カフェ・喫茶店の独立・開業・稼ぎ方

カフェ・喫茶店の独立・開業・稼ぎ方

 

今回はカフェ・喫茶店の独立・稼ぎ方について書いてみようと思います。

カフェ・喫茶店の独立というのは安易に起業しやすいという事もあり割と多くの開業希望者が

いるかと思います。イメージとしては店舗を借りコーヒーやサイドメニューを出して気軽に独立、、

というイメージを持っている人も多いのではないでしょうか。しかし実際には5年以内に7割がたの

喫茶店が閉店すると言われています。家庭でコーヒーを出す延長というのは全くの間違いで各店が明確な

ビジネスモデルの元に出店しています。

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カフェのコンセプト

例えば今も人気の〇ターバックス。お洒落な店舗内装や独自のコンセプトの商品づくりが好評を得て

います。例えばフラペチーノ等期間限定で売り出すという戦略や同じ店舗内装が二つとないような

内装造り。中には船の中や車・電車の中に開店している〇タバもあります。毎回お客様に驚きを与えたり

自宅や職場の次に落ち着く空間を作るというサードプレイスという位置づけで店舗造りにも凝っています。

最近では〇タヤなどの本屋さんと一体化して営業する形態も増えてきました。確かに個人店舗でただ

ありふれたコーヒーやサイドメニューを提供しているだけでは大手に流れていっても不思議ではありません。

まずカフェや喫茶店で大切にしたいのはコンセプトという事はよく耳にする所です。〇タバや〇メダ珈琲・星〇珈琲など

それぞれが独自のコンセプトを掲げています。特に個人店のカフェにはそれ以上インパクトの強い

コンセプトが必要という声も聞かれます。なぜコンセプトが必要かと言えば大手との差別化を図る

という点もありますが、基本的にカフェというのは取り分け無くても困らない業態だからです。

友人同士で自宅でゆっくりくつろぐ事も出来ますし、やり方次第で個人で美味しいコーヒーを入れる

事も出来ます。カフェというのがファジーな存在だからこそ、コンセプトを打ち立ててそこに共感する

顧客を取り込んでいくというのがよくある基本的な考え方かと思います。その店に行かなければ得られない

きっかけの1つがコンセプトと言っても良いでしょう。

個人店カフェとしても豆にこだわるのか・価格にこだわるのか・水にこだわるのか・空間や居心地に

こだわるのか・豊富な品揃えにこだわるか・ケーキ等のサイドメニューにこだわるのか等、カラーの

打ち出し方は様々です。またメニューや素材・価格面だけではなく店内でインターネットを利用できるように

したりミニシアターが設置してある・生演奏が聴ける・ビリヤードが出来る等、複合施設的なカフェの

コンセプトを確立する店もあるでしょう。

またそのカラーがその出店地域の客層のニーズとマッチしている必要もあります。自分が理想とする

コンセプトが周囲に受け入れられるとは限りません。また全ての客層をカバーしようと思ったカフェは結局は

コンセプトがボヤけてしまい誰からも指示されない結果に終わる可能性もあります。

全てを取り込もうとするのではなく小さなターゲットから少しずつ自店のカラーに共感してくれる和を

広げていく仕組みの方が長い息でカフェを続けられるでしょう。カフェを開業しようとする人は誰しも

大きな理想やイメージを持って開業するものです。ですが結果的にそのカラーが顧客に受け入れられず

独りよがりになってしまい、閉店を余儀なくされるカフェも多くあります。明確なコンセプトを持って

開業する事は大切ですが、そのコンセプトが現実的に周囲の顧客に支持されるかどうかを見極める目

も必要です。例えば人気店のカフェがあるとすれば何度も足を運びなぜそのカフェは人気があるのか・

どの部分で顧客に共感を呼んでいるのかを体感し、自店に取り入れられるものがないかどうかを

日々模索していく努力も必要になるでしょう。

確かにコンセプトはとても大切な要素ですが、一方で個人的にはコンセプトにあまりに捉われ過ぎるのは

危険だと思います。カフェ開業と言うと最初にコンセプトや5W2Hというキーワードをよく聞くものですが、

開業当初に描いたコンセプトが周囲環境とマッチするかどうかは実際に開業して箱を開けてみないと

わからない部分でもあります。例えば何気なくフラッと立ち寄った近所のお店が何となく居心地がよかったり、

店主と話の気があったり、料理の味付けがちょうど自分好みであったり、その店の接客やサービスに好感が

持てたりしてその後に定期的に通うようになったお店の1つ2つがある人もいるのではないでしょうか。

またそのようなお店が明確なコンセプトがあったかと言えば必ずしもそうではない筈です。

確かに大手カフェが大衆を取り込んでいる以上は非力な個人店は特別なコンセプトを打ち出して

差別化を図るというのは一部は理に適っているのかもしれません。しかしそのコンセプトの角度が高すぎて

ハードルを上げてしまっては元も子もありませんし、コンセプト色が強すぎて顧客が次第に嫌気が指して

しまったりしばらく通った後に飽きがきて結局無難に大手に流れるという事もよくあります。

大手カフェ店がコンセプトを元に出店するのと個人店がコンセプトを打ち出す事は別モノとして分けて

考えても良いでしょう。大手店が成功するのはコンセプト以前の土台として売れるネームバリューや集客方法

が確立されている部分も大きく、個人店がコンセプトという概念に縛られ過ぎるとそのまま埋もれてしまう

可能性もあります。

開業者自身がコンセプトを作るというよりは、開業後に通ってくれる顧客達がその店のイメージから

自然なコンセプトを作り上げていくという考え方も1つとしてあると思います。顧客が寄り添うような

コミュニティ的なカフェを望む人もいるでしょう。柔軟な発想を持ち続け、常に顧客の求めるサービスや

空間を探していく事が結果的に自然とその店のコンセプトとなっている形を求める方法もあります。

個人カフェ店にとって必要なコンセプトとは、傍から見てコンセプトと把握出来てしまうコンセプトではなく、

自然といつの間にか意識の中に溶け込んでいるコンセプトという事は言えるのではないでしょうか。

カフェのメニュー

顧客がカフェを選ぶ際には幾つかの要素がありますが、大きく柱となるのはやはりメニューとお店の

雰囲気が大きく挙げられます。その中でもメニューは大きな集客要素となる事が多く店ごとに独自の

オリジナルメニューが存在しているものです。そのカフェ自慢の料理メニューがあるのか・

豊富な品揃えがウリなのか・ボリュームを重視しているのか等、そのカフェならではのメニュー表が

置かれている店舗も多い事かと思います。いくら店内の雰囲気にこだわりを出したとしても

肝心のコーヒーや料理の味が美味しくなければお店のイメージは台無しです。またそのメニューが

周囲のターゲット客層にもマッチしている必要があります。例えばオフィス街のカフェでサラリーマン

男性が多いのに、食事メニューが少なくボリュームがないメニューが中心であれば客離れを起こす可能性

もありますし、女性客が多いのにデザートやスイーツの品揃えが薄ければ他へ流れる場合もあります。

例えばオフィス街でOL客が多いカフェであれば野菜サラダメニューを多くする・食材ごとにカロリー表示

をする・美容に良い食材を提供する等も考えられますし、男性サラリーマンが多いのであればランチの

ボリュームを多くする、肉にこだわる、アルコールの提供なども考えられるでしょう。主婦層や家族連れが

多いのであれば席数を少なめにしゆったりくつろげる空間を作ったりバイキングスペースを作ったり

ペットOKのカフェにする等、メイン客層に合わせた色々なアイデアはあるはずです。

また開業当初に自分がターゲットとしている客層と、開業後に実際に足を運んでくれる客層が異なっていた

というケースはよくある事ですが、来店してくれる客層のニーズに合わせたものを提供する為にも、

日々メニューに手を加えていき周囲の意見を取り入れながら実際の顧客のニーズにメニューを寄せていく

工夫や試行錯誤が必要になってきます。またカフェの開業者にはパティシエ出身者も多いものですが、

プロの料理人の伝手があればそのような人にメニューの立案やアドバイスをもらう事も良いかと思います。

自分には想定していなかった調理案を提供してくれるケースもあるでしょうし材料を無駄にしない材料選択や

調理方法を指示してくれる場合もあるでしょう。引いてはそこから食材の原価率等に対しても自分なりの拘り

が生まれてくる事もある筈です。特にカフェの場合は色々なメニュー材料を扱い過ぎて、売れるメニューと

そうでないものの差が激しく生じるケースも生じやすい事もあり、回転の悪いメニュー食材を廃棄して無駄に

してしまう事もよくある事です。特に食材を始めコーヒー豆にしても日数が経てば経つ程に味が劣化していき、

好みに個人差があるブルーマウンテンやモカなどは回転が悪ければ味が悪化していきやすい傾向もあります。

その為、メニューを作るとしても食材に統一感を持たせたり、売れないメニューの食材を他に使いまわす事が

できるメニュー作りをする・回転率を意識して食材選びをする等、全体的に食材の鮮度を意識する工夫を

していく事も大切でしょう。また最近ではクックパッド等、ネット上にもレシピが豊富に溢れているので

自店のメニューに取り入れられるものがないかどうか常に思考していく事も良いかと思います。

またカフェである以上はやはりコーヒーを始めとしたドリンクに力を入れる店舗も多いかと思います。

特に大手カフェ店が価格で勝負する中、個人店としては独自の要素を取り入れたいものです。豊富な

豆のサンプルを店内に置いて顧客が好むコーヒーを提供してあげる店もあれば、自家焙煎から

豆と豆の相性から顧客好みのコーヒーを作り上げる拘りのカフェ・豆の鮮度にとにかく拘るカフェ・

コーヒーだけではなく紅茶等、世界中の茶葉を扱う専門カフェもあるでしょう。大量購入で価格を抑え

オペレーション効率を重視する大手店との差別化を考え、その店に通いたいと思わせるようなドリンクの

品揃えも個人店にとっては大切です。

またメニューを豊富にしたいからと言ってあれもこれもと取り入れ過ぎるのは返って顧客を混乱させる

可能性もあります。自分で試食したり周囲の意見を取り入れながら自分にとって自信作のみを提供する事が

店の価値の向上にも繋がります。

またそのメニューが周囲のカフェと比較する事も大切です。同じようなメニュー・価格のカフェが周囲に

あるようであれば単純に顧客の奪い合いになる可能性もありますし、大手店舗が周囲にあるのであれば

同じようなメニューで提供しても個人店にほぼ勝ち目はありません。自店ならではのカラーを出しつつ

周囲の店舗とは異なるメニューや程良いコンセプトで勝負する事は競争力の低い個人店にとっては大切な事です。

カフェの雰囲気

カフェの雰囲気についてですがやはりこれも自分の思い描く理想やコンセプトを中心にお店の雰囲気作りを

していく事が基本的な考え方になります。カフェはゆっくりとくつろぎたいという来店動機で入店する事も

多い事から、店の雰囲気はカフェの第一印象とも言え、コンセプトとの繋がりも深い大切な要素です。

カフェによって大手の人気店に寄せた雰囲気作りをする店もあれば、昔の面影を残す外観や店内で

昭和を思わせるレトロ・モダン調の店・奇抜な内装や自分の趣味嗜好品を店内に揃える異空間カフェ・

騒がしい街から離れてちょっと一息つけるような隠れ家的なカフェなど、それぞれにオーナーの想いが

店に表れています。また雰囲気作りに伴ってテナント選定も難しくなってきます。自分が思い描く

空間を再現してくれるテナントは意外と少ないものです。内装を施せばある程度理想とする空間に

近づけられるものの、そのテナントが元々持つ立地や開放感・通気性・壁の色や天井の高さ・照明など

によってカフェの雰囲気は大きく左右されます。理想が全て備わったテナントを見つける事はほぼ

困難であり、その為にもテーブルやインテリア・小物の配置で空間作りをしたり照明の明るさで

店内の雰囲気を出す・壁の色や素材で面積をカバーしたり開放感を出す等、手を加える事で理想の

空間に近づける工夫が必要になってきます。またそのお店独自の雰囲気作りをする事で大手カフェ

との差別化にも繋がり、自分のフィールドで勝負しやすい事からも雰囲気作りは大切でしょう。

とは言っても自分の理想を追求するあまりに、顧客が共感を得られないような空間はご法度です。

これは実際に開業してみないと不透明な部分でもありますが、開業後でも顧客の反応を見ながら

試行錯誤して雰囲気を作り上げていく事が必要になっていくでしょう。

カフェ・喫茶店の売上と原価率

カフェや喫茶店の売上は規模や立地にもよりますが営業を継続するには一般的には回転率の悪さ・人件費の

高さ・ある程度好立地に開業する必要性・商品原価を考慮すると150万程度の月商は必要かと思われます。

営業時間は朝7時~夜21時までの14時間営業と仮定。

平日(月22日)を1とし土曜日(月4日)を×1.5、日祭日(月4日)を×2とすれば

22日+6日+8日=36日の営業日数と換算出来ます。カフェの席数は坪数×1.3掛程度が一般的ですが

ここでは15坪のテナントで席数は20席と仮定。回転率を1日4回転とすると1日の客数は80人。

客単価600円とすると×80人=48000円の日商。48000円×36日=1728000円の月商。①

テナント賃料は15坪で坪1.5万とすると225000円。②

人件費はモーニングの7~9時とランチタイム後の14時~17時を店主の他にアルバイト2名、

他時間帯は頑張って1名で仮定。時給を900円とすると

((900円×5時間×2人)+(900円×9時間×1人))×30日(月営業日数)=483000円。③

原価率はコーヒー等のドリンクの原価率が15%・サンドイッチ等の食材の原価率が30~35%とすると

ドリンクをメインとすると平均原価率は25%程度でしょうか。

原価は1728000円×25%=432000円。④

光熱費等の諸経費5%・消耗品費を同じく5%程度とすると86400円+86400円=172800円。⑤

①1728000円-②225000円-③483000円-④432000円-⑤172800円

=415200円の営業利益が見込める事になります。

またカフェの開業費は上記程度のテナントであれば不動産取得費が300万円程度(保証金10か月・

その他仲介料など)。また内装費はコンセプト等によって大きく異なるものの、坪25~30万とすると

500万円前後、什器や厨房機器を400万円とするとやはり1000~1500万円前後の開業資金は

必要になり、開業当時に借入をしていることも通常ですので返済資金も確保しなければなりません。

出来る限り開業後5年以内に完済する事を目指すようにしたい所です。

肝心のコーヒーやドリンクの原価率は大体15円~50円程度のものが多く業務用の珈琲豆1kgが

2500円程度としても1kgで約80杯程度のコーヒーを作る事が出来ますのでシンプルな

ブレンドコーヒーの原価は30円程度になります。ブレンドでいえば280~350円程度の価格帯が

多いかと思いますので原価率は約10%程度。その他のドリンクであるエスプレッソや紅茶・アイスティーや

ココアなどドリンクによって原価率もある程度変動しますが高くてもそれでも20%以内に収まる事が

多いように思います。しかしドリンクの原価は低くとも単価自体が低い為に当然にサンドイッチやパスタ・

ケーキ等と併売し利益を底上げしていく事になります。食材の原価率は30%前後で設定するとやはり

平均原価は25~35%の原価を見込んでおく必要があるでしょう。また知られている通り、他業種と比較

してもカフェは回転率が悪く、単価アップや回転の悪さをカバーする工夫が求められます。

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カフェの回転率の悪さをカバーする

一般的にカフェの回転率は悪いと言われます。やはり落ち着いた時間を過ごしたいという客層や

1人時間を過ごす・ミーティングでの使用・女性客層が多い事からすれば回転率の悪さは他の飲食

と比較しても数値に表れる所でしょう。平均滞在時間が他の飲食であれば20分程度で退店する

ケースも多くありますが、カフェの場合には平均でも30分~40分とその回転率の悪さをカバーする

工夫が求められます。また他コストに目を向けるとしてもカフェは衝動的に入店する客層が多く

テナント自体にある程度集客が見込みやすい立地を求めるとなるとそれなりに賃料の高さを考慮

せざるを得ない部分もあります。また人件費においても客数や規模にもよるものの、調理作業を

含め1人での開業は困難で数名のスタッフ雇用は避けられない所です。とすれば売上げを底上げ

するにはカフェのネックとなる回転率を他の要素でカバーする事に目が向く事は自然な事で、

顧客を逃さずに売上げを上げる仕組み作りが必要になります。回転率が悪く客数が少なければ

単純に客単価を上げれば良いという発想に繋がる事も多いものですが、大手と比較すると

ただでさえ割高なイメージのある個人店のカフェでは単純に商品単価を上げる事は客離れを引き

起こす可能性もあります。価格を上げるとしてもオリジナルの創作メニューに絞ったり、セット

メニューを作る・テイクアウトし易い商品の品揃えを多くする等、イメージを損なわない施策が

必要になります。またオーダーの取り方1つ取っても回転率には影響があり、通常の個人喫茶店の

ようにオーダーを取りに来てくれて片付けも全て行ってくれるやり方よりも、大手のようなセルフ

方式の方が当然回転率は上がります。また一等地であれば、店内の混雑具合によっては居心地の悪さや

他の顧客への配慮から早めに切り上げて退店する客層も多いものです。また客席と客席の間隔を

狭くしたり椅子の固さが固ければやはり居心地の悪さから早めに退店しようという動機にも繋がり

引いては回転率を上げる事にも繋がるでしょう。またそもそもテイクアウトに注力しているカフェで

あれば席数の多くを奪われる事なく回転率にも影響を与えにくいとも考えられます。また席数においても

無駄な席数を設けない事が大切です。1人席が多過ぎても団体客は困りますし4人席が多過ぎても無駄な

スペースを作ってしまう事にもなり兼ねず引いては回転率を悪化させます。普段の客層を見ながら席の

配置を考える等の工夫も必要になってきます。また席数について言えば開業時にどれくらいの席数を設ける

かによっても当然回転率は左右されます。前述したようにカフェの席数は一般的には坪数×1~1.3掛程度

が多いかと思います。これは通常は厨房面積に20%程度取られる事を考慮しての数値ですがゆったりと

くつろげるカフェを希望するのであればそれ以下に数値を置く事も考えられますし、あくまで回転率重視で

あればそれ以上に数値を上げる事も考えられます。また席の下や荷物ラック等を設ける事で顧客が隣席に荷物を

置いてしまい他の顧客が座れないという事態をあらかじめ防止する事も検討する必要があります。特に最近では

ドリンクを飲みながら読書をしたりPC作業をするといった客層も多いので、荷物スペースや隣席との間隔は

シビアに考える必要があります。また安易な発想ではあるものの、回転率が悪いのであれば単純に営業時間を

長くする方法も考えられます。その分人件費率と原価が上がりますが、オペレーションの効率化により日単位

での客数を上げていく事は可能です。また時間効率を考えても例えばビジネス街のカフェであればランチタイム

後の時間帯に人件費を多く投入したり、繁華街であれば夜にアルコールを提供して売上げを底上げする等、

その立地の時間帯特性から回転率の悪さをカバーする方法も検討出来るでしょう。

しかし考えておきたい事は回転率を上げる事は、店内の居心地の良さと相反する事が多く、その結果

リピーターの確保に苦戦する結果にもなり兼ねない事です。どうすれば回転率を上げられるかを優先に

考えるより、どうすれば顧客に快適に過ごしてもらえるかを優先に考える方が結果的にリピートに繋がる

事も多く、そのバランスは慎重に考えなければなりません。

カフェのテナント

一般的にカフェに来店する際は予定して入るというよりは、1人や数人で話し合いや談笑の場を持つために

街中でどこかのカフェを選択するというケースが多いでしょう。その為カフェの開業立地にはある程度集客が

見込みやすい立地が必要になります。人里離れた立地や隠れ家的なカフェが雑誌などで取り上げられる事も

ありますが余程の食材やメニューに大きな特色がなければ集客は難しいのが実際です。

集客が見込めるメイン通りや駅近立地などは当然にテナント家賃も高くなります。そのため店舗面積も

限らせた中で店内の客席や動線を工夫する必要があります。また初期投資を抑える意味では居抜きも検討は

出来ますが当然に過去のカフェ店の撤退理由や売上・譲渡される設備のコンディションなど詳細を確認してから

申し込む事が必要です。またカフェというのは他の飲食と比較するとテナント審査も通りやすい傾向が

あります。その為、通常の飲食テナントとして募集されている物件だけを検討候補にするだけではなく、

夜にバーやお洒落居酒屋を営んでいるお店に日中時間貸しのカフェ営業を交渉してみたり飲食不可の事務所

や店舗テナントでも積極的に交渉してみる事をお勧めします。

また出店地域として要検討なのが団地内や住宅街での喫茶店です。喫茶店はくつろぐ場所ですから

地域の主婦層などが支持してくれる分には良いですが、その地域の人間に一度嫌われるとその周辺のお客さんも

一斉に引いてしまう事があるからです。ある程度不特定多数の顧客が来店しやすい立地選択は必要と言える

でしょう。

またやはり個人がカフェを開業する際には大手が参入しづらい分野を狙っていく事が基本になります。

価格で勝負するという事はむしろ逆で、天然食材を使用した料理を提供したり激選した豆だけを使用し

自家焙煎で顧客の好みに合わせたコーヒーを入れる等、個人店ならではのカラーを出していく事が基本に

なります。

テナント立地として考えても街には駅前立地・繁華街・オフィス街・住宅街など様々な立地がありますが

大雑把に言えば駅前やオフィス街は毎日の人通りに変わり映えがなくリピーター客が多いのに対し、

逆に繁華街などは毎日客層に変化があります。大手カフェは駅前やオフィス街などで高い賃料のテナント

を構えている事が普通で個人のカフェ店がこのエリアに入る事は得策とは考えにくい所です。

むしろ顧客が非日常を求める繁華街で商品や雰囲気に付加価値を付けたカフェをオープンしたり、

一等地~二等地の間の脇道で個性的なカフェをオープンする等、大手カフェとは集客要素が異なる

点を意識した開業立地を選択する必要があるでしょう。

 

私も先日久しぶりに両親に会いましたがゆっくり話せる空間を求めて若い人が集う有名喫茶店ではなく

雑居ビルの中の喫茶店を選択しました。客層や話し相手・状況によっても選ぶ喫茶店が違う訳ですね。

またカフェや喫茶店で長続きしている店舗で共通している所はメニューが1つ1つ美味しい、

もしくは1品でも他で食する事ができないようなメニューがあるという事です。低原価を追い求める

あまり、いつの間にか利益重視に移行し顧客を置き去りにしている店舗を時々見かけます。顧客は

お喋りをしながらでもしっかりとそのお店の味を感じ取っています。一度失った顧客は取り戻すのは

大変ですし地域密着のカフェであればその傾向は尚更でしょう。

カフェは大手の独占形態の色が強く新規参入が難しいとも言われますがそれでもカフェや喫茶店を

開きたいという夢を持っている人は多いはず。

今後も個性的なカフェが開業するのを楽しみにしたいですね。それでは今日はこの辺で。

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