メガネショップの独立・開業・稼ぎ方

メガネショップの独立・開業・稼ぎ方

 

今回はメガネショップの独立・開業・稼ぎ方について書いてみようと思います。

数年前ロープライスのメガネショップを中心に店舗数は拡大をし当時は1万5千店以上のメガネショップ

がありました。皆さんもショッピングセンター等でよくロープライスのメガネショップを見かけた事が

ある人も多いのではないでしょうか。しかし現在ではその勢いは減速し各店舗ともに店舗数は

減少傾向にあります。

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不景気で客足が遠のいたという理由もありますが大きな原因は客単価の下落。あれだけの

割安メガネを大量に販売してきた訳ですから打撃を受けない訳がありません。これはロープライスの

メガネショップだけではなく中価格帯~高価格帯のメガネショップまで大きな影響を受けています。

メガネは実に日本人口の半分が所有していると言われており大きな産業です。ただロープライスの

メガネはどうしても品質に問題が出てくる場合も多く売ったら売りっぱなしのショップや調整や修理が

まともに出来ない店舗も中にはありました。現在では技術が長けている専門店に改めて顧客が回帰してきて

いるようにも見られます。メガネショップの開業に資格や免許は必要なく誰でも参入は出来ますが

それだけ開業後も相応の苦戦を強いられるのは間違いありません。

ビジネスモデルと原価

メガネショップの仕入は主にはメガネとフレームになります。この原価率は概ね30%前後が一般的。

ロープライスショップの仕入れではレンズは韓国・フレームは中国から仕入れているショップが多い

ように思います。国内で製造しているメーカーであれば福井県鯖江で作っているメガネが多いでしょう。

以前はフレーム・レンズ共に韓国製であることも多かったですが、韓国製のフレームは粗悪なものが

多いという声が広がった事もありフレームは現在では中国に製造させているという経緯があります。

つまりはレンズが一流メーカーの名前が付いていたとしても有名メーカーの海外生産品であることが

多いという事になります。レンズの価格にはさほど大きな仕入価格差はないものの、やはりフレーム素材に

どのような素材を使うかでメガネの原価率は大幅に変わってきます。例えばロープライス店が採用していた

フレームは樹脂系のTRという素材が使われている事が多くTRは元々は医療用に利用されていた素材で

強度が強く軽量であることが特徴的な素材でありプラスチック等よりも安価に仕入が出来る為、

ロープライスショップのメガネ屋でよく使用されています。また国内で作られたメガネは原価も高く

またそこにブランドが乗ってくるともう少し単価も上がっていきます。一般的には素材が高価なものほど

耐用年数が長く長期に渡って使用する事が出来る傾向があります。ざっくり言ってしまえばロープライス

店のフレーム等は原価が500円もかからずレンズも1000円程度のものです。5000円で販売しても

3000円以上の利益が出るようになっています。それが利益として乗ってくればメガネショップは儲かる

商売と言えますがそう上手くはいかない理由もあるのです。

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高い技術料と人件費

メガネ屋は人件費と技術料にコストがかかる商売です。ロープライスショップに眼科医がいる事は

あまりないでしょう。そのためある程度経験を積んだ店員が検眼機器を操作することになります。

通常のメガネ販売では検眼・フレーム・レンズの選定、眼鏡制作という工程を経るのが一般的ですが

ロープライス店ではこの一連のオペレーションをも効率化し人件費を最大限削る努力をしています。

検眼の時間もほぼ一定で検眼機器も現在ではほぼ自動化されているのである程度経験を積めば操作自体は

可能です。しかし度数を合わせる事は出来てもやはり眼科医のような緻密なアドバイスや調整が出来るかと

言えばそれは困難でしょう。検眼と一言に言っても本来は専門技術が必要なもので検眼の専門学校もある程、

何年もかかって技術を習得します。またメガネは顔に装着するものでありダイレクトにしっくりときているか

どうかというのは消費者が敏感に感じます。検眼は機器が行ってくれるとしてもやはりフィッティング技術

ではメガネ専門店に軍配が上がるでしょう。またメガネ自体が安価なものであればいかに専門店の技術が

優れていても顧客1人1人に合わせた適切なフィッティングは出来ません。安価なメガネをかけた人が

専門店に回帰する傾向があるのは日常で頻繁に使用するメガネだからこそその装着感を無意識に感じ取って

いるのかもしれません。近眼や老眼の影響ももちろんありますが高齢になればなるほど高価なメガネを

手に取る人が増えるのは装着感等への拘りもあっての事でしょう。

そのため専門店とロープライス店の戦略をざっくり言えば専門店は技術力を売りにしリピーターを

増やし修理やフィッティング等のメンテナンスを通じてじっくりと固定客を掴む・一方でロープライス店

はとにかく販売数を伸ばしオペレーションを統一・効率化し流行のデザインやモデルを採用する事で

先行していくビジネス形態という事が言えます。まして現在では若年層を中心にメガネは視力低下の為

というよりはメガネをファッションの一部として捉えている面も大きく今後もこのトレンドは続いていく

でしょう。ロープライス店はそれだけ薄利多売なので専門店が1日5本のメガネを販売する事で経営が

成り立つのであればロープライス店は8~10本のメガネを販売しなければ成立しません。まして広告力

では圧倒的にロープライス店が上回るため、販売後のアフターサービスにどれだけ注力できるかが

勝敗を分ける事になるでしょう。一方で専門店は技術力が高いとはいえやはり低価格帯になびいてしまう

消費者が多い事は事実であり、とは言え価格を今より落とす事は単純な価格競争に巻き込まれ単価を

落とすだけに過ぎない結果になる事から、どれだけプライスをカバーできる要素を見い出せるかが

今後の分かれ目になりそうです。

簡単にメガネショップについて書いてみました。技術力を問題視されがちなロープライス店ですが

それでも作業の分担化や価格表示の均一化等で差別化を図ろうとしています。また専門店もプライスを

カバーする技術力の向上や新しい業態にチャレンジしている店舗も増えています。

今後メガネ業態がどのような変化を遂げていくのか見守っていきたいですね。

今回はメガネショップについて書いてみました。

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