スタッフ・従業員の教育のポイントは?人手不足の時代に

スタッフ・従業員の教育のポイントは?人手不足の時代に

 

今回はスタッフ採用・教育のポイントについて挙げてみたいと思います。

独立開業を果たし実際に店を切り盛りしていくには、パートやアルバイト等、従業員スタッフの

協力が必要です。小規模な店舗や業態によっては自分と配偶者のみで廻せる仕事もありますが、

飲食やサービス業などは特に時間帯毎にアルバイト等を配置して店を運営していく事が一般的かと

思います。もちろんどのようなスタッフでも良いという訳ではなく、従業員の採用時に判断において

見るべき点や、自店に相応しいスタッフに成長させる為に適切な教育が必要になってきます。

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昨今の人手不足より

私事になりますが最寄りの駅近くにラーメン屋があります。有名店からのれん分けしたような

ラーメン屋でその周囲でも美味しいと評判のラーメン屋です。ですが先日そのラーメン屋の前を

通ると、入り口に張り紙が。「人手不足のため昼の営業は休止させて頂きます」との事。確かに

最近では人手不足の声が上がる事が多いものですが、このような身近な飲食店にまでその影響が出て

きている事で改めて人材難の厳しさを感じます。特に飲食店などは仕事内容がきつい・拘束時間が長い・

給与水準が低いといったように労働環境の辛さを感じます。今の若い世代はシンプルな仕事や

体力的にもラクな仕事を好む傾向があり、人材を集める為に給与を上げようものならその分を商品価格に

転嫁する必要があり、それが続けば客足が離れていくという悪循環が起こり得ます。

確かにあのラーメン屋のご主人と狭い店内で2人っきりで調理をする光景は、「今の若手の方達の発想には

無いだろうなぁ」と感じる節もあります(苦笑)。今後は若者を中心に今まで以上に人材難が続いていきますし、

また昔ほどは外国人労働者や中高年世代の労働力で代替するといった策も講じにくい事から、特に飲食や

サービス業などを経営している店舗にとっては痛手かもしれません。また定期的に離職が続くようであれば

せっかく時間と人を注ぎこみ教育を施してもすぐに辞めてしまい、人件費コストも増えてしまいます。

また世間にはありとあらゆる商品やサービスが存在し、どの店舗でも似通った製品が店頭に並ぶ中で、

実は他店との差別化が一番簡単なのはスタッフ従業員の質。ここに適切な教育・指導を施していく事で

自店の魅力は大きく変わってきます。

スタッフ・従業員教育のポイントは?

それではどのような点に注視して従業員教育をしていく必要があるのでしょうか。

考えられる項目を幾つか挙げてみます。

自分の理想の店舗像を伝える

アルバイトやパート従業員の教育を行うにあたっては、用意されたマニュアルや指導方法に基づいて

仕事のやり方のみを教えるといった事が行われがちです。ですがそれではアルバイトやパート従業員を

単純な労働力の一部としか捉えていない事が相手にも伝わってしまいます。必要な時だけ呼び出され、

仕事がない時はほったらかし、、そんな扱いでは従業員たちも自発的に店の経営に参加したい・協力

したいと考えなくなるのは当然です。一緒に店舗を作っていくという意志を連帯する意味でも、自分が

その店をどのような店にしていきたいのか・どのような職場を理想としているのかといった事を従業員

にも伝えてあげる事は大切です。特にアルバイトやパート従業員の中にも経営の一部に参加してみたいと

いった人たちや、学生等は店の運営を勉強したいといった人もいます。自分がどのような店作りをしていき

たいのか伝えてあげる事で、従業員はその上司を理解しようとし、ひいては仕事1つ1つの意味も考え

ながら作業を進めていくといった循環も起こります。

教えを求めやすい環境作り

新人の頃は誰しも初めての職場に緊張し、また仕事内容も覚える事が多く、うまく作業を進められない

のは当然です。仕事がわからない時はあらかじめ渡されたマニュアルを参照したり、先輩に教わった言葉

を思い出しながら作業を進めますが、それでもやはり作業をする上では不明な点が出てきます。

以前ある機会で伺った店の中に、入りたてのアルバイトの新人さんがいました。その子は仕事のやり方

がわからず、少し躊躇しながらも先輩上司に教えを求めるために助けを求めました。ですがその上司は

「この前教えたじゃない?!なんで覚えてないの?」といった調子でその新人の子を責めました。

恐らくその新人さんはその後にその上司に助けを求める事は少なくなるでしょう。ひいては仕事内容を

いつまでも理解できずにいたり、誤った判断で仕事を進めて行く事にも繋がっていき、顧客等との

トラブルにも発展し兼ねません。また結果的には職場での居心地が悪くなり、スタッフの離職等に

繋がっていきます。よく助けを求めるという事はケースによってはマイナスなイメージに捉われがち

ですが、職場において誰かに助けを求めやすい環境作りというのはとても大切です。特に新人の頃は

仕事を覚えられるかどうかと言う点に不安に感じますので、周囲に誰か1人でも指示やアドバイスを

受けやすい人物がいるととても安心するものです。覚えが悪いからとすぐに叱責するのではなく、

従業員の定着率には周囲への聞きやすさ・助けの求めやすさが関係している事は留意しておいた方が

良いでしょう。

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1人1人に役割を持たせ、責任感を持たせる

パートやアルバイト従業員が辞めてしまう理由の1つとしては、やはり仕事が面白くないといった

事が挙げられます。いつも常に人のいないセクションの穴埋め仕事や、誰でもできる単調作業の

繰り返し。そのような仕事内容ではいくら意欲があっても従業員がその仕事に興味が持てないのは当然

な事なのかもしれません。やはり仕事自体に関心を持ってもらったり、自分が店の運営に参加している

という意識を持たせる為には、その授業員だけの役割を持たせる事が肝心です。またその役職は

誰でもこなせるものではなく、責任感を伴うものや出来るだけ専門性のある仕事内容の方が良いでしょう。

その人担当の仕事を任せる事で自分のポジションに責任を持つようになり、自分がいなくてはその部門が

廻らなくなるといったように、店に信頼されているという意識がその従業員のモチベーションにも繋がります。

例えば身近な所でコンビニを例に挙げれば、オペレーションでも新人教育や売り場作り・POPチラシ作成・

売上げ管理・新商品の選定・清掃などといった仕事もあれば、発注1つ取っても弁当・惣菜・冷食・雑貨

といったようにセクション毎に発注を区分けして従業員に任せてみるのも良いでしょう。

また昨今の特に若い世代の従業員はやる仕事内容がシンプルで分かりやすい求人に応募する傾向があります。

毎日のように仕事の分担が変わったり、日々任されるセクションが異なる・次の仕事ではどのような仕事を

任されるかわからないといった職場は敬遠する傾向もあり、出来る限り従業員毎に決まった仕事を

任せてあげるべきです。もちろん仕事を覚えていき成長していけば時期を見てその都度新たな仕事を任せて

あげる事は本人のスキルアップにも繋がりますが、最初からあれここれもと押し付けるべきではありません。

役割を与えてあげる事は従業員の不安を払拭してあげる事にも繋がります。

アルバイトやパート従業員というのは決して臨時的な作業員ではありません。その従業員だけの役割を与えて

あげる事で、自然と従業員の意識を仕事に向けさせてあげる事が大切です。

お金を動機にする

教育や採用マニュアルを見ると「消費者の視点に立った接客を」「クリンネス三原則」といったように

常に常識めいた言葉や綺麗なキーワードが目に付きます。ただし従業員の中にはこれらの言葉が響かず、

単純に生活をしていく為、お金が欲しいが為に仕事をしているという人もいる事でしょう。

働く上では当然にそれに見合った金銭的なリターンを求める事は普通の事ですし、またそれをモチベーション

に繋げる事も全然悪いことではありません。むしろ自然な人の欲求の部分に動機づけをしてあげた方が

効果が出やすいケースもあります。例えば売上げ目標や契約目標を毎月1人ずつに立ててあげて、

その目標を達成できた時には臨時のプチボーナスや大入り袋を支給してあげるといった形です。

その目標は上記のように売上げのような金銭的な目標でもかまいませんし、接客数やレジ違算額・勤怠・

勤務年数・顧客アンケートなど、どの要素を目標にするかによっても従業員のモチベーションも変化して

いきます。そのため自店の運営に不足している項目や今後エラーを無くしたい要素に、数値目標等を与えて

あげる事で従業員の動機付けだけではなく、その店の課題を改善していける効果も期待も生まれてきます。

評価基準を曖昧にしない

アルバイトやパート従業員の評価基準というのは曖昧なケースがとても多いものです。特に中小零細

企業の店舗等の中にはその店の景気ぶりや店長の好き嫌い・普段の人間関係等で評価が決まってしまう

ようなケースもあり、明確な評価基準が存在しない店舗というのもよくあります。また正社員には

きちんとした人事基準があるのに、なぜかアルバイトやパート従業員に対してははっきりとした評価基準

が無いといった店も多くあるでしょう。アルバイト等は流動的な非正規雇用である為に一部では仕方がない

事と考える人もいるかもしれませんが、働く側からすればこれはとても働き甲斐を無くしますし、非正規の

存在を軽視しているといった見方をする人もいるかもしれません。

どんなに頑張ってもその目標基準がわからない為に、せっかくの仕事の意欲さえも減退してしまうような事

もあるでしょう。またその基準が無い事には、仕事に対しせっかく意欲を持っていても、やはりスタッフの

一定以上のやる気を起こさせる事は中々難しいかと思います。評価基準を設ける上で大切な事は、

誰にでも分かりやすい目に見える公平な基準を作り、それを給与やポストに反映させる事にあります。

またその評価基準は給与などの金銭だけに留まりません。例えば職場内での階級においても1つ上の階級

にはユニフォームの色を一部変えるとか、バッジを付ける等、頑張って基準を満たす事でそのポジションに

就けるという明確な目標をスタッフに持たせて動機付ける事も大切です。

気分だけで決定するような曖昧な評価を取りやめ、どの従業員に対してもはっきりとした評価基準を設ける

ようにしましょう。

 

人手不足の時代には今までと同じような人事採用や人材教育を行っていても人は離れていくばかりです。

特に古くから経営しているような昔ながらの教育観点を持っている経営者は少し視点を変えてみる

必要があるのかもしれません。また経営者によっては顧客の心理はよく探ろうとするのに従業員の心理は

あまり考えないといった人も少なくありません。働き手の立場にとって従業員は何を求めているのか、

どのような要素が動機付けに繋がるのかといった事を常に模索していく事が、人材不足の解消に繋がって

いくのかもしれませんね。今回はスタッフ・従業員の教育のポイントについて挙げてみました。

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