ハウスクリーニングの独立開業の秘訣。集客方法や失敗理由も解説

今回はハウスクリーニングの独立・開業について挙げてみたいと思います。

ハウスクリーニングは簡単に言えば清掃業です。

顧客対象は一般家庭の個人からテナントやビル等の法人も含まれます。

清掃業は需要が尽きない業態であり、一般家庭であれ会社であれ毎日ゴミは出ますし室内も汚れます。

特に普段からお掃除が好きな方は、今後ハウスクリーニング業で生計を立てていきたいと考える方もいる事でしょう。

今回はそんなハウスクリーニングの独立・開業について触れてみます。

スポンサーリンク

ハウスクリーニングで開業・独立するには?

ハウスクリーニングを開業するにあたり、特別な資格や許可は必要としません。

必要に応じて税務署への開業届を提出しますが、誰でも新規参入は可能であり自由に開業をすることができます。

ですが許可や届出が不要な反面、参入障壁も低く競合会社が多いのもハウスクリーニング業の特徴です。

低資本で始められるビジネスという事もあり、清掃業者だけでなく、一般の主婦でさえ副業的にハウスクリーニング業をこなしている人もいます。

 

またハウスクリーニング自体の需要が変動しやすい事から、賃貸管理やビル管理業者が兼業としてハウスクリーニング業を行っているケースもあります。

今後は本格的な高齢化が見込まれる事から、ハウスクリーニングの需要が一定数見込まれるものの、個人でハウスクリーニングとして起業していく為には、綿密な事業プランが必要と言えます。

 

ハウスクリーニングの開業資金はいくら?

ハウスクリーニングの開業資金はいくらくらい必要なのでしょうか。

よくフランチャイズの開業資金として300~400万円といった広告を見かける事もありますが、個人で開業をした場合には開業資金をかなり抑える事も可能です。

車両や事務所費を除けば、清掃道具・洗剤だけであれば10~20万円もあれば開業は可能です。

 

もちろん車両を購入するのであれば中古でも数十万円かかりますし、事務所を借りるのであれば保証金など賃料の10か月分程度は見込んでおく必要がありますが、ハウスクリーニングの開業に必ずしもそれらが必須という訳ではありません。

ホームセンターやインターネットでも洗剤は購入することが出来ますし、一部の用品を除きクリーニング業者でなければ購入できないという事もないでしょう。

 

ハウスクリーニングの独立・開業で大切なことは、用途に応じた洗剤の使い方・用具の使い方といった専門知識をしっかりと持つことです。

高額な洗剤を購入するよりも、選ぶ洗剤とその使い方を熟知している事が先決となります。

ハウスクリーニング業の利益はほぼ技術料です。

プロとしてその技術を売っていく訳ですから、まずはクリーニングの専門知識を学ぶようにしましょう。

 

ハウスクリーニング開業の資格は?

先ほども少し取りあげたように、ハウスクリーニング開業にあたり特別な資格は必要ありません。

ですがハウスクリーニング系の資格を取得しておく事により、そこから知識を得られる事もありますし、顧客獲得時に信用に繋がることもあるかもしれません。

ハウスクリーニング系では以下のような資格が挙げられます。

  • ハウスクリーニング技能士
  • ハウスクリーニングアドバイザー
  • クリーニングインストラクター
  • 掃除検定
  • ハウスクリーニング士

 

最初から洗剤や掃除用具の使い方を熟知していれば良いですが、全くの未経験から知識や技術を学ぶことが難しいという人もいるかと思います。

そのような人であれば資格取得から入るというのも一つの方法です。

また資格を取得しておく事で転職時に有利になったり、人に指導できる機会もあるかもしれません。

 

ですが繰り返しになりますがハウスクリーニング開業には資格は必須ではありません。

資格を取得しなくても入社できる会社はたくさんありますし、ネット等でも基本的な情報であれば入手できます。

ハウスクリーニングの独立開業において、自分にとって資格取得が必要かどうかじっくりと検討するようにしましょう。

 

ハウスクリーニングで開業届けは必要?

ハウスクリーニングで開業をする場合、開業届けは必要になるのでしょうか。

どのような業種においても、開業時に開業届を提出する人は多くいます。

開業届を提出するという事は、税務署に「個人事業の開廃業届出書」を提出するという事です。

開業届を提出することにより、青色申告ができるようになったり、屋号の銀行口座が持てる等のメリットが生まれます。

 

ですがこの開業届を未提出であっても、罰則が定められている訳ではありません。

実際に提出しない人も中にはいます。

自分で開業届を提出したい方は、開業をしてから一か月以内には提出をするようにしましょう。

 

ハウスクリーニング開業に必要な道具は?

ハウスクリーニング開業に必要な道具にはどのようなものがあるでしょうか。

一例を挙げてみます。

掃除用具

電気掃除機・作業用エプロン・モップ・はたき・ほうき・ちり取り・たわし・雑巾・歯ブラシ・金属ブラシ・スポンジ・パッド・スクレイパー・バケツ・延長コード・コードリール・カミソリ刃・ドライバー・スクイジー・ゴム手袋・ハンドスプレー・クッキングペーパー・サンドペーパー・その他

洗剤

中性洗剤・弱アルカリ性洗剤・アルカリ性洗剤・漂白剤・クレンザー・溶剤・ペーパー類・金属磨き材・その他

上記は一例ですが、必ずしも全てを揃える必要はありません。

ホームセンター等で揃えられる道具も多いですし、それこそちょっとした消耗品類であれば100円均一で購入できるものもあります。

ハウスクリーニングの独立開業で必要なコストは、主にこれらの道具・洗剤や車両維持費・ガソリン代が中心となります。

そのためこれらのかかる経費以外はほぼ利益となり、ハウスクリーニングがいかに利益率の高いビジネスかが分かります。

 

ですがこれらの道具や洗剤は高額であれば良いという訳ではなく、その用途に合わせた使い方が肝心です。

未経験者であれば信頼のおける会社に入社する等、一定期間修行をしてから開業を検討するのが良いでしょう。

スポンサーリンク

ハウスクリーニング開業時の年収は?

ハウスクリーニングで独立・開業をした際、その年収はいくらくらいになるのでしょうか。

一概には言えませんが、開業時の年収は200万円にも届かない人が殆どかと思います。

200万円と聞くと少なすぎると感じる人もいるかもしれませんが、現実として開業時からハウスクリーニング業で大きな売上を築くことは中々困難です。

 

顧客を開拓していき軌道に乗っていったとしても、個人のハウスクリーニング業であればその平均年収は300~400万円といった所でしょう。

年収として何とか食べていけるレベルの人も多く、サラリーマンの平均年収にも届かない開業者がかなりの数存在します。

またこの年収を維持するだけでも朝から晩まで働き、休みもほとんど取れないといった状態がしばらく続くかもしれません。

年収が安定しないうちはサイドビジネスとして他の仕事と並行する等、生計を維持していく工夫も必要になります。

 

ハウスクリーニング起業で失敗する理由

ハウスクリーニングで起業をして大きな収入を築きたいと考える方は多くいるかと思います。

ですが残念ながら、その多くの人が起業に失敗をし撤退していきます。

 

ハウスクリーニングの起業に失敗する理由として、まずその参入障壁の低さが挙げられます。

「低資本で始められる」「資格・許可不要」「ランニングコストが多くかからない」等、誰でも簡単に取り組めそうなイメージから、無計画に安易にハウスクリーニングで起業をする人は多いものです。

ですが現実としては、開業する事は簡単なものの、実際に売上を築くことが難しいことに起業してから始めて気付きます。

 

またハウスクリーニングと言うと、一般家庭に訪問してクリーニングを行い料金をもらうといった仕事をイメージする人が多いかと思います。

ですが実際には個人単位でハウスクリーニング業だけで生計を立てる人は少なく、大手業者や関連業者がその複合業務の1つとしてハウスクリーニング業を行っているに過ぎません。

そのためもし個人でハウスクリーニング業を始めるとなると、必然的に競合相手が大手会社になり、資本力のない個人は簡単に競争に負けてしまいます。

 

またハウスクリーニングと言うと大きな需要が見込めそうなイメージもありますが、個人家庭においてその需要は僅かです。

例えば自分の家のキッチンが汚れているとして、一万円以上の費用がかかるハウスクリーニング業者にすぐに依頼をしようと考える人がどれくらいいるでしょうか。

恐らく多くの家庭では自分で掃除してみようと考えたり、ホームセンター等で見合った製品を購入して掃除しようと考える筈です。

それだけハウスクリーニング業はニッチであり、特に個人開業で仕事を拾っていく事は難しい事です。

ハウスクリーニング開業時は、軌道に乗るまでしばらくは厳しい売上数字が続くと考えていた方が良いのかもしれません。

 

ハウスクリーニングの集客

ハウスクリーニングを個人で開業するとしても当然に継続的な売上げが必要です。

個人でやるには経費などを差し引くと月収ベースで40~50万欲しい所ですが関東でもこれくらいの売上げを維持している一人親方は少ないもの。

1人開業で月20~30万円の売上げがあれば成功の類と言えるでしょう。

大手の客単価が15000円前後とすると、個人でやる場合の単価が8000円としても月に25~40人の受注が必要。

1日1件と考えれば簡単そうにも見えますが、実際にはそこまで受注に結び付かないのが現状かと思います。

 

開業当初は需要を掘り起こす意味でも、まずはハウスクリーニングサービスの快適さを顧客に知ってもらう事も大切です。

どの家庭でも共通しているのは「クリーニング業者を呼ぶほどではない」という感覚からハウスクリーニング未体験の顧客が多いものです。

そのため最初は無料や割引料金の提示・部分清掃などお試しのサービスを打ち出し、クリーニングサービス体験してもらう事が必須と言えるでしょう。

 

またハウスクリーニングに依頼する顧客は以前にも他業者で依頼していた経験がある人が多いので、自分に依頼してきたという事は前の業者に何か不満が募ったケースもあります。

その不満を聞き出し、それを満たす仕事をしてあげることは次回の仕事の受注にも繋がります。

特にお年寄りはクリーニング以外の仕事を頼んでくる事も多く、この仕事は御用聞きの一面もありハウスクリーニング業は顧客の信頼を得る事が大切です。

顧客との信頼関係が構築できれば、掃除以外の仕事を任される事もあるでしょう。

 

またハウスクリーニングのターゲットは単身世帯よりは、高齢・ファミリー世帯です。

若年層はハウスクリーニングに依頼するという発想自体が頭にありません。

ファミリー世帯では共働きの人もいれば高齢の人・小さいお子さんがいる人・主婦でも掃除が嫌いな人・ハウスダスト等で清掃が難しい人・素人の清掃ではどうにもならない状態になってしまった場合等、色々なケースが想定されます。

 

またハウスクリーニング業のリピート率というのは他業種と比較しても高いと言われています。

掃除は定期的に必要であり、一度そのハウスクリーニングの仕事や料金設定に満足した顧客はリピートする確率が高いです。

高齢者や主婦顧客であれば、その口コミから受注を見込みやすいといったメリットもあります。

 

大手と差別化をするには?

大手サービスを見るとエアコンクリーニングやフロアクリーニング・キッチンクリーニングなどサービスが区分けされ提供されている事も多いかと思います。

しかしその殆どが技術料と人件費として成り立っており資材コストはその内の僅かでしかありません。

大抵のハウスクリーニング業者の資材コストは売上げの10%以下。

価格競争に巻き込まれる恐れはあるものの、まだまだ低価格での提供余地はあると思いますし、大手が提示している金額よりも割安に作業を行う事が出来る筈です。

 

また個人開業でハウスクリーニングを考えるのであれば専門分野を作る事が考えられます。

例えばキッチンのクリーニング専門や風呂場専門・床面のクリーニングなどその専門性に特化して仕事を請け負うこともあります。

浴室1つを取ってもカビ汚れは素人では除去できないケースも多かったり、風呂釜のパイプは水垢や髪の毛が密着している事も多いものです。

依頼者の中には作業が困難という人の他にも時間がない・作業が面倒等の理由でクリーニングを依頼したい人もいるでしょう。

特に油汚れが取りにくいキッチンや分解が必要なエアコンなど、素人が掃除する事が難しい専門分野に的を絞りPRしていく事が効果的です。

 

また一般家庭のクリーニングだけではなくオフィスのクリーニングも検討できます。

ご存じの通り現在のオフィスでは様々なOA機器を設置しておりそのクリーニング方法も様々。

機器や家具の種類により洗浄方法も異なる為、それに応じた洗浄技術やノウハウが必要になり、OA機器やブラインド・ローパーや天井など部位に応じた洗浄が求められます。

またオフィスは主に土日祝にクリーニングを依頼する傾向がある為、ハウスクリーニング開業を副業的に考えている人でも検討できます。

 

ハウスクリーニングと不動産業者

ご存じの方も多い通り、ハウスクリーニング業者が多くの顧客を掴めるパートナーとして不動産業者があります。

不動産業者は管理物件をかなり抱えていますし、入居者が退去すると原状回復工事が必要になります。

主にはクロスの張り替えや清掃がメインになってきますので、ここに食い込めれば収入は安定します。

賃貸市場は1~3月が繁忙期・また清掃業は年末の11~12月が繁忙期になりますので、秋口から冬の終わりにかけて集中して営業をかけていく事になります。

 

しかし当然に不動産業者には既に提携先業者がある事が普通ですので、既存の提携先よりも大きな差別化や低価格サービスを打ち出した内容で営業をかけなければなりません。

価格帯を他社より安くしたりクロス単価を引き下げる・引っ越しの一部を請け負う・アパマンだけではなくテナント清掃等も請け負う等、色々とアイデアを考える必要があります。

 

また不動産屋に限って言えば不動産屋は3種類あり、FC系・大手・地場の不動産屋などがあります。

ですが大手やFCほどハウスクリーニングの依頼の単価が安く、管理物件を抱えず仲介専門の場合が多い事や、自社でハウスクリーニングのシステムが既に確立されている事も多いです。

ですから地場の不動産業者と懇意になって仕事をもらい幾つも掛け持ちする形が一番稼ぎ易いようにも思います。

個人が不動産業者とパイプを持つ事は中々難しいですが、繋がりが持てればハウスクリーニング業として収入は安定しやすくなります。

 

ハウスクリーニングの開業・独立まとめ

ハウスクリーニング開業について書いてみました。

ハウスクリーニング業界というのは他業種と比較するとまだまだ独立者が少ないように感じます。

もちろん簡単に稼げる業界ではなく、やはり競合が多過ぎるという点・ノウハウが周知されていない事・肉体労働であるという事が、独立希望者がイマイチ増えない理由の1つにもあると思います。

個人がこれから参入していくのはハードルも高いですが、やり方次第ではまだまだ需要は掘り起こせるかと思います。

興味がある方はまずどこかの会社に入社をし技術・ノウハウを吸収する事から検討してみるのも良いのではないでしょうか。

それでは今日はこの辺で。

スポンサーリンク