不動産屋以外の8つの物件入手ルート?

今回は不動産屋以外の物件・テナント紹介ルートについて挙げて

みたいと思います。

独立起業をするとなるとまず必要になるのがテナント。

飲食業など店舗物件が必要なケースもあれば、SOHO等シンプルな

事務所を選択するケースもあり、必要なテナント形態は業態や職種

によって様々です。ネット販売や出張形態など、中には無店舗での

ビジネスもありますが、テナントを借りて商売を行う利点も多くあります。

スポンサーリンク

店舗テナント専門の不動産業者は少ない

不動産屋というのは街中にたくさんあります。それこそ駅前には決まって

数店舗の不動産屋が構えている所も多いですし、繁華街・住宅街などいたる所に

不動産屋があります。また不動産屋は大別すると売買・賃貸・事業用専門といった

不動産業者があります。

ですが街中に存在する多くは大抵は「住居専門」の不動産屋が多いものです。

店舗・テナント物件を扱っている不動産屋もありますが、その物件数は少数である事が

多いかと思います。テナント物件を扱えば他社への差別化にも繋がりそうなものですが、

やはりそこにはテナント物件を積極的には扱いたくない幾つかの理由があります。

物件数が少ない

店舗物件というのは一般的な住居物件と比較すると圧倒的に数が少ない

ものです。やはり住居のための住宅と比較すると、商売等の事業用物件は

元々の数自体が少なく、顧客に対しても満足のいく情報提供が常にできるとは

限りません。そのため業者としても積極的な営業を行いにくいといった難点

があります。住居賃貸とは違い選択肢が少ないので、売上を重視して数をこなす

というよりは、どちらかと言えば空き物件が出たらその都度借り手を探すといった

スタンスになる事も多く、効率的な事業運営が難しい場合もあります。

そのため店舗テナント専門業者は駅前など目立つ場所で積極的に集客を図る

というよりは、むしろ空中階などでひっそりと営業している業者も多い傾向があります。

専門的な知識が必要

決して住居専門の賃貸業務が簡単という訳ではありませんが、それでも店舗テナント

専門の業者と比較すると、同じ賃貸でもその難易度は店舗賃貸の方が高めです。

店舗専門の業者ともなれば物件の電気ガス・水道・給排気等から厨房の区画・内装・

外装工事・設備品の譲渡など様々な相談に応じなければなりません。またそれ以前に

その商売に対しての勝機・売上見込み等、経営に一歩踏み込んだ相談を受ける事も多々

あります。もし業者のミスでトラブルが起きようものなら既に着手している工事代金

等で大きな損失が出る可能性もあります。専門的な知識や労力が必要となる為、

店舗テナント専門の業者というのは少ない傾向があります。

手数料の低さ

基本的に、住居仲介であっても店舗仲介であっても、借主が不動産業者へ支払う

仲介手数料は賃料1か月分が上限となっています。実際には店舗仲介の場合には

仲介手数料以外にも情報提供料や譲渡資産手数料・企画料・広告料といった名目で

別料金を徴収しているケースも多いものですが、それでも住居賃貸と比較すると

店舗仲介は手間も時間もかかるので、やはり労力の割には報酬額が見合っていないと

されている部分も多いかと思います。一方で住居賃貸であっても仲手以外にも広告料が

発生する事が多いので、店舗が割に合わないと考えるのも自然な事なのかもしれません。

希望の店舗・テナントが見つかりにくい理由

独立開業時に希望の物件が見つかりにくい理由には上記に挙げたように、元々の物件数

が少ない・店舗物件を取り扱う業者数が少ない・露出も控えめといった理由があるかと

思います。

またそれ以外の理由としては、テナント専門業者同士の結び付きも関係していると

思われます。住居賃貸の場合、自社だけで顧客を呼び込む事が困難なケースでは、

他社にも情報を流し、早めに契約を成立させようとする風潮があります。特に閑散期や

空き室期間が長引いている物件等はこのような傾向があります。

しかし店舗テナント専門の場合には、他社との結びつきが弱い場合もあり、他社に客付け

依頼をする事自体が少ない傾向があります。また自社だけで契約を成立させれば手数料を

100%自社で受け取る事ができるといった事情も関係します。そのため物件によっては

一部の業者だけが情報を握っており、なかなか広範囲の顧客にまで情報が辿り着かない

といったケースも考えられます。

またすぐに埋まってしまうような優良物件の情報は、川下の一般顧客にまで情報が流れて

くる前に、すでに川上の方で業者と付き合いのあるオーナー等と話が成立してしまっている

ケースもあるでしょう。

スポンサーリンク

不動産業者以外の8つの紹介ルート

独立開業をする際には、多くの店舗物件を見て廻る事が大切です。

多くの物件を見た方が当然に選択肢が広がりますし、また物件に対しての目利きができる

ようになってくるので、そのエリアの相場観を養う事にも繋がります。

その為には不動産業者だけではなく、より多くの物件紹介ルートを確保しておいた方が

有利に働く可能性があります。それでは不動産屋以外で店舗物件を紹介してくれる所には

どのような所があるでしょうか。

 

同業者

同業者で付き合いのある人から物件を紹介してもらったというケースは意外に多いものです。

例えばある店のオーナーがいつも営業廻りで来ている業者から、物件を探している知り合いの

伝手を聞かれ、「そういえばあの店のオーナーが次の新規店舗の物件を探して…」といった

パターンです。紹介物件であれば紹介者の面子もあるため、下手な物件を紹介される可能性も

少ないですし、また自分で一から物件探しをするよりも優良物件に巡り合える可能性もあります。

また新規開業時には相談事など何かとお世話になる事も多いので、近隣に1人は先輩同業がいる

のは心強いものです。

 

金融機関(銀行)

金融機関も店舗テナントの物件情報を握っている事が多くあります。例えば過去に融資

を受けた投資家に向けて、銀行から物件情報の提供があるのはよくある話です。

銀行から物件情報が流れてくるという事は過去の返済歴や融資基準をクリアしている

人に向けているケースも多いので、新規開業者に話が流れてくるケースは少ないかもしれません。

また紹介の対価としてお金を借りる必要がある等、応じる必要があるかどうかはケースバイ

ケースとなりますが、自分の希望に合った優良物件であれば応じてみるのも良いでしょう。

 

フランチャイズ本部

独立する形態がFC(フランチャイズ)であれば、FC本部が物件情報を提供してくれる

ケースも多くあります。もしくは1号店など既存店舗をすでに開業済であれば、次の店舗の話を

持ち掛けられたというFCオーナーもいる事でしょう。FC本部側としても全くの新規開業者に

情報を流すよりは、既に実績のあるオーナーに話を持ち掛ける事も多いようです。

ですがFCの場合、一概には言えませんが本部側が示してくる売上シュミレーションや想定客数などは

希望的観測を含んだ数字も多く、現実の数字とはかけ離れたデータである可能性もないとは言えません。

実際に現地に何度も足を運んでみたり近隣の同業他社を入念に調査する等、自分の目で詳細を

調査して物件を精査するようにしましょう。

 

内装業者

内装業者にも多くの人間が出入りをする事により、物件情報を持っている業者も多く

存在します。特に大手の内装業者等はデザインから施工・コンサルなど幅広く手掛けている

会社も多く、物件紹介もその内の一業務でもあります。ただしやはり内装業者等から物件

紹介をしてもらった場合には、実際の内装工事等もその会社にお願いするといった結果に

落ち着くケースが多くなるでしょう。内装業者の選定にはその他にも一括施工が可能か

どうか・自分の希望する業態と同様の施工経験があるか等、様々な決定要素があるので

よく確認をしてから選ぶようにしたい所です。

 

設計事務所

設計事務所も内装業者と同様に事務所によっては人の出入りも多く、新しいテナント情報

やテナントプロデュースの話が入ってくる事も多くあります。自分が希望する設計事務所

等がすでに決まっている場合には、物件についても相談してみても良いかと思います。

 

出入り業者

仕入れ業者・食材メーカー・配達業者・コンサルタントなど、普段から多くの店に

出入りを繰り返している業者も、物件情報を持っている事があります。数自体は多くは

ありませんが、普段から多くの店の内情を知っているだけに、鮮度の高い情報を持ち併せて

いる場合があります。店のオーナーとも普段からの顔馴染みである事から、例えば「〇〇の店が

閉店するらしい」といった情報もいち早く掴んでいるケースがあり、川上の情報を掴める

可能性があります。

 

WEBサイト

今では物件情報もWEBサイトから入手するといったケースが多いものです。

また多くの物件写真が掲載されている事も多いため、特に住居物件であれば内見をせずに

部屋を決めるといった人も一部いるようです。また最近ではテナント仲介においてもWEB

業者同士で手数料の割引合戦が繰り広げられているエリアもあります。

ですがやはり住居物件と事業用物件は全くの別モノ。生活の為に物件を決めるのと、商売をする

為に物件を決めるのでは雲泥の差があります。事業用の場合には当然にそのエリアに何度も

足を運んで周辺の状況を把握する必要があります。

 

商工会議所

物件情報入手において、意外と知らない人も多いのが商工会議所です。

商工会議所は少数ではありながら物件情報を更新している事も多く、

街の地域振興や人口増加支援など、様々な目的で物件紹介を行っているケースが

あります。またエリアによっては新規出店をすると、補助金の交付を受けられる

といった場合もあります。ただし商工会は情報提供のみを行っており、実際の

不動産仲介においては地元の不動産業者が行うといったケースも多いので取引時は

よく確認をしておくようにしましょう。

 

物件情報においては様々な入手ルートがありますが、大切な事はどこから入手

するかではなく、自分が希望する物件をブレずに求め続けられるかどうかです。

その為にもできる限りの時間を使って、沢山の物件を見て廻りたいですね。

今回は独立開業時の不動産屋以外の物件紹介ルートについて挙げてみました。

スポンサーリンク