ピザ屋の独立・開業・稼ぎ方

ピザ屋の独立・開業・稼ぎ方

 

今回はピザ屋の独立・開業・稼ぎ方について書いてみようと思います。

ピザを好きな人は多いですね。一度は家族やカップルで宅配等のピザを頼んだ事がある人も

多いのではないでしょうか。ピザは以前から特別感があり毎日宅配ピザを頼んで食する人は少数派。

それでも特別な日はついついピザを頼んでしまいます。きっとピザ屋の宅配カーが届けてくれる

出前とはちょっと違ったステータス感が宅配ピザのウケている秘訣の1つかもしれません。

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以前は30分以内に宅配できなければ無料・もしくは割引チケットの提供などを掲げていた店も

多かったものですが宅配バイクの交通事故の可能性や悪天候の日に注文が入り易くなる事などを懸念し

今ではこのようなサービスを打ち出すピザ屋は少なくなっています。

しかしそれにしても宅配ピザの価格が高いという声はよく聞かれます。サイズにもよりますが1枚

2000~3000円前後するピザ。高級食品とも言えるくらいの価格です。これでは一般家庭では

気軽に頼めるという価格帯ではありません。今ではその価格が常識のように考えてしまっていますが

ピザの価格について改めて理由を見てみようと思います。

ピザの原価

宅配ピザが好きな人には言いづらい事ですが実際にはピザの原価は10~20%と言われています。

2000円前後のピザであれば200~400円くらいが原価といった所でしょうか。他の粉ものと

比較してもかなり低めの原価率。チーズ・ベーコン・オニオン・ピーマン・ぺパロニ・ソーセージなど

様々なトッピングが乗っているとしても大手は大量一括購入で原価を抑えており、また材料をスライス

されてトッピング自体のボリュームもさほど多くはない為、トッピングの原価は低いと言えそうです。

メインとなるチーズは原価が高く100円程度と見込みトマトソースを30円・生地を1枚50円程度と

考えその他をトッピングが占めると考えればやはり300円前後がピザの原価と言えるでしょう。

原価だけを考えれば2000円のピザで300円原価であれば1700円の粗利。粗利だけを見ればここまで

粗利率の良い商売も他ではありません。しかしそんな高価格のピザも今では世間にしっかり浸透しています。

宅配ピザの価格の高さには幾つかの理由がありそうです。

ピザ屋の人件費・広告費の高さ

宅配ピザ屋の高価格の理由は一番に人件費の高さが挙げられます。簡単に比較できるものではありませんが

通常の飲食店等でアルバイト1人が1時間あたりに接客できる客数を20人とします。3分で1人の接客が

完了する計算です。しかし宅配ピザの場合、1時間で対応できる客数はせいぜい1~1.5人程度。

同じ時給1000円のアルバイトだとしても宅配ピザ屋の人件費は客数1人あたりに1000円前後かかる

事になってしまいます。通常の飲食店の人件費率が25%だとすると時給1000円のアルバイトは

1時間に4000円の売上げを上げれば良い事になりますが宅配ピザ屋では1時間1家庭(単価4000円

程度)の訪問がやっとな為、やはりピザそのものの価格に人件費を転嫁しなければ採算が合わない事になります。

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また宅配ピザ屋と言えば広告費も高めなのが特徴的です。皆さんの家のポストにも毎日のように

宅配ピザの広告が投入されているケースも多いのではないでしょうか。今ではネット主流になっている為、

恐らく以前ほどの広告費は投入していないようにも感じますがそれでも立地集客ではなく宅配専門である

だけに多額の広告費の投入は避けられない所でしょう。またピザは家族や大勢の人が集まるシーンで注文する

ケースが多く、必然的にその注文主は親など中高年になる場合もあり、併せてクーポン券付きのチラシが

注文動機に繋がっている事も多い事から、いかに広告費が高くとも紙媒体の広告にコストを捻出せざるを得ない

という事情もあります。

大手ピザ屋のFC加盟は1500~2000万円前後かかる事は通常ですがそれだけ広告料や集客力は

FC店が強くピザ開業にあたってはFC加盟を検討する機会が多くなるのかもしれません。また人件費や

広告費が高くつくだけに宅配ピザ屋は一等地や二等地では賃料が高く付くため、住宅街や商店街外れなど

賃料の低いテナントで営業する事が一般的です。またその点でも競合店が近隣にない事や周辺住民から認知

されやすい立地が良いとされています。

低価格帯ピザの登場

そんな宅配ピザの風穴をあけるように最近ではワンコインピザ屋が幾つものエリアで誕生しています。

1枚500~800円程度の価格でピザを食する事が出来るという新しいピザ屋です。今までは

2000~3000円出さなければピザは食べられないと考えていた客層にも大きなPRになっている

ようです。食材自体は恐らく宅配と同じく小麦やトッピングは大量購入により大幅に原価を抑えている

事は同じですが、宅配ピザと異なるのは立地条件でしょうか。郊外に出店していた宅配と異なり

駅前など一等地に出店しているワンコインピザ屋が多いのが印象的です。またピザだけを食する

というよりもカフェ等と一体化させてピザを提供している所が特徴的です。大手をはじめ今後は

サンドイッチやケーキのようにピザがカフェのメイン食材になり得るかどうかにも注目が集まりそうですね。

またワンコインピザ屋はオペレーションにも一工夫が見られます。アルバイト等でも調理が可能な形態にし

1~2分で窯で焼きあがる事が出来、客の回転数もあまり落とさずファーストフード感覚でピザを提供

している事も成功の要因なのかもしれません。また宅配ピザ屋で難点であった人件費もオペレーションを

効率化する事で店舗に配置する人員は2~3人としており人件費削減にも繋がっています。

またこのようなイートインのピザ屋がもたらしているものは低価格という側面だけではなく

日本人にピザを食する機会を増やす事にも繋がっています。朝食に食パンにピザソースとチーズをかけて

ちょっとしたピザを作る家庭はあっても本格的なピザを焼く家庭はあまりありません。今まではピザを

注文するケースというのはパーティーやイベント時など特別なシーンに限られる事が多かったものですし

今でも普段は暇な宅配ピザ屋でもクリスマス時等は注文が殺到しサーバーもダウンする程、

イベント時と日常の差が激しく見られます。「イベント時のピザ」というイメージを払拭していけるか

という点においても低価格帯ピザ屋の今後の動向に注目したい所です。

ピザの食べ歩き・テイクアウト

また今までは宅配ピザがメインとされており最近では店舗でのピザが流行っていますが日本では

まだまだテイクアウト食べ歩きのピザ屋が少ないような気がします。例えばイタリア等ではピザを

街中で食べ歩くなんて事は日常的にある事ですが日本国内ではそのような光景はあまり見かけません。

日本でテイクアウトの主流となっているものは手軽に食べ歩く事ができる食材や口や衣類が汚れにくい

食材など、一定の特徴がある事からすればピザがテイクアウトに馴染みにくいという難点はあるものの、

やはりピザは熱々の焼き上がりが美味しいという利点も考えれば今後食べ歩きの姿を見かける事も

多くなってくるのかもしれません。またピザは一般的に歳を取れば取るほど注文しない傾向があり

どちらかと言えば若者向けの食材である事が言え、繁華街等でピザを食べ歩きする若者の姿は

イメージしやすい部分でもあります。また食べ歩きしやすいようなトッピングや生地の厚さの工夫・

顧客の好みに合わせてカットの大きさの自由度を高める等、今までの宅配ピザのイメージを一掃する

テイクアウト向けの発想が求められるでしょう。

ピザが高いと言われていた中、このような低価格帯のピザが登場するのは当たり前と言えばそうなのかも

しれませんが、一点個人的に気になる点はピザが日常的に食する食材であるのかどうかという点でしょうか。

牛丼やファーストフードのように毎日食してもあまり飽きのこない食材かどうかという点で言えばピザはまだ

日常食としてまでは認知されていないような気がします。

またテイクアウトと言えば「移動販売」や「屋台」も視野に入ってくる事もあるかと思います。

ピザはイベント等でも食されるケースが多い事から、移動販売の形態で販売場所に変化をつけながら販売をする

事も考えられます。

また一般的には宅配ピザは2000円前後かかる事から気軽に購入する事はできません。

その点でも移動販売や屋台等でピース売りをし、低価格で提供をしていく事も検討できます。

また高カロリーになりがちなピザですが、ピース売りにする事で女性等でも日常的に食してもらう事もできるで

しょうし、おやつ代わりに食してもらうという事も出来るでしょう。

ですがピザの移動販売や屋台がなかなか難しいのは、やはりピザ釜や設備をどうするかという事です。

数百度の高い熱で焼くピザですがそれを車内で焼くとなると、耐火性の窯を選ぶ事も検討しますし排煙設備をど

うするかという問題もあり、それ以前に保健所の審査もスムーズにパスできるかどうかという問題もあります。

初期費用が安い事が魅力の1つでもある移動販売ですが、必要設備だけでかえって高いコストを支払う事にもな

り兼ねません。ピザを移動販売で販売する際には要検討と言えます。

今後も新しいピザ屋がたくさん出店していくでしょうからこれからも個性的なピザ屋の出店に期待したいです

ね。それでは今日はこの辺で。

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