たこ焼き屋を開業するには?資格や開業資金・移動販売も解説
今回はたこ焼き屋の独立・開業について挙げてみたいと思います。
昔から老若男女年齢を問わず食されているたこ焼き。
普段から寄り付けの店舗がある人もいれば、イベントや夜店屋台でたこ焼きを買うといった人も多いのではないでしょうか。
外はカリっと焼けていながら中がトロっとした熱々の皮・具材であるタコの食感とその店ならではのソースが尚更たこ焼きの美味しさを引き立てます。
今回はそんな昔から人気の絶えないたこ焼きの独立・開業に触れてみます。
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目次
たこ焼き屋を開業するには
たこ焼き屋を開業するには他飲食と同様に、まず食品衛生法に基づく営業許可を取る必要があります。
飲食業を始めるには管轄する保健所の審査を受けて許可を受ける必要があります。
開業計画を立てたら図面等を持ち保健所へ事前に相談に行き、その後に申請書類を準備し申請します。
保健所が施設基準を満たしているか確認し、OKが出れば営業許可証が交付され、たこ焼き屋の営業を開始する事ができます。
また営業許可の申請には食品衛生責任者の設置が必要となりますが、通常であれば1日程度の講習を受ける事で取得できますので、それほど心配をする必要はないでしょう。
また開業する店舗が居ぬきで、前テナントが飲食店の場合には問題になるケースは少ないかと思いますが、たこ焼き屋の場合には祭りやイベントの出店や屋台などの一時的な販売であったり、移動販売・屋外での販売など衛生上の問題が考えられる環境下での販売を希望する方もいるかと思いますので、保健所ともよく相談をしながら申請を進めていく必要があります。
特に新規開業で内装工事をする場合には、飲食店工事の経験がある内装業者を選んだ方が良いでしょう。
また、たこ焼き屋を開業するにあたり、開業届を提出する方もいるかと思います。
開業届とは「個人事業の開業・廃業等届出書」のことで、税務署に提出をします。
未提出であっても罰則などはありませんが、開業届を出しておく事で青色申告ができたり屋号の口座を作れるといったメリットもあります。
また開業届の他にも、必要に応じて各管轄所への社会保険関連の手続き・申請が必要となります。
たこ焼き屋の開業資金はいくら?
たこ焼き屋を開業する場合、その開業資金はいくらくらい必要になるのでしょうか。
それは開業形態によっても異なってきます。
ここでは各形態における開業式の目安を挙げてみます。
個人店のたこ焼き屋の開業資金は、小規模な店舗であれば300~400万円の費用で独立が可能です。
物件にもよりますが、例えばテナントが賃料15万程度であれば保証金等を含めると100~150万円程度の不動産取得費がかかります。
内装費も5坪~の小規模な店舗でシンプルな内装であれば80~150万程度。
たこ焼き機も中古品であれば10~15万で購入でき、その他機材として冷蔵庫・冷凍庫・食材や台・小道具や備品を揃えたとしても概ね400万円前後の開業資金があれば足りる事になります。
フランチャイズと言ってもそのチェーンによって金額は異なりますが、やはり個人店と比較すると開業資金は高額になる傾向があります。
目安としては700~1000万円程度の開業資金を見込んでおいた方が良いでしょう。
フランチャイズ店の場合には、以下のような費用がかかります(会社によります)。
- 加盟金
- 保証金
- 研修費
- 物件取得費
- ブランド使用料
- 厨房・設備費
- 内外装費
また売上金額に応じて数%のロイヤリティが発生する事もあります。
フランチャイズの場合、その店のブランドや知名度・たこ焼きの味や仕入れノウハウを享受できるのがメリットでもありますが、逆に言えば個人店のようなオリジナリティを出しにくいといった難点もあります。
テント屋台など、簡単な屋台を開くだけであれば数万円~の費用から検討する事ができます。
自動車等を改造して屋台にするケースであれば、改造費用や設備を整えるために150~250万円程度の資金が必要になるでしょう。
改造した車両に対しては、食品衛生法の許可を受けて車検を受けます。
屋台だからと言って営業許可が不要という事はもちろんなく、もちろん保健所の許可が必要です。
また出店に際し、道路を使用する場合には道路許可が要りますし、スーパー等の空きスペースを使う場合でも店舗側との利用交渉が必要となります。
開業費用を抑えやすい屋台ではありますが、近隣住民からの苦情が起こったり場所の確保が困難になりやすい等、場所を間違うと割に合わない開業となるので注意が必要です。
たこ焼き屋の開業立地・家賃は?
たこ焼き屋を繁盛させるのに大事な要素は何でしょうか。
第一に「味」と答える人も多くいるかと思いますし、美味しくないたこ焼きを買いに来る顧客は確かに少数かと思います。
ですが個人的にはやはり「立地」が第一優先として挙げられるように思います。
極端に言ってしまえば、特別に褒められる味でもない「普通のたこ焼き」であっても、立地が良ければ売れてしまうのがたこ焼きの特性の1つと言っても良いでしょう。
海外で製造された冷凍たこ焼きでさえ美味しいと食す人もいる事から、いかに日本人がたこ焼き好きかが分かります。
たこ焼きの魅力は手軽に食すことが出来て、定期的に食べたくなる衝動にかられるあの味です。
単品としてはもちろん、夕食のおかずに加える事も出来ますし子供のおやつとしてもうってつけであり、家族へのお土産や酒のつまみ・小腹が空いた時の間食としても適しています。
また今でこそ食材の高騰等により多少高価になりましたが、昔は安価なたこ焼きも多く、子供のお小遣いでも気軽に購入できたものでした。
また特別な競合エリアでもない限り、自宅エリア周辺を見回してもたこ焼き屋はせいぜい1~2店舗。
確かに拘りの絶品たこ焼きを求めて遠出してでも買いに行く客層も一部いるかとは思いますが、大多数の層はそうではありません。
家の中に限らずどこでも気軽に食べられるたこ焼きは、とにかく「人通りが多い立地」が必須。
帰宅時や買い物帰りでもフラっと立ち寄れて、顧客が買いやすい場所にある店舗が繁盛する傾向があります。
例えば駅近くや商業施設前・商店街・幹線道路沿いなどが挙げられます。
家賃としても、一般的には売上の10%前後・もしくは売上3日分が適正と言われます。
例えば4万円の日商で月に100万の売上がある店舗であれば、10~12万円程度の家賃が適正という事になります。
もちろんこれは数字上の目安であり、必ずしもこの家賃比率でなければいけないという事ではありません。
特に一人開業で人を雇用しない予定であればその分を家賃に転嫁し、好立地で開業する事も検討できます。
またたこ焼き屋が人通りの多い立地で開業するのは、他にも理由があります。
たこ焼きはお好み焼き等と異なり、基本的にはテイクアウトが通常。
イートインならその場で食べる事もありますが、無ければ家に持ち帰って食すという人が大半でしょう。
たこ焼きを新たに焼き上げるまでの時間は10~15分程度。
焼き時間は火力の強さ・鉄製か銅板か・電気かガスかにもよりますが、初心者であれば30分近くかかってしまいます。
クレープのように2~3分で提供できればその都度テイクアウトにも十分に対応できますが、たこ焼きの場合には顧客を待たす事が前提となります。
作り置きをする事もできますが、やはり味や食感が損なわれる事もあり、焼き立てを提供するのが通常です。
10~15分もの間顧客を待たす事が出来れば良いですが、全ての顧客が快諾するとも思えません。
そのため理想を言えばたこ焼き屋はその都度焼くのではなく、あまり時間を空けずに焼き続けている状態をキープするのが理想。
その為には継続的な顧客の入りが必要となり、人通りのある大通り・通行料が多い道路沿い・人気の商業施設前など、多くの顧客が見込める立地が最適と言えます。
たこ焼き店の場合には小規模なテナントで立地の良い場所を探すことが基本となりますが、狭い小さなテナントの場合、問題となるのはその視認性です。
住宅街などであれば時間と共に店の認知度が上がってくる事もありますが、繁華街のように毎日不特定多数の人が歩くエリアではその視認性は更に重要です。
場合によっては厨房やレイアウトスペースを削ってでも、店を目立たせる工夫が必要となってきます。
一目でたこ焼き屋とわかる外観・雰囲気を出す赤ちょうちん・趣のある看板など、小さな店舗だからこそ周囲の店舗に溶け込んでしまわないような立地・店舗作りが必要となります。
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たこ焼き屋の開業は儲かる?売上は?
たこ焼き屋の開業は儲かるのでしょうか。
開業をするのであれば売上は気になる所です。
以下の条件で利益を考えてみます。
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|
売上項目 | 売上額 |
売上合計 | 900000円 |
経費項目 | 経費額 |
賃料 | 100000円 |
材料費 | 270000円 |
人件費 | 80000円 |
光熱費 | 54000円 |
包材・消耗品費 | 45000円 |
経費合計 | 549000円 |
【売上合計】900000円-【経費合計】549000円=351000円
月約35万円程度の営業利益が見込める可能性があります。
年収ベースだと400万円~450万円程度になります。
恐らく個人店のたこ焼き屋だと、現実的にはこの辺りの売り上げを行ったり来たりといった店舗が多いように思います。
ただしたこ焼き屋で月商100万はむしろ高めのハードルです。
売上100万円を目標とすると25日営業で1日の売り上げは4万円必要という事になり、仮に1舟500円のたこ焼きでも80箱売らなければなりません。
たこ焼は時間帯により売上にバラつきがあり、10時間営業としても1時間に8箱というのは個人店では簡単そうで難しい数字です。
想定売上が1日80箱では少ないのでは?と感じてしまう人は恐らく普段から大手FC店の行列を見ている人でしょう。
確かにFC店やチェーン店では1日2000玉(8個入り皿なら250)以上売る店舗もあり、1日の売り上げも10万を超える店舗も珍しくありません。
土日ともなればそれ以上に売る店舗もあるでしょう。
ですが個人店と大手店は比較の対象になりません。
立地を始め味やオリジナル商品の選定・価格など多くの要素が揃わなければ簡単に達成できる数字でもありません。
たこ焼き屋を開業するのであれば、現実的な経営計画を立てて運営をしていきたいですね。
たこ焼きの原価率は?
粉ものの原価は低い、皆口々にそう言います。
現に粉ものの原価率はモノによって15~25%程度のものも多くあります。
飲食の原価3割と言われる原則から言えばやはり粉ものの原価は低めと言えるでしょう。
ですが逆に粉ものは一般的に客単価が低いという事も言えます。
いくら利益率が高いアイテムでも、単価が低ければその分だけ数を売らなければなりません。
ましてたこ焼きは待ち時間からすればテイクアウトに向いているとは言いにくいアイテム。
回転率を上げるにも限界があります。
まして他飲食と比較してもたこ焼きはサイドメニューで単価を底上げするのも難しく、単純に原価率だけで儲かると考えるのは早合点です。
それでは一般的なたこ焼き屋の原価率はどのくらいでしょうか。
ざっくりと原価を計算として考えてみると、まず原価が一番高いメインとなるタコですが、1個のたこ焼きの中で使用されるタコがおよそ5g程度。
業務用タコ1kgで恐らく150~200個のたこ焼きが作れるかと思います。
タコ1kgで1800~2000円程度とすると、たこ焼き1個の中のタコだけの原価は9円~10円。
1舟あたりのタコの原価は、1舟8個入りとすると9円(10円)×8個=70~80円程度と考えられます。
ミックス粉については一人前100g程度とすると、一人前25~30円程度でしょうか。タコとミックス粉で合わせて100円前後。
他の材料(粉・卵・トッピング・だしの素・ソース)は5~15円程度と考えると、1舟あたりの原価はおよそ160円程度になるかと思います。
たこ焼き1舟が450~480円程度とすると、原価率は30%~35%程度でしょうか。タコが高いですね。
タコも中国産であったり冷凍タコにすると多少コストダウンに繋がる事もありますが、大幅には変わらないでしょう。
多くの店で使われているのはモロッコ等の冷凍マダコが多いように思いますが、店によっては冷凍ものを扱わないといった店や国産だけしか提供しないといった店もあり、この辺は原価との兼ね合いになります。
またタコによっても柔らかさや、焼いた後の大きさ・自店のメイン客層等を考慮してタコを選ぶ必要があります。
またたこ焼きに限った話ではありませんが、テイクアウト業種で意外とネックになってくるのが雑費。
当然に持ち帰って食べることが前提となるので、購入される度にパックやつまようじ・割りばしといった雑費がかかってきます。
またトッピングにしても顧客の要望次第で原価も変化するので細かい原価計算が必要です。
たこ焼きで言うとタコの仕入れ値に注目がいきがちですが、収支を左右するのは意外とその周辺の雑費関係であったりもします。
またもちろんたこ焼き自体の原価は低くても、その他にテナント家賃もかかりますし人を雇えば人件費もかかります。
FCであればロイヤリティも発生しますし消耗品費も馬鹿になりません。
たこ焼きの原価だけに捉われず、トータルでコストを考えるようにしたいですね。
たこ焼き屋のフランチャイズ
たこ焼き屋の開業にはフランチャイズ店も多くあります。
やはり経営指導が受けられたりノウハウを享受できるのはFCの利点ではあります。
焼き方・レシピ・小道具の使い方・販売方法・火加減・ディスプレイ等、開業時にも多くの点をフォローしてくれるでしょう。
ただしロイヤルティを始め、経費を含んでも運営していける程の利益を出していけるかどうかは難しい所。
薄利なたこ焼き屋にとって、月に数%でもロイヤルティが重くのしかかります。
またFCと一言に言ってもピンキリで、加盟店寄りに考えてくれる所もあれば、加盟後に協力姿勢が殆ど見られないようなFCもあるので見極めは簡単ではありません。
外装・内装・厨房なども恐らく本部指定でしょうし、経営スタイルもノウハウを享受できる反面、その分自由度は制限されます。
出店時も一般的な店舗が300~400万円程度で開業可能なのに対し、FCとの契約内容によっては700~1000万円程度の開業資金は考慮しなければならないかと思います。
また大手店でさえ、今後の材料費の高騰を鑑み、原価を下げていくと発表している企業もあります。
個人店と違い、年間数百~数千トンもの大量のタコの材料仕入れをしなければならない大手FC店等では、材料確保は大きな課題です。
その点でも個人店であれば、リスクを最小限に留める事もできるかもしれません。
ですが一方では初心者がいきなりたこ焼き屋を開業するのに一定のハードルが存在するのも事実。
もしFC加盟する事で自分にとってメリットが多いようであれば、加盟を検討してみるのも良いでしょう。
たこ焼き屋の移動販売
たこ焼き屋の販売形態の一つとして、移動販売もあります。
移動販売としてたこ焼き屋を始める場合には、店舗と同様に営業許可を取る必要があり、同時に食品衛生責任者の設置も必要となります。
また移動販売用の車両も必要となりますし、食品衛生上の設備も必要です。
特に移動販売車の場合には保健所の許可を得ることが難しい場合もありますので、事前に細かく確認しておきましょう。
また一般的な移動販売のメリットとしては以下のような点が挙げられます。
- 販売場所を変更できる
- イベント等にも参加しやすい
- 賃料がかからない
- 人件費がかかりにくい
- 広告費が抑えられる
- インパクトがある
確かに移動販売には幾つものメリットがありますが、たこ焼き屋の開業においては個人的には移動販売はお勧めしません。
その理由としては、固定客を得にくいからです。
たこ焼き屋に来店する客は、衝動的にたこ焼きを食べたくなったり、いつもその場所にいるご主人との会話を楽しみにくる人も多いですが、移動販売車の場合、日によって営業場所が変わる事もあることから、固定客が中々定着しない可能性もあります。
たこ焼き屋の中にはスタンプや割引カードで固定客を築くお店も多いですが、移動販売の場合にはいつその場所から撤退するかも分からない為、不安を抱く顧客もいるでしょう。
もしどうしても移動販売でたこ焼き屋の固定客を掴んでいくのであれば、ある程度は場所や販売時間を絞っても良いので「いつもあの時間帯に来ているたこ焼き屋さん」のイメージを定着させるようにした方が良いかと思います。
また日々の会話やSNS等を通じて、営業予定日等を周知しておくのも良いかもしれませんね。
お祭り・イベントのたこ焼き屋
例えば祭りやイベントでも多くのたこ焼き屋が出店していますが、味に拘りがあるたこ焼き屋は少ないもの。
作り置きを販売していたり粒の小ささ・小麦粉やミックスも安いものを使用していたり、タコも不要な部位を使用するといったように、特別に味に拘りがある屋台は少ないものです。
原価で言ってもたこ焼き1個10円~15程度が相場で、安価な材料を使用しているイベント屋台も多いかと思います。
もちろん出店料や露店組合等があれば支払いもありますし、光熱費や材料費も計上しなければなりませんが、やはりどちらかと言えば利益重視の店舗が多いかもしれません。
味に拘りが感じられない事が多いのは、数日~数週間で終ってしまうイベントで絶品のたこ焼きを提供できてもその後に続きませんし、それだけに力が入りにくい部分もあるのでしょう。
また悪く言えば屋台出店しているのは必ずしもプロとは限らず、それこそ数日練習したような地元の素人や家族の方々が出店しているケースもよくあります。
祭りやイベントではたこ焼きの味云々というよりは、その場の雰囲気やムードを買うといった面もありますので、極端に言えばさほど美味しくないたこ焼きでも愛想が良ければ程々に売れてしまうといった傾向もあります。
一方で個人でテナントを借りたこ焼き屋を始める場合には、その立地で長期的に販売をしていく事になります。
自分だけの拘りのたこ焼き屋を作り上げるようにしたいですね。
たこ焼き屋の人件費・アルバイト雇用
たこ焼き屋を始める人はたこ焼きが好きであったり、元々1人商売が好きである人も多いものです。
常に店主1人で店を支えているといった店も多い事でしょう。
たこ焼きに限った事ではありませんが、アルバイトを雇えば給与・保険はかかってきますし、限られた利益の中で月に10~15万でも人件費は実際に厳しい所。
またたこ焼きの場合には意外に考えておきたのが拘束時間。
立地にもよりますが、たこ焼き屋が忙しくなるのは主には昼前後と夜の帰宅時間帯。
午前中から始めて10時間程度営業したとしても、実際の拘束時間は当然に10時間ではありません。
材料の仕込みや生地作り・下処理や器具機材の洗い・帰宅時間などを含めれば常に帰宅は深夜になる事もしばしばでしょう。
またたこ焼き屋は立ちっ放しが基本。
ベテランともなるとある程度の疲労の逃がし方を知っているものですが、それでもやはり疲れは溜まります。
その為出来ればたこ焼き屋は分担作業が望ましいと言えます。
例えば夫婦や家族で協力者がいるのであればそれが一番望ましいでしょう。
人件費もかかりませんし、交代で勤めるアルバイトさんのように人によって味が変わることもありません。
作業を分担しても良いし店を交代する事もできます。
またある意味孤独なたこ焼き屋にとって、家族等の相談者やパートナーがいるのが心強い見方。
自分の考えだけで突っ走ろうとする店主を時々ブレーキをかけてくれる、その役はアルバイトさんではなかなか務まりません。
個人経営の店には相談者は大切な存在です。
またもしアルバイトさんを雇うにしても、その人柄が大切です。
たこ焼きを焼くことは練習すれば誰にでも出来るようになりますが、人柄は備わったものです。
特に店に来店する客はたこ焼きを買いに来るのはもちろん、その店の居心地の良さや店員とのちょっとした会話・活気のある雰囲気など、様々な来店動機があります。
自分のお店に来るお客さんの来店する目的な何なのか・それを視野に入れて人を雇うようにしたいですね。
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たこ焼き機の選定
またたこ焼き屋の開業時には、今後長く使い続けるであろうたこ焼き機の選定も重要です。
家庭でたこ焼きを作っている方も多いかと思いますが、やはり業務用となるとその火力が大きく違います。
たこ焼き機にも電気とガスがあり、カリっと早く焼き上げるのであればガス式が良いですし、熱の配分が安定していて失敗なく作るのであれば電気式も検討できます。
またたこ焼き機には鉄製(鉄鋳物)と銅板がありますが、銅板の方が熱の伝わり方が早い為、時間的にも素早く焼き上げる事ができます。
ですが逆に言えば銅板で焼くには多少技術を要するという事でもあり、火力調整やたこ焼の回転は慣れた人でなければ難しいもの。
下手に素人等が銅板を使うとたこ焼きを焦がしてしまう可能性もあります。
祭り屋台等を除き、たこ焼屋を見てもやはり繁盛店ほど銅板を使用している店舗が多く、長期的に商売を続ける予定で、作り手側の技術が備わっているのであれば銅板の焼き機を使用した方が良いでしょう。
逆にたまのイベント時など一時的な販売に留まるのであれば、たこ焼き機自体の価格も安く調達しやすい鉄製焼き機を検討してみるのも一考です。
タコの高騰
たこ焼きの中でも、やはり原価が一番大きいのはタコになります。
最近では個人店でさえ値上げに踏み切る店もあり、周囲でもたこ焼きが昔と比べて高くなったという声も時々聞かれます。
値上げの理由は幾つかありますが、やはり原材料の高騰が原因。
タコだけに留まらず、小麦粉や卵の高騰は店舗形態を問わずどのたこ焼き屋にとっても今後の厳しい問題と言えるでしょう。
タコに関しては輸入タコを使っている店舗も多く、輸入元もモロッコやモーリタニアといった国からの輸入が多くを占めています。
乱獲の影響でタコ資源が減少し、昔と比較すると仕入れ値も3~4倍になっている事や小麦粉の高騰もある事から、今後たこ焼きの価格がどのように変化していくのかも不透明な所です。
とは言っても輸入タコが多い中、国産のタコが必ずしも良いかと言えばそうとも言い切れない所。
生地や中身がトロトロなのにタコが固すぎればアンバランスな食感になってしまいますし、国産でも仕入れ値変動が激しい傾向があると聞きます。
たこ焼きに入っている具は、店舗によってバラエティーに富んだものもありますが、やはり一番人気はタコです。
仕入れ価格には常に注視していく必要がありますが、同時に味を落とさない工夫も必要です。
たこ焼き屋の行列
たこ焼きの開業において、他にも注意しておきたいのは行列です。
たこ焼きの場合は待ち時間が長いため、混雑時は行列ができやすい傾向があります。
自店の敷地内に行列を整理できるスペースがあれば良いですが、公道にはみ出していたり他の店の迷惑になったりと、行列時の想定はしておかなければなりません。
他にもゴミ処理をきちんとしておいたりパックが周囲にポイ捨てされていたりすると問題になるので、事前に対処しておくようにしましょう。
行列ができる事でそれを見て、さらに輪をかけて後ろに行列を作る人ができ、食した顧客から口コミが広がっていく・周囲からも注目を浴びるようになるといったように、行列はたこ焼き屋にとっても本来願ってもない事。
トラブルになる前に物件探しの段階から考慮しておくようにしたい所です。
たこ焼き屋の集客
たこ焼き屋を開業するにあたり、どのような集客方法が考えられるでしょうか。
最近のたこ焼き店では、普通のたこ焼きだけに留まらず、多くの具材やトッピングを出してバリュエーションを揃えています。
女性客の取り込みの為や、土日のファミリー層の来店が多い事・たこ焼き単品勝負だと飽きが生じやすい事を考えればバリュエーションを増やす事は自然な事なのかもしれませんが、店舗によりその種類も様々です。
エビ・イカ・チーズ・明太子・キムチ・ツナ・コーン・ホタテなど、何でもアリかのように多くのメニューが存在します。
もちろん主役は普通のたこ焼きではありますが、メニューとしてだけではなく、店の引き立て役としてもバリュエーションを広げる事は販促として大切な気がします。
また前述したようにたこ焼き屋は立地が肝心であり、立地選定が最重要と言っても良いと思います。
ですがたこ焼き屋でさえ常に「客待ち」の形態で良いかと言えば、必ずしもそうとは言えないでしょう。
自分から積極的に販促に動く方法があっても良い筈です。
テイクアウト業態なので当然に近所にチラシ配りやポスティング・挨拶廻りに行く事は必須でしょうし、ファミリー層に向けて大口の注文を取りに行く姿勢も必要になります。
また様々なイベントがあり、花見・花火大会・祭り・運動会・正月・忘年会・新年会・パーティーなど、たこ焼きはどのようなシーンでも無難に溶け込んでくれるアイテムのようにも思えます。
宴会場やイベント会場など各種施設に出前として受けるのも一考かもしれませんし、熱々のたこ焼きを届けられるエリア範囲であれば、配達注文に応じてみるのも良いでしょう。
またはこれだけネットが普及している今、店頭にだけ縛られている理由もありません。
youtube等で自店の店を動画紹介しても良いですし、LINEやFACEBOOKで友人知人を誘っても良いでしょう。
もちろん多くのたこ焼き店で取り入れているスタンプ制を画面からも発信できますし、クーポンの発行もできます。
苦手な女性客をあえてターゲットにして、例えばワインを提供する飲める店舗・ヘルシーな素材を使う店等、今までのたこ焼き屋を一新してみるのも面白いかもしれません。
もしくは焼肉屋にお1人様席があるのなら、たこ焼き屋にもそれがあっても良いのではないでしょうか。
今では大手の店だからと言って必ずしも売れるという事はありません。
それこそネットの影響もあり、小さな店舗ですら美味い店や評判の良い店は口コミですぐに広がります。
売れないからと言って黙っているうちにも、たこ焼きは次々と廃棄ロスとして落ちていきます。
売れる為には何が必要か・日々模索していくうちに数年後になんとか売り上げが立っている・それが今存在する多くのたこ焼き屋の実際ではないでしょうか。
自分の「味」を作りたい
何気なく存在するたこ焼き屋でさえ、その開業時には多くの歴史があります。
現在のたこ焼き屋で有名な「銀だこ」の佐瀬社長でさえ、創業時は愛車を40万円で売りそれを元手に店を立ち上げ、全国のたこ焼き屋を何度も食べ歩き、現在の味を作り上げたというのは有名な話。
たこ焼きと言うと原価の低さに注目が集まったり、最近ではその価格の高さに不満があがる事もあるようですが、その価格には作り手の「技術」が含まれている事も忘れてはいけません。
店舗で買うたこ焼きを家庭で真似しようとしても中々同じようにはならない筈です。
そこには長年使っている特性の粉・材料の仕込み・材料と生地の相性・鉄板・火力の使い方など、プロならではの技術があります。
個人店で繁盛している店があったとしても、恐らく最初から軌道に乗った店舗は僅かでしょう。
様々な店舗を何度も練り歩き自分の味を確立していくには、泥臭いようですがやはりたこ焼きを追求していく努力・追求・根気が必要とされます。
また個人店とFC店との他の違いを挙げるとすれば「店主がいつもそこにいる」事です。
当たり前の事かと思われるかもしれませんが、これもちょっとした個人店の強みでもあります。
FC店にいる店員さんの多くは入れ替わりも激しい若いアルバイトさんであり、同じ材料を使っていてもアルバイトさん等の作り手によって微妙に味が変わる為、支店によって味に違いが生じてしまいます。
一方でたこ焼きを買いに来る顧客は顔馴染みの主婦であったり会社帰りのサラリーマン・近隣の子供たちであったりと、様々な顔馴染みが来店します。
いつもと同じようにいつも変わらぬ味で愛想の良い店主がそこにいる事も、集客に一役買っていると言っても良いでしょう。
個人店とFC店・どちらが良いかは個人の考え方次第ではありますが、自分の作りたいと思うたこ焼き屋のイメージを曲げずに正直に理想を求めていきたいものです。
多くの店舗のたこ焼きを食し、自分の納得がいくたこ焼きを追求していきたいですね。
たこ焼き屋の開業・独立まとめ
たこ焼き屋の開業について幾つか挙げてみました。
だんだん暖かくなってきましたが、まだまだたこ焼きは美味しい季節。
今後も美味しいたこ焼き屋ができるのを楽しみにしたいですね。
最近、近所の商店街通り沿いにたこ焼き屋が一店できたので散歩帰りに買ってみようかな。
それでは今日はこの辺で。
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