている点も見逃せません。
現在では若年層の靴をはじめ安価な靴が多く流通していますが一方では値の張る靴を
長く大事に履きたいという層も根強く、今後もまだまだ靴修理業の開業を検討できるでしょう。
靴の修理と言えば革靴の男性サラリーマン等が多く修理をしてもらっている光景を思い浮かぶ人も
いるかもしれませんが靴修理業のメイン客層は若い20~40代くらいの女性。ヒールを多く履く
女性は靴修理屋のお得意さんです。そのため今後靴修理業を検討するのであれば女性だけではなく
男性客の取り込みも検討していく必要があるでしょう。大手のミスターミニッツではスーツに強い
青山商事の子会社化し更に幅広いターゲットの取り込みを検討しているようです。昔は靴修理を
始めその後合鍵の作製を開始し、現在ではスマホ修理や服のクリーニング等まで手掛けているミスター
ミニッツ。2~3坪の小さなコンビニと言っても過言ではなくなってきています。
靴修理屋を開業する際にまずネックとなるのが靴修理の技術。修理を依頼すると簡単なようにも
見えますが通常でも2~3年の修行期間が必要と言われています。大手のFCでさえ1年間くらいの
修業期間を経てやっと1人前と言われるくらいです。またその技術もどこで習得するのかが問題。
FCで技術を習得するのであればその会社の加盟店になる事を避けられないでしょうしロイヤリティや
機材の購入・出店予定地等の選択肢等も自由が効かない可能性もあります。また修理学校に通うと
言っても靴の修理学校は少なく教材費や教習費もかなり高額になる事が通常で、また店舗に出ない事も
あり実技が身に付きにくいという声もあるようです。実際に店舗で修理をすると簡単なものであれば
10~20分程度で修理するのが通常の修理屋。また靴修理屋はリピーターの確保も集客の大事な要素
である事から下手な修理は出来ません。学校に通うとしてもどのくらいの期間通いどのようなカリキュ
ラムが組まれているのか詳細を確認してから入学したい所です。
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また靴と一言で言っても人によってその将来像は異なります。靴のデザインをしたいのか・
職人として靴を作っていきたいのか・靴の修理を本業としたいのか等、自分の目的に沿った学校選びを
するようにしましょう。また学校に通いながらアルバイトでも良いので並行して靴修理屋に勤務していると
学習→アウトプットでより良い研修期間となるでしょう。その他の道としては個人店の靴修理屋に弟子入り
する方法がありますが技術職なだけに師匠を選び間違えると痛い所。技術がしっかりしており機材の
選択から開業立地の指導まで全て個人で指導できる師匠を見つける事は簡単そうで難しいものです。
中には修理本業が厳しい為、開業コンサルで稼いでいるような人も中にはいます。本当に信頼できる
師匠なのかどうかを見極める事も大切です。
また技術を習得したとしてもいくら小さなテナントで開業可能とは言っても靴修理屋には機材が
必要になります。靴修理機械等は海外製であれば300~400万かかりますし中古でも200万前後
は必要になってくるでしょう。リースも検討は出来ますが毎月の負担を考えるとやはり中古品でも
良品を購入したい所です。また開業テナントにしてもミスターミニッツを見るように駅構内や商業立地に
1~3坪のテナントを見つける事は意外と困難なもの。小規模立地というのは靴修理屋以外にも
他業種でも意外に多く目を付けています。日頃から不動産屋等と懇意になり優良立地を探しておき
気になる物件はすぐに内見に行けるくらいの気概は欲しい所。また開業地に駅構内を選択するとしても
どの駅でも良いという訳でもなくまた乗降客数が多ければ良いというものでもありません。
靴修理を利用する客は出勤等の乗り継ぎ駅ではなく下車駅が多いものです。乗降客の流れや利用用途に
合わせて出店地域も検討する必要があります。またメインの女性客の心情を考えれば多くの人が行き交う
人通りが多い店舗の前で裸足でスリッパを履いて修理を待っているというのは気持ちの良いものでは
ありません。人通りが多いとしても1つ奥まった立地や路地を少し入った立地など、良い意味で
視認性の低い立地を確保する事も靴修理屋にとっては逆にリピートに繋がっていく可能性があります。
また立地自体が優良立地であっても大手や競合店が同駅構内や近隣に出店している場合には開業は
当然に避けた方が無難でしょう。
今後は大手をはじめ靴修理だけではなく他業種にも参入していく傾向がある為、個人店の靴修理屋は
増々厳しくなるような気がします。その為自分なりに本当に将来の魅力を感じるFCであれば
大手FC加入も一考の余地があるように思います。既に多くの靴修理屋が出店しており今後は大きな資本
を抱える店舗が増々有利な業態になっていくでしょう。厳しい世界ではありますが本当にやりたい仕事が
靴修理であればアイデア次第でまだまだ開業の余地があるように思います。個人が開業してやっていく
には大手が参入しない差別化を図る必要があります。あえて高級感を打ち出した靴修理屋や足の健康に
重点を置いた修理屋などその店舗独自の工夫が必要になるという事でしょう。
個性的なカラーのある靴修理屋の出店を今後も期待したいですね。それでは今日はこの辺で。
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