起業・独立後はうつ病になりやすい?

 

今回は起業とうつ病について挙げてみたいと思います。

ビジネスとはあまり関係のない話ではありますが、仕事をする

上では体が資本です。特に起業をすると会社に雇用されていた

時代と違い、様々な不安要素が襲ってきます。中にはその不安に

耐え切れず、うつ病にかかってしまう人もいます。

今回はそんな起業・独立とうつ病について触れてみます。

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うつ病になりやすい人の特徴は?

うつ病になりやすい人にはどのような傾向があるのでしょうか。

私は精神科医ではありませんが、それでも鬱になる人には

一定の傾向があるようです。

真面目な人

生真面目な人はうつ病になりやすいと言われています。頑張り屋で

あるばかりに、自分の限界点を超えて仕事や学業に励んでしまい、

知らない内に体が悲鳴を上げるといったケースもあるようです。

また責任感が強い人なども自分を追い込んでしまいやすく、

特に周囲から期待を寄せられている時など、うつ症状が出やすい

とも言います。

几帳面・凝り性

几帳面な人や凝り性な人もうつ病にかかりやすいと言われています。

このタイプの人は集中力もあり、1つの事を突き詰めていく追求力も

強くビジネス向きである人も多いのですが、あまりに根を詰めて作業

してしまう人や、細かな部分まで完璧にこなす事執着する人もおり、

精神が病んでしまい、うつ病に繋がるケースもあります。

感情表現・人間関係が苦手

自己表現が苦手であったり、周囲への気遣いばかりで自分の気持ちを

素直に言えなかったり、感情を表現できない・気持ちを押し殺すといった

事が多い人は、うつ症状になりやすいケースもあります。逆に例えば悩みや

トラブルがあっても、人にすぐ相談する人や良い意味でいい加減な人・

いつも楽観的な人はどちらかと言えばうつ病になりにくいと言えるでしょう。

会社を辞めればうつ病が治るという誤解

会社を退職すればうつ病が治ると考えている人も中にはいます。確かに

サラリーマンの場合には毎日のように定時に出社・満員電車に揺られ

会社に行き、複雑な人間関係にも絶え、また会社によってはパワハラや

セクハラ・サービス残業・仕事へのプレッシャー等、多くの重圧が存在

するため、うつ病にかかりやすいというのも頷ける気がします。

 

しかしだからと言って会社を辞めて独立・起業をして自分で事業を始めれば

うつ病が改善するかと言えば、多くはそうではありません。むしろプレッシャー

やストレスの度合いで言えば、独立して自分1人で仕事を始めた時の方が大きく

なる可能性も十分にあります。

また大抵の場合は独立後の方が、会社員時代よりも考える事ややらなければ

ならない事は数倍に増えると考えておいた方が良いでしょう。

 

当たり前の話ではありますが、うつ病から逃れるために独立をする訳では

ありません。また独立・起業は知力・体力共に満ちた状態でなければおよそ成功

する事は難しいものです。

今うつ病を抱えている方は、まずは治療を行いながら、十分な休養を取り

体と心のバランスが整ってから独立を検討するようにしたいものです。

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独立後に気持ちが不安定になる要素とは

独立をすると、時にはとてつもない不安やストレスを抱えるケースがあります。

またその不安定な気持ちが鬱状態を悪化させる可能性もあります。

独立後に襲われる気持ちの焦りにはどのようなものがあるでしょうか。

金銭的不安

まずは独立をした場合、金銭的不安が常に付きまといます。

多くの人は今までに必死で貯めたお金や、公庫等から借りたお金でやっとの

思いで独立をした筈。ですが起業後はまともな売り上げも立たない事が普通で、

今月売り上げがあったとしても来月も同じように売り上げがあるかは分かり

ません。自分の口座からもみるみるお金は減っていき、精神もすり減り、時には

マインドのリセットも効かないような状態。

会社員時代であれば解雇されない限りは毎月一定収入があるのが当たり前。

独立をすると本来の自分の実力が浮彫りになり、特に金銭的な不安からは

しばらく抜け出せない事も多くあります。

周囲への責任

独立をすれば当然に自分が経営者です。今までと違い、全ての事に自分が

責任を負っていかなければなりません。

周囲を見渡せばまず従業員がいます。その従業員にも生活がありますし

家族がいる従業員もいるでしょう。自分の店や会社が潰れれば当然に

従業員の雇用も失われる事になります。

もしくは仕事上の取引先や協力者がいれば、失敗すればその信用を失う可能性

もありますし、大きな損害を与える可能性もあります。

もしくは自分に家族がいれば、その生活費さえままならないといった状況に

陥る可能性もあるでしょう。

失敗する事が許されない・周囲への責任を果たさなければならないという重圧が、

自分を追い詰めてしまう可能性もあります。とくにうつ病にかかりやすい人は

責任感が強い人が多いので注意する必要があります。

孤独

経営者というのは孤独なものです。

これは会社立ち上げの頃だけではなく、会社が軌道に乗ったり、自分がある程度の

ポジションに立った時でさえ感じる事かと思います。

例えばある決断を迫られたとしても、最終的な判断を下すのは経営者自身ですし、

その決断の責任を負うのも経営者です。

また会社に勤めていた頃は上司が逐一指摘をしてくれたり、怒ってくれたりしたもの

ですが、いざ独立をすると怒ってくれる人は周囲にはいません。

また誰かに簡単に頼る事もできなくなるケースもありますし、泣き言を言う相手も

いません。自分1人で考える時間がとても多くなるのです。

孤独に耐えられる人もいれば、そうでない人もいます。普段から他人に頼る事に慣れて

しまっている人は、独立後に不安定な気持ちにかられる事も多くなるかもしれません。

時間のコントロール

会社に雇用されていた頃には朝決まった時間に出社し、帰宅時間もほぼ毎日同じ時刻。

毎日仕事を真面目にこなしていけばあっという間に時間は過ぎていきますし、

それなりにスキルも磨かれていきます。

ですが独立をするとなると、当然に毎日の時間のコントロールは全て自分で行わなけれ

ばなりません。軌道に乗って忙しい毎日を過ごすのであればまだしも、開業当初は

顧客も少なく、やるべき事が見つからない・スケジュールはガラ空き…なんて日が

連日のように続く事もあるでしょう。

特にうつ病を抱えている人の中にはこのような日々が続くと、焦りの念が強く自分を

襲ってくる事もあるかと思います。このまま明日も売上を立てられなければどうなるか・

同期の同僚は会社での仕事も順調で出世もしている・自分はあの時本当に独立して正解

だったのか…といった自念が毎日のように頭の中を付きまとうケースもあるかもしれません。

起業は楽しむこと

これはうつ病を抱えている人に限った話ではありませんが、やはり独立や起業というと

「利益を上げなければならない」「家族を養っていかなければならない」「周囲の期待

に応えなければならない」と、自分を追い詰めるような自責の念にかられる人が多い

ものです。確かに大きな責任を持つ経営者としては守っていかなければならない事は

幾つもあります。

ですがうつ病を抱えている人からすると、上記のような「~しなければならない

という考え方は“黄色信号”です。特に元から責任感が強い人ほど、自分で気持ちを

追い詰めてしまう事にもなり兼ねません。

 

「働く」という労働の本質に戻ってみると、やはり大切なのは「自分が仕事を楽しむ事」や

「人の役に立つ事に幸せを感じる事」のように個人的には思います。

綺麗ごとのように感じる人もいるかもしれませんが、お金を稼ぐ為とか生活の為に働く

といった発想はあまり面白くありませんし、またその表情は自分のビジネスにも浮き彫り

になって表れます。儲け主義のビジネスは客も離れていき、廃れるのが常です。

 

またうつ病にとって良い気質・考え方は、ある意味で「いい加減・前向き・楽観的

といった考え方です。一概には言えませんが、このような性格の人たちはあまりうつ病

には縁がありません。周囲の事を気にし過ぎたり、その責任を果たすために事業を継続

するという事はとても苦しいですし、ネガティブな発想でしか事業が回らなくなります。

周囲を気にせず自分の仕事を楽しむという事は、結果的にはその事業にもプラスに繋がり

ますし、また昔よりも今はそれが実現可能な時代です。余計な自責を捨て、単純に自分の

ビジネスに没頭する・楽しむ事が起業の醍醐味かと思います。

 

うつ病を抱えている人の気持ちはその人でなければ分からないと思いますし、

周囲の人にはなかなか理解してもらえない事も多いかと思います。

無理をせずにゆっくりと治していくと共に、せっかく独立をしたのですから

自分のペースでビジネスを楽しみたいものですね。

今回は独立・起業とうつ病について挙げてみました。

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