アパレル起業で失敗する10の原因。ネットショップの撤退理由も解説

今回はアパレル起業で失敗する原因について挙げてみたいと思います。

洋服が好きな人であれば一度は考えた事がある人も多いアパレルでの起業・独立。

自分のブランドを立ち上げてファッション業界で成功したいと考える人も多いかと思います。

ですがアパレル業界は競争が激しく、起業をしても失敗して数年で撤退する人も多数。

アパレル業界で成功をするには、失敗しやすい要因をあらかじめ把握しておく必要があります。

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アパレル起業で失敗する原因

それではアパレル起業で失敗する原因としては、どのような事が考えられるのでしょうか。

幾つか挙げてみます。

 

①在庫を抱えやすい

他業種と比較しても、アパレルは在庫を抱えやすい業態と言えます。

特にレディース等はシーズンが終わると流行の移り変わりが激しく、長期的に同じデザインの服を販売していく事が難しい場合もあります。

売り切れなかった商品は不良在庫となり、確実に収益を圧迫し失敗の原因となります。

 

②ロット数

起業し始めたばかりの頃は、資金面を考えても小ロットで発注をかける人が多いかと思います。

ですが大手のように大量生産できる企業とは違い、生産ロットが大きくないと1着あたりの単価が大きくなってしまい、利益をまともに残すことは難しいです。

 

③販売場所

アパレルは激戦区です。

ECモールサイトにしても出店手数料や販売手数料が高く付きますし、自分でECサイトを立ち上げる事もできますが販売できる程のアクセス数を集めていく事は簡単ではありません。

サイトデザインやSEO・キーワード選定等も自分で考える必要があります。

また実店舗を構えるにしても好立地は既に大手ブランド等が抑えており、良い立地があったとしても初期費用が高額になる恐れがあります。

 

④手間がかかる

アパレルの場合には一つの洋服を作るにも手間がかかりやすい難点があります。

素材の決定からデザインの決定・製造工場への依頼・ブランディング・在庫管理・販売など、様々な工程を経て洋服が作られます。

一から起業をしてこれらの工程を踏んでいく事は多くの手間がかかります。

 

⑤海外工場

日本のアパレル製品の製造場所はほとんどが中国です。

アパレル起業を考える際にも、海外工場との提携等を考えるケースもあるかと思います。

ですが海外との取引においては為替リスクもありますし言語の問題もあります。

また中国等の工場では突然閉鎖をしてしまったり、交渉の詰めが甘いと粗悪品が送られてくる可能性もあります。

中には詐欺と取られるような取引もあり、現地に管理スタッフを配置する等の対応が求められます。

 

⑥薄利

アパレル業界は一般的には薄利です。

原価3割という事も言われますが、他にもテナント賃料や人件費・広告費や材料費も支払っていかなければなりません。

特に起業したての頃は、軌道に乗って生産ロット数が増えていくまではまともな利益が出ない時期が続くこともあるでしょう。

理想とギャップのある現実の数字を突き付けられ、失敗してしまう人も多くいます。

 

⑦ファッションレンタル・フリマアプリ

現在ではアパレルに関係した多くのサービスが登場しています。

メルカリを始め、多くのフリマアプリがありますし、ファッションレンタルサービスも普及しています。

シェアというキーワードが定着していく中で、どうしても新品服を購入しなければならない理由が見つかりにくくなっており、この傾向は今後も続いていくように思います。

中古流通の存在も考えなければ失敗する恐れがあります。

 

⑧販売教育の難しさ

今ではネット販売が主流となっています。

ECモール等は確かに売れやすいですが、その手数料の高さからなるべく自社サイトや実店舗で売りたいと考えるアパレル店もあります。

ですが顧客は実店舗では試着に留まり、なかなか購入に踏み切ってくれる顧客も少なく、実店舗販売の難しさがあります。

また薄利なだけに多くの人件費をかける事も難しく、従業員にノルマや自腹購入を押し付けすぎると人材の定着にも影響してくるため、無理を強いることもできません。

オーナー自らが販売をするにしても仕入れやデザイン・営業など他方面に力を入れる事ができず、悪循環に繋がり失敗する可能性があります。

 

⑨需要予測が難しい

アパレルでは先シーズンの洋服をかなり前の時期から作り出します。

ある程度のトレンドが決まっているとしても、洋服等は流行や文化の影響を受けやすく、時にはトレンドを読み違えるといった事も起こり得ます。

当然にその場合には多くの在庫を抱える事になり、結果としてセールやアウトレットとして処分をしていくハメになります。

 

⑩服離れ

自動車離れという言葉があるのと同様に、以前と比較すると若者を中心に洋服離れが少しずつ始まっているような感じもします。

昔のように異性との恋愛に夢中になるといった人も少なく、服に手間をかけ過ぎることがむしろカッコ悪いと言う人さえいます。

今後アパレルへの意識がどのように変化していくかは未知数ですが、若者を中心とした服離れがあるとすれば、それはアパレル起業者にも少なからず影響を及ぼすでしょう。

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ネットショップで失敗する理由とは

今では販売はネット主流という事もあり、アパレル実店舗を構える前にまずはネットショップから始めようという方も多いです。

ですがどのアパレル店でもHPはもちろん、インスタやブログ等を活用して自社製品の販売に注力していく動きが見られ、ネットショップで販売する事の難しさを理解しておく必要があります。

それではネットショップで失敗をする理由としてどのような理由が考えられるでしょうか。

 

SEOを考慮していない

アパレルと言うとSEOとは無関係と考える方もいるかもしれませんが、そうとは言えません。

知名度の高い有名ブランドであればともかく、無名ブランドのような店舗ではキーワード選定やコンテンツの充実・上位表示対策をしっかりしておかなければユーザーの目に留まることも無いでしょう。

アパレル販売の事だけを考えるあまり、ECサイト特有の集客にまで目を向けられなかった事が失敗の原因になる可能性もあります。

 

ランニングコストをかけ過ぎている

HP代行業者などは数多くありますが、その中には初期費用がかなり高額な所や、毎月の月額手数料が高くつく業者もあります。

薄利なアパレル業でネットショップ運営をするのであれば、できるだけ固定費を減らして運用することは必須です。

ワードプレス等で無料にHPを作成する事もできますし、デザイン等もクラウド系サイトからデザイナーに安価に発注する事もできます。

ネットショップ運営方法にしても、今ではインターネットやSNS上から入手できない知識はほぼ無いでしょう。

始めはランニングコストを出来るだけかけずに運営をしていく必要があります。

 

受注生産

ネットショップにてせっかく固定費を低く抑えたとしても、肝心のアパレル商品の在庫に圧迫されては意味がありません。

そのため起業して間もない頃は、受注生産の形式をお勧めします。つまり注文を受けてから生産をすると言う事です。

受注生産にする事により、在庫リスクをゼロで運営をしていく事が可能になります。

ですが顧客側の立場からすれば受注生産に不安が残りやすいため、納品までの日数を明確にしておく等の配慮は必要です。

 

ネットショップの特性

ネットショップやEC販売・アフィリエイトなど、ネット分野で共通して言える事は「すぐには売れない」という事です。

ドメインの力が付いてくるにも半年くらいかかりますし、各ページが上位表示されてくるにしても数カ月かかる事もあります。

とりわけネットショップを始めたばかりの人は、サイトデザインや商品を並べれば売れ始めると考えがちです。

ですが多くのネットショップ運営者は、毎日のようにHP等を更新していても、実際に売れ始めるのは半年~一年くらい経過してからと言った人も多いでしょう。

すぐに売れないからと言ってその間に撤退をしてしまう人が多く、あらかじめネットショップの特性を理解しておく必要があります。

 

ターゲット・ペルソナの設定

多くのネットショップがありますが、一目見てそのショップのターゲットがどのような人なのかイメージできるショップは少ないものです。

ターゲットを絞り過ぎると売れなくなるのでは?と考える方もいるかもしれませんが、逆に客層を広く設定し過ぎるとボヤけます。

これだけ多くのネットショップが存在する中でユーザーのアンテナに引っかかる為には、ターゲットやペルソナ設定はしっかりしておく必要があります。

 

商品画像が悪い

ネットショップの場合、商品画像が命です。

特に知名度のないブランドが商品を販売していく中で、説得力を持つのはその商品自体と言っても良いでしょう。

ネットショップの中でもピンボケした画像を出していたり、商品詳細が分かりにくい場合もありますが、これでは売れません。

撮影機材や照明・角度など、魅力的に見える商品画像を用意しましょう。

 

決済手段が少ない

新規ネットショップの場合、決済手段が少ない場合があります。

例えば基本的なクレジット決済や振込・代引きの他にも、コンビニ払いや後払い・キャリア決済などもあります。

顧客によって希望の決済方法は様々ですので、出来るだけ多くの決済手段を確保しておきましょう。

 

リピーター確保

実店舗であれば、商品購入時にブランドをアピールする事もできますし、新商品をお勧めすることも出来ます。

ですがネットショップの場合、こちらから顧客との接点を作っていく必要があります。

例えばダイレクトメールやメルマガ・セールの通知やクーポン券の配布など、リピーターを確保していくための対策を積極的に講じていきましょう。

リピーターの確保ができなければいつまで経っても集客コストを払い続けることになり、失敗に繋がる可能性もあります。

 

学生がアパレルで起業するには

学生さんでもアパレルで起業したいという方はいるかと思います。

学生さんの場合、潤沢な資金がある訳でもありませんし、アパレル経験が少ない方もいる事でしょう。

そのためまずはできるだけ固定費をかけずに起業する事をお勧めします。

在庫にしても上記で挙げたような受注生産でも良いですし、サイト自体も無料媒体のものがたくさんありますので、それらを利用するのも良いでしょう。

 

また最初から大きなビジネスを狙わず、自分のできる小さな事から始めてみるのも良いと思います。

小ロットからコツコツ販売をしていき、ブランド知名度が高くなってきたら徐々に付加価値をつけていくやり方です。

リスクも少ないですし万が一の撤退も容易なことから、スモールビジネスから始めてみましょう。

 

またアパレルに限らず成功する秘訣の一つとして、「成功者のマネをする」という事も大切なことです。

もちろん服のデザインや形を模倣してしまう事はNGですが、法律に触れない部分を真似ることはできます。

最初から独学やオリジナルが通用するほど簡単ではありません。

成功するには既にアパレルで上手くいっている人のやり方を真似るのが近道です。

自分が理想とするブランド等があるのであれば、そのような店舗に入社する等して経験を積んでいくのも良いかと思います。

 

アパレル起業の失敗まとめ

アパレル起業で失敗するケースについて幾つか挙げてみました。

実際には廃業者の数字から見れば、起業者のほとんどは成功せずに失敗に終わります。

そのためアパレル業で成功するためには、起業前に綿密な計画が必要です。

成功者の多くは一度で成功する人は少なく、幾度もの失敗を重ねて成功を収めています。

また成功だけに捉われず、自分のブランドを広めていく為にも長期的な視点で運営を続けていきたいものですね。

それでは今日はこの辺で。

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