宅配サービスを開業するには?資金や売上・年収などポイントを解説
今回は宅配サービスの開業について挙げてみたいと思います。
最近では宅配サービスの利用が目立ってきました。
宅配業者のみならずコンビニやスーパーまでもが弁当・惣菜や健康食品の配送を行っています。
中には有機野菜の宅配や衣料品・雑貨日用品などの宅配サービスまでもが始まっています。
今後はネットの普及や高齢者の宅配利用の増加が見込まれ、増々注目を集めていきそうです。
今回はそんな宅配サービスの開業について触れてみます。
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目次
宅配サービスを開業するには
宅配サービスを開業するにはどのような許可・手続きが必要になるのでしょうか。
まず宅配サービスというのは「貨物自動車運送事業」にあたります。
貨物自動車運送事業とは、有償で自動車を使用して貨物を運送する事業のことを言います。
この貨物自動車運送事業には以下のような事業が該当します。
- トラック配送
- 宅配便
- 引越業者
今回の宅配サービスにおいてもお金をもらって物を運ぶことから貨物自動車運送事業にあたります。
よく言われる「緑ナンバー」というものです。(貨物軽自動車運送事業は黒ナンバー)
事業として配送を行う場合は、特定貨物自動車運送業として運輸支局長への届出が必要になっています。
併せて営業時には都道府県の条例によっても規制があるケースもあるので、自治体にも確認が必要です。
また宅配サービス開業の場合には万一に備えて、事業用自動車保険・貨物保険などの保険も検討しておきましょう。
宅配サービスの開業資金は?
宅配サービスの開業資金はどれくらい必要になるのでしょうか。
これは開業する宅配サービスの事業形態によって大きく異なります。
例えば宅配弁当を例に挙げると、自店で調理したものを宅配する場合には料理場や厨房設備も必要になりますし、既に工場等で調理された商品を宅配する場合にはテナント自体が不要な場合もあるでしょう。
もしくはフランチャイズ加盟し業務委託の形で開業する場合でも、100万円前後で開業可能なFCもあります。
低資本で宅配サービスを開業するとしても、車両・駐車場契約料・任意保険・備品(カーナビ・携帯電話・台車・地図・毛布・領収書・判子)などを揃える事になりますので、一人開業だとしても100~200万円の開業資金は必要になるでしょう。
車両の購入が難しい場合には2~4万円程度からリースも検討できます。
開業時には自分がどのような宅配サービスを行っていくのか、具体的な計画を立ててから開業資金を検討するようにしましょう。
宅配サービスの種類は?
宅配サービスとは言ってもその種類は様々です。
宅配サービスの種類はどのようなものがあるのでしょうか。
インターネットや商品カタログで注文した食材を定期的に自宅に届けてくれる宅配サービス。
食材そのものを届けたり、半調理品を届けるサービスもあります。
弁当屋など、調理済の弁当を宅配してくれるサービス。
自宅だけでなく、会議室やイベント等に宅配してくれる所も。
お酒をお店や各家庭に宅配するサービス。
重量があるため体力を必要とすることも。
ピザを注文してくれた顧客宅に届ける宅配サービス。
デリバリーの代名詞とも言えるほど利用者も多い事でしょう。
外出が難しい高齢者や入手難商品など、買い物を代行してあげるサービス。
宅配とは少し異なるかもしれませんが、頻繁に買い出しに行く必要があります。
高齢者のための食事を始め、カロリー調整等がされている介護食を自宅に宅配するサービス。
宅配としてだけでなく、高齢者の定期的な見守りサービスとしても利用する人がいます。
大手通販商品の小口注文などを請け負い、宅配するサービス。
フランチャイズ等の業務委託にもあり、出来高制になっているケースもあります。
アプリ等から各飲食店の料理が注文できるようになっており、その調理品を宅配するサービス。
現在で言えばウーバーイーツのように多くの飲食店のデリバリーが可能となっています。
電話帳や一般紙など、各自宅に宅配をするサービスです。
宅配サービスの開業とは言ってもその商品やサービスは様々です。
また取り扱う商品によって需要や配達のしやすさ・利益率等も異なります。
自分に合った宅配商品を検討するようにしましょう。
宅配サービスの開業は儲かる?売上は?
宅配サービスの開業は儲かるのでしょうか。
ここでは一般的な委託形式の宅配サービスの売上について、シュミレーションとして考えてみます。
売上条件
- 配送単価:1件あたり180円
- 1日配送件数:90件
- 25日稼働
- 月商:405000円(180円×90件×25日=405000円)
経費条件
- 駐車場代:2万円
- ガソリン代:3万円
- 自動車保険:2万円
- メンテ費用等:1万円
売上項目 | 売上額 |
売上合計 | 405000円 |
経費項目 | 経費額 |
駐車場代 | 20000円 |
ガソリン代 | 30000円 |
自動車保険 | 20000円 |
メンテナンス費用等 | 10000円 |
経費合計 | 80000円 |
【売上合計】405000円-【経費合計】80000円=325000円
シュミレーション上では、325000の営業利益となります。(シュミレーションであり実際の収支とは異なります)
この他にも車検がかかる事もあるので経費として計上しておく必要がありますし、リース料がかかる場合もあります。
また配送中に高速を利用した場合にはその費用もかかってきますし、配送中の経路によってはガソリン代等も変動してくるでしょう。
宅配サービスは1件あたりの単価+配達可能件数がどれくらいか、また月々の細かい経費をどれだけ抑えられるかがポイントと言えます。
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宅配・運送業の自営の年収は?
宅配や運送業の自営業の年収はどれくらいになるのでしょうか。
これは会社の規模や配達件数等によっても大きく異なりますが、個人一人で業務委託として仕事を請け負っている人であれば、300~400万円程度の年収が多いかと思います。
上記のシュミレーションでも挙げたように、1日の配達件数が100件でも年収ベースであれば300~400万円程度。
もちろん配送単価の高い業者さんもありますし、個人で200件近く配送する事も可能なので一概には言えませんが、個人事業として500万円以上の年収を稼ぐことは簡単ではないように思います。
宅配サービスは低資本でも開業しやすい業態ではあるものの、大きな収入を築くためには配送単価や件数を稼ぐ工夫が必要と言えるでしょう。
軽運送を副業にする事はできる?
やり方によっては宅配・軽運送を副業にする事も可能です。
例えば1日の配達件数を30~50件程度に抑えれば、本業を抱える人でもこなす事ができるかもしれません。
収入としても月に10万円程度なら稼ぐこともできますし、副業としては十分な金額です。
また現在では運送業者等でも人手不足が深刻になっており、開業形態でなくともアルバイトとして副業にする事もできます。
軽自動車による運送業は届出制で黒ナンバーを取得して1人でも開業することが出来るので、なおさら副業向けとも言えるでしょう。
副業として軽貨物運送を行うのであれば、できれば軽い荷物を中心に取り扱う仕事を請け負うのがベスト。
例えばコピー用紙や軽めの食材、病院の薬など、体力をさほど要しない荷物を扱った方が良いかと思います。
請負やアルバイトにしても、現在では週2日のみや週末のみといった働き方も可能なので、これから副業を始めたい方は軽貨物運送も検討できると思います。
ですがあくまで副業であり、配送中に事故を起こしてしまったり本業に支障が出るようでは台無しです。
無理をしない程度に副業を考えるようにしましょう。
軽貨物の独立で失敗するケースとは
軽貨物運送業で独立をしたとしても、残念ながら失敗をしてしまうケースも考えられます。
軽貨物で失敗するのにはどのようなケースが考えられるでしょうか。
軽貨物の独立と言えば、開業当初はどこかの運送会社等と契約を結び、業務委託形式で仕事を請け負っていく事が多いかと思います。
ですが会社選びを間違えると、配送単価も低く思うように収入を上げる事ができません。
独立開業時の入り口となる部分ですので、会社選びは慎重にするようにしましょう。
独立開業時は多くの配達件数を稼ごうと必死になるかと思います。
ですが開業したての頃は、慣れていない事もあり多くの件数を廻ることが出来ません。
それこそ初心者であれば1日50件配達できれば良い方でしょう。
独立時には思うように配達ができず売上も見込みにくい事から、開業資金が尽きてしまう可能性も考えられます。
どこかの運送業者として契約をしたとしても、開業前シュミレーションと話が違うという事もあり得ます。
例えば車両購入だけさせてローンだけがかさんでいったり、ロイヤリティを取られる一方で仕事が廻ってこない等のケースも可能性として考えられます。
自分で新規開拓をしようにも、独立時には信用もない事から思うように提携先を確保できない事もあるでしょう。
いくら運送業界が人手不足とは言え、新規開業者にも仕事が割り振られるかどうかは事前に入念に確認をする必要があります。
宅配サービスの開業まとめ
宅配サービスの独立開業について幾つか挙げてみました。
大手を始め、今では多くの企業が宅配サービスに乗り出してきています。
軽貨物など宅配での開業希望者は多いものですが、残念ながら数年以内に撤退する人もいます。
それだけに仕事量の割には稼ぎにくい実態があるのかもしれません。
開業時の単価や配送件数の見極めがポイントになってくるのかもしれませんね。
それでは今日はこの辺で。
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