歯科技工士の独立・開業・稼ぎ方

歯科技工士の独立・開業・稼ぎ方

今回は歯科技工士の独立・開業について書いてみようと思います。

歯科技工士という仕事を始めて聞いた事がある人もいるかもしれません。歯科技工士は主に入れ歯や

差し歯などの義歯を製作する仕事です。人間の歯は年齢を負うと共に欠けたりして損なわれていきます。

またその人によって合う義歯は違いますし義歯によって健康状態や見た目も変わったりします。

また製作するのは義歯だけでなく矯正装置の製作なども扱います。口の中に入れる物ですから

その作業は繊細さを必要としそれ以上に技術力も重要になってきます。製作自体は歯科医師でも

可能ではありますが実際には専門の技術力が必要とされるため、製作は歯科技工士・装着は歯科医師

という役割分担がなされている事が一般的です。

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そのため歯医者の中に技工室があるケースもありますし

技工室を設けずラボ(歯科技工所)に製作を任せている歯医者もいます。つまり製作は歯科医と歯科技工士

の独占業務にあたります。現在の歯科技工士はほとんどが40代以上の高齢者が占めており、

今後本格的な高齢化社会を迎えるにあたり、特に若手の歯科技工士の役割は大きくなっていくでしょう。

まず歯科技工士になるには国家試験に合格しなければなりません。その受験資格を得るには

高校を卒業し歯科技工士の専門学校か短大を卒業・もしくは大学の歯科技工士養成課程を経なければ

なりません。ストレートに歯科技工士を目指すのであればやはり専門学校か短大に入学してしまうのが

近道と言えるでしょう。

そして受験資格を得ていよいよ国家試験に望む事になりますが歯科技工士の試験は学科試験と実地試験に

分けられます。受験料は34000円。試験日は毎年2月下旬に行われます。そして試験に合格し

歯科技工士免許を取得したらいよいよ技工士として活動する事が出来ます。とは言ってもいきなり

独立する人は稀でどこかの歯科医院や技工所に入社する人がほとんどです。そこで技術を磨き

独立していく流れになるでしょう。歯科技工士の修行時代はどの技工所も個人レベルで経営している

所が多く長時間労働+低賃金が一般的。歯科技工士としてはやはり独立開業が1つ先の目安ということに

なるかと思います。歯科技工士の独立・開業費用としては1000万円前後が一般的。

機材を中古やリースで揃えたとしても700万円前後かかる事が通常です。

歯科医との繋がりがカギ

また当然に技工所を開設するだけではやっていけず近くに歯医者がある事や歯科医院との繋がり・

歯科医たちの要望に十分に応えられるだけの技術も必要になってきます。その意味ではやはり

20代での開業は難しく早くても資金力・スキル・人脈が揃った30代以降の開業が望ましいと

言えるでしょう。また修業時代に培っておく事はどの歯科医がどのような仕事をしていてどのような

人か等を把握しておく事です。またその技工所がどのような営業方法で歯科医と接しているかを研究

しておく事も必要でしょう。この仕事はいかに歯科医たちと親密になっていけるかが鍵になっている

部分が大きく、1つの歯科医から他の歯科医を紹介してもらえるというケースがとても多いため

どれくらい自分を売り込んでいけるかが大切です。また歯科医とコミュニケーションを取っておく

のが大事なのは独立したとしても歯科医によって隣接面・適合性・研磨状態・形状など好みや優先順位が

異なるからです。その歯科医が技工士に何を求めているのかを把握しておく必要もあります。

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また独立後であっても気軽に相談できる歯科医がすでに数人いるような状態が望ましいでしょう。

独立後は3~4つの歯科医の顧客がいなければなかなか経営は成り立ちません。まして現在では

中国製の義歯が多く流通しており価格破壊が進行しており歯科医と技工士の話の展開もまず価格から、、

というケースも珍しくありません。

そのためリスクヘッジの意味でも幾つかの歯科医と懇意にしておくというのがベターと言えます。

意見できるくらいの技工技術とセンス

また医師が処方する薬とは違い歯科技工料金は競争原理が働きます。技工料金は上がらないのに

材料費は上がり続けるという状態が続いており、今後も技工士の経営は厳しくなっていくでしょう。

しかし価格下落面を除けば歯科技工士は在庫を抱えることもなく小資本で稼げリピーターも付きやすい

業種です。対人スキルが高い人は特に稼げる仕事という事は言えます。特に技術職である技工士は

営業が下手な人が多く営業力も立派な強みになります。また基本的なことですが営業時はことさら

技工士は身だしなみが汚い人が多いので清潔感に注意しましょう。歯科医だけでなく衛生士もいる訳

ですから歯科医内の評判もある程度気にかけておく必要があります。

また基本的に保険診療内での技工物がほとんどですので景気に左右されにくいというのもこの仕事の

メリットの1つです。歯科技工士の適正を挙げるとすればやはり細かい手作業が好きな人が向いています。

例えば虫歯の穴を修復するインレーや前歯1本の義歯の製作など、大雑把な人ではとても務まらないでしょう。

また人によって歯並びや形や色すべてが違いますのでその人の技巧センスや器用さ・美的センスなども

培っていく必要があるように思います。

また昔は歯科技工士というとどちらかと言えば歯科医の言いなりになって働く人も多かったものですが

最近の歯科医は技工士に多く相談やアドバイスを持ち掛けるケースも多くなってきているように感じます。

若手の歯科医等は特にその傾向は顕著でしょう。その意味では技工士は時には歯科医に意見するくらいの

意識は持ち合わせていた方が良いでしょう。その歯科医が何を求めているのか、感じ取る力も必要になります。

また歯科医は通常、補綴物やコスパ・技巧精度などによって技工所を使い分けている事も多いものです。

常に自分の仕事の技量と価格のバランスが取れているか見直す姿勢も必要になってきます。

歯科技工士は医療系の独立資格として数少ない資格の1つです。今後も歯科技工士の活躍に期待したいですね。

それでは今日はこの辺で。

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