建築士の独立・開業・稼ぎ方

建築士の独立・開業・稼ぎ方

今回は建築士の独立・稼ぎ方について書いてみようと思います。

以前から比較的人気の高い職業が建築士です。建築士は建物の設計・ 工事の監理を行うのが仕事です。

設計した図面等を元に現場で指導・監督を行っていきます。

建築士になるには一定の受験資格が必要で主には学歴と実務経験が必要になります。例えば高校の建築・土木科を

卒業した人は実務経験3年・大学・短大の建築・土木科を卒業した人は実務経験1年・まったく学校を卒業していない

人は7年の実務経験が必要になるなどの一定要件があります。そうした受験資格をクリアしてやっと年1回の

「学科の試験」と「設計製図の試験」を受験することができます。

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工事現場等で見た事がある人もいるかもしれませんが建設や工事は大工の仕事ではありますが

その工事の進捗が設計通り進められているのかを監理するのも建築士の仕事です。

昔「結婚できない男」というドラマがヒットしましたがあの阿部寛さん主演の仕事がまさに

建築士で建築士の個人独立事務所の話を描いていましたね。

建築事務所では設計事務所や住宅メーカーで勤務している人が多く顧客からの建築イメージを図に表し

顧客の予算の範囲内で建物設計をしていきます。顧客のイメージも様々で二世帯住宅を作りたいとか

西洋風の清潔感溢れる家が良いとかキッチンがとにかく広い家・伝統的な平屋建てが良い等、

顧客それぞれに合った建物を建築していきます。またドラマの風景でもよく出てきましたが

ミニチュアモデルを顧客に示しながら完成予想をイメージさせ一緒に作り上げていくのも建築士の

大切な仕事の1つです。また予算の範囲内で建築構造や柱・基礎・壁・屋根・天井等の材料も細かく指定し

現場でその通り施行されているか等も確認していきます。また以前耐震偽装問題が話題になりましたが

建築基準法等の法施工通りに耐震基準を満たしているか等も1つ1つ確認していかなければならない仕事です。

また建築工事の現場でも建築士が立ち合いをする事が多いですが、中には作り手の大工との意見が

折り合わず進捗がうまく進まない等のトラブルが発生する事もあり設計のみだけではなく周囲との

コミュニケーション能力も問われてきます。

建築士には1級建築士・2級建築士・木造建築士があり1級建築士は高層ビルから住宅までほぼ全ての

建築物の設計・監理をすることができますが2級建築士は延べ面積が30㎡から300㎡までの鉄筋コンクリート造、

鉄骨造、木造の建築物の設計・工事監理を行う等の範囲も限定されており木造建築士においては

木造1階または2階で、延べ面積300㎡以下の木造建築物の設計・工事監理を行うというようになっています。

設計を依頼する顧客側からすればやはり1級建築士が信頼を得やすく特に最近では大手メーカーの耐震偽装等も

あり信頼のおける建築士の育成にも注目が集まっています。独立を目指すのであれば尚更1級建築士が必要になる

でしょう。また一言に設計と言っても大きく分けて2種類あり

構造設計と設備設計があります。構造設計は強風や地震に耐えうる建物かどうかを検討する設計方法で

最近ではもっぱらコンピュータ化されていますが最終的な判断はやはり建築士等の専門家に委ねられています。

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また設備設計は風呂・トイレ・洗面台などを大規模な建物に設置する際にはより設計も複雑になるため

建築設備の専門家が必要になります。また平成26年からは「延べ面積2000平方メートルを超える建築物の建築設備に係る設計

または工事監理を行う場合に、建築士は建築設備士の意見を聞くよう努めなければならない」という努力義務規定

も設けられるようになりました。

さてそんな建築士の独立ですが先行きは明るいようには思えません。まず建築士自体が全国に100万人

以上いると言われており殆どがメーカーや大手設計事務所など勤務建築士のため、独立開業をして

注文を拾ってくるという事は難しいように思われます。また昨今では公共事業も削減傾向にあるため

今後人気の建築士とそうでない建築士の二極化は増々進んでいくでしょう。昔は建築士資格を取得していれば

安泰なんて時代もありましたが今ではそう上手くはいきません。またどこかの建設会社等の知り合いや伝手が

無い限りコンスタントに仕事をとるのが大変なことや短納期や予定外の仕事が来る事も多いので収入にも

バラつきが出やすいのもこの仕事の特徴です。またあくまで顧客の要望が最優先されるため、要望された

デザインで設計しても法基準に引っかかって設計が手詰まりになってしまったり締め切り間際に予算の変更を

言い渡されたりと早朝から夜中まで休みなく働いている建築士も多くいます。まして今では独立には

管理建築士の設置が義務付けられているため、管理建築士を別に雇うか自分で実務経験を3年以上

積まなければなりません。また建築士であれば仕事が来るかと言えばそれは間違いでやはり独立する以上

建築士としての能力と同じくらい営業センスが必要になってきます。設計士ですから設計能力はあって当然であり

営業能力は、センスや感性も必要になりますので個人から独立するのであれば尚更営業能力が必要になります。

また施主の立場でも下請けとして使う立場であっても、仕事を頼むのに重視するのは実績です。構造設計事務所や

建設会社など幾つかの会社で実績を積みサラリーマン時代に人脈を広げその伝手を持って独立する流れが一般的になります。

また大手設計事務所等では学歴も大学院卒を条件としている所が多いのも事実であり、高卒で受け付けてもらえる

所は少ないように思います。またハウスメーカやゼネコンも設計だけ個人事務所に任せるという事は少なく

設計~施工管理まで一括注文が普通でありただでさえ毎年住宅着戸数も減り続けているので建築士独立の道のり

は増々厳しいものになっていくでしょう。今後の建築士の新たな方向に期待したい所です。それでは今日はこの辺で。

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