買い物代行業で独立・開業するには?成功のポイントを解説
今回は買い物代行業の独立・開業について挙げてみたいと思います。
買い物代行業とはその名の通り、人の買い物を代わりにしてきてあげるお仕事です。
買い物なんて自分でできる・ネットで買い物をする時代に買い物代行のニーズなんて無いという人もいるかもしれませんが、意外にそうでもありません。
特に地方等では古い商店などが姿を消し始めている事もあり、高齢者をターゲットにした買い物代行も増え始めています。
また買い物代行業は以前メディアで取り上げられた事もあり、その認知度も上がってきたようです。
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目次
買い物代行業で起業・開業するには?
買い物代行業で起業する際には、どのような手続きが必要になるのでしょうか。
基本的に、買い物代行の起業時には特別な許可は不要となっています。
食品の製造や販売を行う時の食品営業許可なども必要ありませんし、宅建業や人材派遣のような免許も不要です。
なお、開業時には税務署への開業届を提出します。
開業届を提出する事で青色申告ができたり、屋号の口座を作れるといったメリットもあります。
開業届は税務署への持ち込みや郵送の方法もあります。開業届を提出する際には開業後一か月以内に提出をするようにしましょう。
買い物代行業に必要な資格・届出は?
買い物代行業に資格は必要なのでしょうか。
一般的な代行業務であれば資格は不要ですが、取り扱う商品や業務内容によって免許や資格が必要とされる事も考えられます。
例えば酒やタバコ・医薬品等の場合、ケースによってそれが販売行為にあたる場合には免許が必要とされる可能性もあるかもしれません。
もしくは買い物代行をしても、軽自動車やバイクでその商品を顧客に配送をする場合には、貨物軽自動車登録が必要になる事もあるでしょう。
また資格や届出が不要であったとしても、買い物の代行をする際には以下のような商品も注意しておいた方が良いでしょう。
- 動植物
- 火気・火薬類
- 海外からの輸入品
- ブランド等の模倣品
- 生鮮食品
- 大きさ・重量が大き過ぎるもの
- その他法令等に違反するもの
また買い物代行で今後トラブルや事故が起きた場合、それをきっかけに資格や届出等の規制が強まることも予想されます。
現在の所では買い物代行業を始めるにあたり特別な資格や届出は不要のようですが、取り扱う商品等によって規制を受ける事がないか常に確認をしておく事は大切です。
また買い物代行業は参入が容易であり誰でも起業しやすい反面、利用者の立場からすればその業者の善し悪しの判断が付きにくい事から、資格等を活用していく事により代行業者としての信頼を築いていく方法も考えられます。
ネットショッピングの買い物代行とは?
買い物代行の中には、ネットショッピングを利用した代行もあります。
例えばネット上の限定商品の買い物代行や入手難商品の買い物・利用者IDがないために代わりに買い物して欲しいといったニーズや、お年寄りなどネット環境がない利用者の買い物代行も考えられます。
もしくはネット上の買い物に慣れていないといった人や、自分が希望する決済手段がない・ネット上での個人情報開示に不安があるといった代行ニーズもある事でしょう。
事業者側としてもネット上での買い物代行であれば経費も抑えられ、効率の良さもメリットになります。
今後もスマホ等を利用したネットショッピングが買い物の中心になっていくとすれば、買い物代行としても大きな需要が見込める可能性があります。
ですが一方で、ネットショッピングを利用した「代行詐欺」「荷受け詐欺」にも注意が必要です。
ネットショッピングで買い物を代行する場合、やり方によっては本人になりすます為に他人に買い物を代行してもらうといったケースも考えられます。
例えば自分名義で契約をしたくない商品など、代行者名義で購入させられる可能性もありますし、購入後にその商品が犯罪等に使用される可能性もゼロではないでしょう。
確かに買い物代行という仕事は「他人のために買い物をしてあげるお仕事」ですが、その仕組みを利用した詐欺・犯罪行為も考えられますので、本人確認を徹底するなど十分に注意をしましょう。
高齢者の買い物代行の需要は?
買い物代行は幅広い世代にニーズがありますが、中でも高齢者への代行需要は大きいと言えます。
高齢者への買い物代行の主なニーズとしては以下のような点が挙げられます。
- 地方でスーパーやお店が少ない
- お年寄りで外出が面倒
- 足腰が弱く重い荷物が持てない
- ネットショッピング等に不慣れ
- 体が不自由で買い物が困難
- 購入したい商品が遠方にある
高齢者でも買い物代行に対するニーズは様々である事から、それぞれのニーズに対応できるサービスの展開が求められます。
高齢者への買い物代行の方法としては、電話やFAX等で注文を受け付け、自宅周辺のスーパーやドラッグストア等で指定の商品を買い付けをし、顧客宅に戻り清算をするといった流れが一般的でしょう。
特に高齢者への買い物代行としては、「注文方法が明確で分かりやすい事」が大切です。
決済手段から注文方法・料金システム・買い付け可能な商品など、お年寄りでも分かりやすいようなシンプルな利用方法を示してあげる必要があります。
例えば高齢者が買い物代行を初めて利用する場合、以下のような点を不安に思うかもしれません。
- 近隣でどの店舗に代行を頼めば良いか
- どのような商品の買い物をしてくれるのか
- 決済方法はどのような種類があるか
- 買い物可能な距離(範囲)はどこまでか
- 利用料金はいくらなのか
- お金の立て替えは可能か
- 重さ・距離によっての料金の変動
- 注文方法は?(メモ書き・FAX・ネット等)
- 買い物店舗を指定することは出来るのか
- 顧客側が準備しておく事はあるか
- 担当者の指定はできるのか
- 室内まで搬入してくれるのか
- 途中で解約する場合の注意点など
また高齢者への買い物代行は単純に買い物を済ませるだけでなく、御用聞きのように身近で安心感を与えられる存在である事も重要です。
特に買い物代行を利用する高齢者は1人暮らしや老夫婦世帯が多いことから、頻繁に自宅に立ち入りする代行業者にとって顧客からの信頼感は欠かせません。
また顧客から信頼を抱いてもらう事で、買い物代行以外の日常の細かな仕事まで頼まれる事もあり、新たな仕事の受注に繋がる可能性も考えられます。
高齢者への買い物代行業には、訪問介護施設や便利屋など他業者の競合も考えられる事から、サービスとしての差別化を図ることも大切です。
例えば掃除や料理・ゴミ出しといった家事代行サービスもセットにしたり、サービスをオーダーメイド制にする等、高齢者一人一人の立場に立ったサービス展開が求められます。
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買い物代行サービスの料金はいくら?
買い物代行サービスの利用料金は1時間あたり2000~3000円程度が一般的。
もしくは定期利用契約で料金が定額制になっていたり、商品代金の○%程度と設定している業者もあるでしょう。
利用者の一か月の負担額としては恐らく12000~25000円程度。
どれだけの固定客を見込めるかが大切です。
もちろんただ安ければ良いという訳でもなく、料金が安すぎる場合には買い物スタッフの質が問われる事もあり、料金の範囲内でどれだけのサービスを提供してもらえるのかといったクオリティも重視されます。
また代行業者の多くは初回の「お試し価格」を実施しており、まずは買い物代行のメリットや使いやすさを利用者に体験してもらい、リピーターに繋げていくといった方法が一般的かと思います。
買い物代行では当然にその交通費も必要となる事から、利用者に分かりやすい料金設定が求められます。
上記のように現在の買い物代行業者の多くは買い物1回○○円といったように、利用毎に料金が発生するシステムになっている所も多いです。
ですが利用者の立場から考えてみると、毎回料金が発生するよりも、月額制などの固定料金の方が利用しやすいようにも感じられます。
結果的に顧客の安心感を得られる事から、契約に結び付きやすいといった側面もあるかもしれません。
料金システムは利用者が敏感になりやすい部分でもある事から、十分に設定内容を検討したい所です。
買い物代行は副業にできる?
買い物代行は本業としてだけではなく、副業としても検討できます。
特に開業当初は売上が安定しない事から、副業から始めた方が良い場合もあるでしょう。
例えば利用客一か月の平均利用料金が15000円として、契約数が10契約(10名の利用客)とすると、月に15万円程度の売上が見込めることになります。
もちろん20契約~あれば30万円前後の売上も考えられます。
副業としての副収入とすれば十分な金額です。
ただし副業として安易に考えすぎる事は禁物です。
例えば配達回数で考えると、10契約だとしても週1回の利用で月に40回の買い物をこなさなければなりません。
本業をしながら月に40回の買い物ができるかと言えば、中々困難でしょう。
副業として買い物代行を考える場合には、本業との兼ね合いや、自分が業務として請け負える範囲の見極めが必要と言えます。
買い物代行のリスクとは
買い物代行を開業するにあたり、リスクはあるのでしょうか。
様々な代行業者がありますが、最近注意したいのが大手メーカーの代行業です。
メーカーと正規に提携した会社であれば問題ないですが、サイト等があたかも正規提携店のように見せかけ、代行を誘導するようなサイトや企業が時々見受けられます。
そのようなサイトの特徴としては商品代金に手数料を上乗せしていたり商品代金によって手数料を替えている・商品点数によって代行代金を変えている会社とそれぞれ料金体系が異なりますが、メーカーの提携先のように顧客を誤認させて代行を誘導する行為は法に触れる可能性があります。
また勝手に企業の商標等を使うことで商標権の侵害等で訴訟に進展するケースも考えられますので、顧客を誤認させるような行為はしないように注意したい所です。
まずは先ほども挙げたように、詐欺や犯罪に知らぬ間に加担してしまうリスクも考えられます。
殆どの買い物代行の利用者は外出が難しい等の事情で代行を利用しますが、中には代行業者を利用する事によって自分以外の名義で不正に商品を入手しようと考える人もいるかもしれません。
もしくは単純な買い物代行のつもりが、法に触れるような商品を取り扱ってしまったというケースも考えられます。
詐欺や犯罪に巻き込まれることのないよう、慎重に業務をこなすことが求められます。
また商売である以上は、買い物代行においても当然に他社競合の存在があります。
買い物代行と言うとニッチなビジネスのようにも見えますが、既に多くの企業がこのビジネスに乗り出しており、中には買い物代行1回につきワンコインで利用できるサービスもあるようです。
今後は本格的な高齢化社会を迎えるにあたり、競合他社の存在も注視していかなければなりません。
また買い物代行は車両等を使うことが多いことから、当然に移動中の事故のリスクは常に付きまといます。
特に買い物商品によっては、知らない土地やお店に買い出しに行く機会も多くなる事が予想されます。
くれぐれも運転中の事故には注意をするようにしましょう。
今後買い物代行を起業するには?
買い物代行は高齢者向けのサービスのイメージも強いですが、最近では利用者が若年層にシフトしてきた傾向もあります。
特に入手難の商品などは買い物代行業者に依頼してでも、どうしても入手したい商品というのが人それぞれあります。
例えば入手難のク○ムハーツのアクセサリーが欲しい・雑誌で掲載されていて売り切れたレディースの○○コートが欲しい等、要望は様々です。
最近ではマニアックな商品を単品名指しで指名してくる利用者もいる為、代行業者としてもある程度流行やファッションの売れ筋を意識しておかなければなりません。
中古品を代行買付するとしても、その商品の中古流通市場をある程度把握しておかなければ入手も困難でしょうし、海外製品であれば多少の語学は理解していなければ仕入が困難になるケースもあります。
また今後は買い物代行という今までの日用品等の大まかな買付代行から、ある特定のカテゴリ(アパレル・アクセサリ・漫画・コンサートグッズ・絵画・スイーツ等)に絞り差別化を図っていく事も大切でしょうし、買い物代行という枠を一歩踏み込んで鑑定やコンサル・コーディネート業などを兼務するサービスも良いかもしれません。
今後は買い物代行業においても他社競合が多くなってくる事が予想され、今までのように単純に買い物を代行するだけでなく利用客それぞれのニーズを汲み取り、顧客に選ばれる代行業者を目指していきたい所です。
買い物代行業の独立・開業まとめ
買い物代行業の開業・起業について幾つか挙げてみました。
今ではネットスーパーや宅配代行など様々なサービスが増えており、買い物代行も注目を受けているサービスの一つです。
特に今後は買い物弱者とも言える高齢者層が増えていき、買い物代行は周囲との橋渡し役になっていく事も考えられます。
それだけに代行業者としても社会的責任や役割を意識した仕事が期待されます。
今後の新たな買い物代行業のサービスに期待したいですね。
それでは今日はこの辺で。
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